針道の黄鉄鉱産地
ここも現地での採集・選別は難しいので、シャベルで粘土を掬ってビニール袋に入れ
持ち帰ることにした。
【後日談】
この粘土を水洗いして、最後にパンニングしたら最大1cm、各種の結晶形態をした
黄鉄鉱が無数(1mm以下を含めて)にあった。この分類も楽しみです。
こうして、楽しかった奈良県での採集を終え、名阪天理ICまでAさんに送って頂き
お別れした。
針ICを出たところに、道の駅・都祁(つげ)「針T・R・S」があり、入浴、食事が
でき、ドロドロの汚れを落とし、日本式双晶を肴に乾杯。
4.【岐阜鉱物採集】
帰りに、かねて行って見たいと思っていた瑞浪鉱石展示館を見て、蛭川村
木積沢、関戸川で採集した後、中津川鉱物博物館で「田上地方の鉱物展」を見る
計画であった。
(1)瑞浪鉱石展示館
ここを訪れるのは約10年ぶりで、展示方法もリニューアルされ見やすくなり
入館料も無料になっているのが有難い。
外国産の標本も多いが、国産の標本の一級品もあり、鉱物愛好家にとって一見の価値が
あります。
私が感動したのは、@群馬県西ノ牧鉱山の「若林鉱」A洞戸鉱山杢助の透輝石巨晶
です。
若林鉱 透輝石巨晶【6cm】
ここには、愛媛県槙ノ川のピンクダトー石や魚眼石の美晶が展示してあり、未だ見ぬ
四国の鉱物産地を夢見ています。
槙ノ川のピンクダトー石
(2)蛭川採石場
今は稼動していない古い採石場跡で、蛍石のついた晶洞を採集。早々に切り上げ。
(3)木積沢
トパーズを求めて、フルイ掛けするが、全然だめ。ここも、早々に引き上げる。
(4)関戸川
この夏、採集会を開催した場所へ行く。採集会の後、兵庫のNさん家族や奈良のAさん
などがリピータで訪れ良品を採集しているとの情報があり、4ケ月ぶりに訪れた。
産地は荒れておらず、川擦れながら10cmの水晶や頭付きトパーズなどを採集。
(5)中津川鉱物博物館「田上地方の鉱物展」
中澤さんが田上山で発見した、所謂「中澤晶洞」からでた美麗なトパーズをはじめ
各種のペグマタイト、希元素鉱物を展示していた。
田上地方の鉱物展示
この日が最終日にもかかわらず、見学者は私達夫婦だけで、ここも貸切状態でした。
展示目録、絵葉書などを購入。
ここには、「日本鉱物誌」などの鉱物関係の古書や「地学研究」のバクナンバーなどを
常備しており、希望する部分のコピー・サービスもしてくれるとの事。
活用しなくちゃ。
最終日の閉館間際だったので、厚かましくも「田上地方の鉱物展」のポスターを
頂いてきました。
5.おわりに
(1)奈良県での鉱物採集は初めてでしたが、AさんとT君の案内で、五代松の
日本式双晶などが代表的な標本を採集でき、予想以上の成果に大満足です。
案内していただいたAさんとT君に改めて感謝申し上げます。
T君は、この夏の採集会で田口鉱山のパイロクス・マンガンの美晶を発見するなど
目聡いとは思っていましたが、この夏岩手県玉山金山で採集した日本式双晶に脱帽。
(2)今回は、ダイジェスト版を作成しましたが、それぞれの産地の詳報を
逐次掲載する予定です。
(3)道路網が整備され、遠いと思っていた産地が比較的簡単に行けるようになり
有難いことだと思っています。
公共事業のあり方が議論されていますが、このような社会インフラは、どしどし
整備して欲しいと願っています。
(ドイツを旅してみると、半世紀以上前に着工された、速度制限なしでしかも無料の
アウト・バーンが如何に日常生活や余暇時間を便利で快適なものにしているか実感
できます。)
6.参考文献
1)京都地学会編:京都の地学図鑑,京都新聞社,1993年