@ ソーダ沸石モデル
A 方沸石モデル
ソーダ沸石と石英から、ひすい輝石2分子と水2分子ができる。
Na2Al2Si13O10・2H2O(ソーダ沸石)+SiO2(石英)
→2(NaAlSi2O6)(ひすい輝石)+2H2O(水)
方沸石から、ひすい輝石と水ができる。
NaAlSi2O6・H2O(方沸石)→NaAlSi2O6(ひすい輝石)+H2O(水)
これらのシナリオが正しいかどうかは、分かりませんが、謎が多いひすいの誕生ドラマを
秋の夜長に考えるだけでも楽しい。
ご一緒いただいたNさん夫妻に、厚く御礼申し上げます。
(2005年11月採集)
鉱 物 | 化学式 | 説 明 | 観 察 品 | 備 考 | 方沸石 (Analcime) | NaAlSi2O6・H2O | 無色透明〜白色、ガラス光沢を示し サイコロの角を落としたような 偏菱24面体の結晶で 現れる | ミネラライトで 黄緑色に蛍光する。 バリウム(Ba)や ストロンチウム(Sr)などを 含むのか? |
曹達沸石 (Natrolite) | Na2Al2Si13O10・2H2O | 白色〜無色透明で ガラス光沢を示す細長い 柱状で産する。 柱の断面は正方形で 先端に錐面がでる。 | ソーダ沸石に純白の 沸石類似鉱物が 共生するが鉱物名不詳 |
方解石 (Calcite) | CaCO3 | ガラス光沢、白色の菱形六面体 ソーダ沸石の上に成長し 最後に晶出したことを うかがわせる |
(1)小滝川の隣にあるひすい産地、青海町では脈状トムソン沸石の産出が報告されていた
ように記憶しているが、小滝川での沸石、しかも自形結晶での産出は寡聞である。
今回得られた標本は、角が丸まった転石の晶洞部にあったものだが、表面から見える
晶洞部の沸石が無傷であったことから、さほど上流から流れてきたようには思えない。
どこかに、露頭が隠れているのか、夢が広がります。
(2)帰途、青海町立自然史博物館に立ち寄り、ひすいの成因をおさらいした。海洋プレートが
大陸プレートの下に沈み込むところに、付加プリズム体が生まれ、その付近で海洋プレートと
海水から曹長石(アルビタイト)が生まれ、更に深く引きずり込まれると高温高圧で曹長石から
ひすい輝石と石英が生れる、とされているようです。
この説にも、難点がなくは無いようですが、現在のところ通説となっているようですので
” 沸石起源説 ” が受け入れられる余地は少ないようです。
プレートの沈み込み
ひすい成因
ひすい成因説明図
【青海町立自然史博物館パネルより引用】