徳島県三好郡山城町 「ラピス大歩危 石の博物館」の鉱物

徳島県三好郡山城町 「ラピス大歩危 石の博物館」の鉱物

1.初めに

 以前から兵庫県の石友Nさんご夫妻から、「ラピス大歩危・石の博物館」という
素晴らしい施設があり、是非案内したい、と聞かされ、一度訪れて見たいと
考えていた。
 我々夫婦の結婚30周年・真珠婚の四国・中国鉱物採集旅行兼観光旅行の
初日に案内していただいた。
 館長で、徳島大名誉教授の岩崎 博士がおられ、四国の地質や鉱物についての
お話を伺った後、自ら館内をくまなく案内していただいた。

   館長の岩崎博士と記念写真

 私の妻には学芸員の関さんが、易しく解説してくださり、これから訪れる産地の
岩石や鉱物についての知識を深めることができた。
  展示は、ドイツ・ミュヘン大学の付属鉱物博物館を参考にしたというだけあり
洗練されたもので、好感が持てます。
 鉱物ファンといわず、子ども達にも、是非一度は訪れて欲しいと思います。
入館料:大人 500円(幼稚園児以下無料)
営業時間:9時〜17時
休館日:年中無休(ただし、12月〜2月は月曜日休館)
(2003年11月見学)

2. 場所

 徳島自動車道「井川池田」ICでおり、381号線JR土讃線を縫うように南下、「小歩危」を
過ぎると「大歩危」の渓谷がみえ、そのほとりに「ラピス大歩危・石の博物館」が
あります。

  外観

3. 展示内容

 ここは、株式会社 山城しんこう が経営する施設で、山城情報館と併設に
なっている。
 博物館の名前は、ラピスラズリに由来するそうです。次のようなコーナーから
構成されている。

 @石を科学する
   天然記念物の礫質片岩をはじめ、この地域特有の変成岩を展示し
  大歩危渓谷の成り立ちをビデオやジオラマで紹介する。

   

       

       大歩危ジオラマ           礫質片岩

       A人のくらしと石
   人がどのように石と関わってきたのか、金、銀、銅そして鉄などの地下資源の
  活用方法について、展示してある。

   

   人工坑道

 B石の花 -宝石とその原石-
   人類、とりわけ女性を魅了する宝石とその原石がもつ神秘的なまでの美しさを
  堪能できます。ルミネッセンッス室では、紫外線で発する各種鉱物の蛍光が
  幻想的な美しさです。

   

4.おわりに 

(1)首都圏の山梨県からは、700kmあり、とても遠い場所ですが、館長や関学芸員が
   一生懸命に岩石や鉱物の知識の普及に努めておられ、応援したいという気になります。
    「友の会」も組織されているようですので、そのような形で協力させていただければ
   と考えています。
(2)今回、「小川山の水晶・群晶」、「乙女鉱山の水晶」「黒平の長石」などを
   この施設に寄贈するため持参した。
    すると早速、博物館誌「STONE 通信」12月号の表紙に「わたしの一石(いっぴん)」と
   題して、Nさんご夫妻の電気石(愛知県産)、愛知の石友Kさんの灰鉄ザクロ石(湯沼産)と
   並んで、乙女鉱山の水晶を紹介していただいた。
    その一部を抜粋して、ご紹介いたします。

   『・・・・乙女鉱山の水晶やホタル石、カリ長石などを多数ご寄贈いただきました。
    展示標本としてだけでなく、子どもたちの総合学習用教材として使用できる標本が
    増えたことに感謝しております。当館は、みなさんご存じの通り国産標本が数少ない
    状況です。この機会に子どもたちも国産の鉱物や岩石を手にとって、石について少しでも
    興味をもっていただければと思っています。』

5.参考文献

1)ラピス大歩危石の博物館編:案内パンフレット,同館,2003年
2)ラピス大歩危石の博物館編:STONE 通信,同館,2003年
3)岩崎 正夫解説・写真:徳島県地学図鑑,徳島新聞社,平成2年
inserted by FC2 system