2009年は政権交代があるなど、社会的にも激変の年だった。わが家も、妻の父親の
死、初孫(娘)の誕生、姪の結婚など、『禍福は糾(あざな)える縄』の如き1年だった。
極めつけは、年末に長男が新型インフルエンザに罹り、身重の嫁さんからのSOSで
”ひつじ”、でなくて執事兼運転手と家政婦の何度目かの出動となった。このため、年末
恒例の『くりすます・ぱーちぃ兼ミネラ・ウオッチング納め』を”どたキャン”せざるを得な
かった。
そんな訳で2009年のミネラル・ウオッチングでの成果は果々(はかばか)しいもので
はなかった。
ただ、今までになく大勢の子どもたちと引率の先生や親御さんを産地に案内したり、
『出前授業』で鉱物入門の話をさせてもらったりする機会が多かった。素晴らしい体験が
できたことを喜ぶ大勢の子どもたちから手紙をいただいた。
新年を迎え、「門松は冥途の旅の一里塚」、という古いことわざが頭の片隅をよぎる
歳になっている私にとって、子どもたちからの手紙は『お金には換えられない虎の子
の資産』だ。
2010年も、大勢の子どもたちや石友とのミネラル・ウオッチングを楽しみにしている。
( 2010年1月 情報 )
お母さんからの次のようなお礼のメールをいただき、T君、I君にとって良い経験に
『 家族全員初めての水晶取りでしたが、お蔭様で怪我もなく素晴らしい体験ができ
ミネラル・ウオッチングの様子をお母さんが撮影した写真でまとめた1冊のアルバム
2.2 Fさんからの手紙
ミネラル・ウオッチングの後、お母さんからの次のようなお礼のメールをいただいた
『 昨日は、本当に一日楽しく過ごさせていただき、ありがとうございました。これま
本当に素敵な体験をありがとうございました。
夏休みの終わりに、Fさんが自由研究で整理した標本の写真が送られてきたのを
2.3 F姉弟からの手紙
ミネラル・ウオッチングの後、責任者のF先生から、次のようなメールをいただき、
『 先ほどぶじに帰宅いたしました。渓流の水に冷やされた西瓜の美味も、忘れられ
数日後、参加したF姉弟から、ミネラル・ウオッチングの感想をイラストを交えて綴っ
2.4 『出前授業』の子どもたちからの手紙
責任者のS先生から、次のような手紙を添えて子どもたちの寄せ書きが送られてきた
『 10月の体験学習では大変お世話になり、ありがとうございました。多くの子ども
4クラスの子どもたちが書いてくれたメッセージを読むと、私の授業だけでなく、その
私が死んでも、猫の額ほどの宅地と(鉱物標本の重みで?)傾きかけてガタピシと
こんな私にとって、子どもたちからの手紙は、まさに『お金には換えられない虎の子
2009年、産地を案内することで新たに知り合いになった石友も多い。不思議と同行
(2) 『採集始め』
こうなると、2010年の『 採集始め 』 は当分お預けになりそうだ。
( Mineral Watching Guide for School Children , Aug.2009 ,Yamanashi Pref. )
なったようだ。
ました。
たまたまHPを拝見して不躾にお尋ねしたばかりでしたのに、朝から車をお出し
いただき、山道をご案内いただき、水晶についていろんなことをお教えいただき、
ほぼ一日たっぷりお付き合いいただいて、感謝感激でした。何から何まで本当に
どうもありがとうございました。
昨日早速子供たちは水晶磨きをして、自分の宝物自慢をしておりました。とっても
楽しかったようで、川で冷えたスイカがおいしかったことなども日記に書いており
ました。 』
を年末に送っていただいた。
「初めての水晶探し」
東京のFさんと母親を山梨県北部の水晶産地に案内したのは、2009年8月の終わり
だった。
( Mineral Watching Guide for School Children −Part2−
Aug. 2009 ,Yamanashi Pref. )
だき、Fさんだけでなくお母さんにとっても貴重な経験になったようで、案内した私も
喜んでいる。
でにない充実した山歩きで、いろんな「宝」を得た幸福感をいただいた旅でした。
Fは車で熟睡したおかげで、最後までしっかり歩いてくれました。実家に帰りつい
た時は、さすがにクタクタでしたが、石を確認したい思いが抑えられず、風呂上りに
二人で歯ブラシ片手に約3分の1だけ洗って就寝。今朝残りを母まで動員してきれ
いに洗いました。
Fは、どれをどんなふうに標本にしようか、どんなふうにまとめようか思案して
おります。
うまくまとまりましたら、またご報告申し上げます。
今後とも、よろしくお願いいたします。 』
見て、身近にあった空き箱を活用して、自分なりの分類でキチンと整理してあるのに
感心した。
Fさんの「標本箱」
神奈川県の小中高一貫校のF先生一行を山梨県北部の水晶産地に案内したのは、
2009年8月だった。
Aug.2009
( Mineral Watching Guide for School Children −Part3−
Aug.2009 ,Yamanashi Pref. )
皆さんそれぞれに楽しんでいただけた様子が伝わってきた。
ません。
また、美しい森の景色を満喫しつつ、倒木の多さが、少々気にかかったりもしまし
た。苔むした倒木も、見とれるほど美しいのですけれど。
9月には、それぞれが手に入れた水晶を持ち寄って、観察したり、観賞したりして
2度目の楽しみのときを持ちたいと思っています。 』
た、はがきをいただいた。
水晶の特徴を捉えたイラストとそれを手にして喜ぶ姉弟の姿が生き生きと描かれ
帰りしなに食べた自家農園の無農薬スイカも美味しかったようだ。
F姉弟からの手紙
東京都の小学生70名あまりに長野県川上村で「出前授業」を行ったのは、秋も深
まった2009年10月だった。
( Presentation for Schoolchildren " Let's Study QUARTZ " , Nagano Pref. )
のは年の瀬だった。
たちがあの日の体験が今年一番の思い出だと作文に書いていました。遅ればせ
ながら、子どもたちがお礼のメッセージを書きましたので送らせていただきます 』
表紙 寄せ書き
『出前授業』の子どもたちからの手紙
後見学した川上村の『水晶洞』の素晴らしさや山中社長やお姐さんへのお礼も述べ
られている。
3. おわりに
(1) 『お金には換えられない虎の子の資産』
新年早々縁起でもない、と怒りたもうな。新年を迎え、「門松は冥途の旅の一里塚」
という古いことわざが頭の片隅をよぎるような歳になってきた。
建てつけの悪い築○十年のウサギ小屋があるくらいで、これと言った資産を子孫に
残せる訳でもない。
の資産』だ。
した人が素晴らしい標本を発見し、そのお零(こぼ)れを頂戴することが一度ならず
あった。
2010年も、大勢の子どもたちや石友とのミネラル・ウオッチングを楽しみにしている。
2010年の冬は、全国的に雪が多く例年になく厳しいようだ。大晦日に私と妻の母を
連れて、お歳暮を持参し湯沼鉱泉を訪れた。「信州峠」の手前から見える瑞牆山の
山襞に真白い雪が見られ、川上村に入ると温度計は日中なのにマイナス3度の”真
冬日”だった。お姐さんの話では、マイナス14度を記録した日もあるらしい。
山梨県瑞牆山 長野県川上村
産地の冬のたたずまい
4. 参考文献
1) 益富 壽之助:鉱物 −やさしい鉱物学 -,保育社,昭和60年
2) 中川 清:山梨県の水晶 水晶Vol.11 No.1,鉱物同志会,1998年
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