栗生大理石採石場の柘榴石

栗生大理石採石場の柘榴石

1.初めに

5月連休の採集会を開催したころ、9名の参加があり、昨年訪れて好評だった
栗生→大深山→湯沼→梓(甲武信)鉱山と2日間にわたって採集を楽しんだ。
長野県栗生には、大理石採石場があり、平成12年11月に訪れ、美しい柘榴石を
採集した。そこで、初日にここを訪れ、昨年同様に美しい標本を採集し、皆さん
満足されたようでした。
(2001年4月採集)

2.産地

長野県栗生には、川上村から馬越峠を越えていくルートと小海線松原湖駅の
方からの2つのコースがあります。
冬には馬越峠が凍結しますので、小海線側から回った方が良いでしょう。
大理石工場(現在稼働していない)の脇の林道を採石場に向かって走ると、途中から
未舗装の道路に変わり、その行き止まりが採石場です。

栗生大理石採石場での採集会参加者

3.産状と採集方法

ここは、大理石(結晶質石灰岩)からも分かるように、スカルン鉱床で、
ズリの転石や土砂に覆われたズリを掘り返して、母岩付きや分離結晶を探します。

4.産出鉱物

(1)灰バン柘榴石【Grossular:Ca3Al2(SiO4)3】
緑〜灰〜赤褐色まで各種の色合いのものがあります。輝きの強い自形結晶は
日本のザクロ石の中でも美しいもののトップ・クラスでしょう。
今回、大きな結晶を母岩付きで採集できた。
ここのは、灰鉄ザクロとの意見もありますが、私は分析器を持っていないため、
見た目で緑がかっていれば灰バン、褐色なら灰鉄、赤色がかっていれば鉄バンと
勝手に判断しています。技術論文でなく、所詮、趣味でやっていることですので。

栗生産灰バン柘榴石【左:結晶35mm 右:5mm】

5.おわりに

今回1時間足らずの採集でしたが、女性や子供(むしろ子供のほうが眼が
良いのか美しい標本を採集した)でも美しい結晶が採集でき、楽しめる産地です。
採石場ですので、断って入るようにしましょう。
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