水晶を織り込んだ山梨県の民謡-増富鉱泉節-

水晶を織り込んだ山梨県の民謡-増富鉱泉節-

1.初めに

 山梨県の名産は、葡萄(ぶどう)と水晶といわれていました。冬の間、鉱物採集にも
行けず、骨董店や骨董市で鉱山や鉱物関連の品物を探していました。
 県内の骨董店で、水晶を織り込んだ山梨県の民謡が掲載された小冊子を入手した。
 これは戦前(1945年以前)に、都道府県の地勢をまとめた本から、山梨県の部分を
剥ぎ取ったもので、位置から民謡まで26項目について記述してあります。
 民謡の章にある「増富鉱泉節」には、山梨県の名産の”水晶”が唄われており、ここに
紹介いたします。
 ほかにも、水晶を織り込んだ民謡の歌詞を見かけた記憶もあり、それらを網羅して
みたいとも考えています。
(2004年3月調査)

2. 山梨県の代表的な民謡

 山梨県の代表的な民謡として「武田節」が知られていますが、これが唄われるように
なったのは戦後(1945年以降)で、この小冊子が発行された戦前に知られていた山梨県の
有名な民謡には、次のようなものがありました。

  ・縁故節
  ・粘土節
  ・甲州綿打唄

3. 増富鉱泉節

 増富鉱泉節の歌詞を紹介します。

  『山ぢゃ富士山、谷間ぢゃ金峰、お湯ぢゃネ
      お湯ぢゃラジウム世界一、テャテャ

   甲州金峰は、水晶のお山、水晶
      水晶のしづくがお湯となる、テャテャ

   小尾の名所は、岩屋の観音、富士がネ
      富士が見えます、舟形に、テャテャ

   出てからほてるがラジウムの効能、ながくネ
      ながく脊骨が焼ける様だ、テャテャ

   重き胃病が、ラジウムで治り、すすむネ
      進む食事が二人前、テャテャ

   甲州ラジウムぢゃ、トッカピンは要らぬ
                  いつもネ
      いつも精力はち切れる、テャテャ』

4.おわりに

(1)ほかにも、水晶を織り込んだ民謡の歌詞を見かけた記憶もあり、それらを網羅して
   みたいとも考えています。

5.参考文献

1)---------:山梨県,--------,戦前
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