(2)翠(みどり)ひすい・オンファス輝石【Green Jadeite/Omphacite:(Na,Ca)(Al,Mg,Fe)Si2O6】
真っ白いひすい輝石の巨岩には、ところどころラベンダーひすいや緑色ひすいを含む
ものがあり、そこから採集した。緑色の脈状に走っているのは、ひすい輝石ではなく
オンファス輝石であるが、ここでは、一般に呼ばれているように”翠ひすい”としておき
ます。
ひすいといえば、漢字の”翡翠”に入っている”翠”つまり”緑色”をしているものだとの
永い間思い込んでいた。「緑色に着色するのは、クロムが含まれているからだ」などと
もっともらしく書かれている本もあるようです。
緑色の部分は、翡翠輝石ではなくオンファス輝石であるというのが最近の研究で
解ってきたようです。白色ひすいと緑色ひすいに含まれる元素を分析(定性分析)した
結果、白色のひすい輝石に比べ緑色のオンファス輝石には、マグネシウム(Mg)
カルシウム(Ca)そして鉄(Fe)が多く含まれ、オンファス輝石の緑色の原因は、遷移元素の
1つである、鉄(Fe)であろうと考えられている。
(3)これら色のついたもの以外に、真っ白いひすいもあります。
(1)ヒスイを求めて糸魚川、青海そして宮崎海岸に通って何年になるだろうか。15年を越える
のではないだろうか。これまで、”これぞ、ヒスイ”というもの自ら探したことがなく、ヒスイとは
縁がないと、私たち夫婦は思っていた。
しかし今回、今まで知らなかった産地を初めて訪れ、”これぞ、ヒスイ” をゲットすることが
できた。
松原先生様々です。
(2)化学式のお遊び、と言ってしまえばそれだけだが、ひすい輝石ができる化学反応として
次の4つが考えられる。@は従来から考えられた曹長石モデル。
@曹長石モデル
NaAlSi3O8(曹長石) →NaAlSi2O6(ひすい輝石)+SiO2(石英)
A方沸石モデル
NaAlSi2O6・H2O(方沸石)→NaAlSi2O6(ひすい輝石)+H2O(水)
Bカスミ石+曹長石モデル
NaAlSiO4(カスミ石)+NaAlSi3O8(曹長石)→2(NaAlSi2O6)(ひすい輝石)
Cソーダ沸石モデル
Na2Al2Si13O10・2H2O(ソーダ沸石)+SiO2(石英)
→2(NaAlSi2O6)(ひすい輝石)+2H2O(水)
カスミ石がどのようなものか分からないが、糸魚川や青海では見つかっていないようです。
曹長石は巨岩で発見されており、しからば「方沸石」や「ソーダ沸石」など ” ひすいに
なり損ねた(?)沸石族 ” があるのではないか、と考えていた矢先、妻が面白いものを
発見した。
これについては、続編で報告したいと考えています。乞うご期待