大ズリ→緑水晶坑→ベスブ石→松茸水晶→緑水晶→砒鉄鉱→灰重石→緑双晶 の
産地を回り、Sさん一家は甲武信鉱山の代表的な鉱物を一通り採集して、全員元気で
湯沼鉱泉に帰還した。
私たち夫婦は、面白い形の松茸水晶を採集したにとどまった。社長に見せると
「良いもんだ!」 と感心してくれ、疲れが吹き飛んだ。
夕食後、Sさん一家が採集した標本の鑑定・ラベル付けを行い、ミネラライトに照らされた
満天の星を思わせる灰重石の青白い輝きには、女性陣から「まあ、綺麗!!」と歓声が
上がった。
Sさん一家の娘・Yさん(小6)は鉱物が大好きなので、鉱物採集の楽しみを永く持ち
続けてくれることを願っています。
(2005年8月採集)
あちこちに「入山禁止」の赤い幟が立っていることからも分かるように、この一帯は
「松茸山」になっており、無断で入山できません。
「湯沼鉱山」に立ち寄り、入山料1,000円(子ども500円) を支払い、産地の状況を
社長に聞いてから登ると良いでしょう。(湯沼鉱泉宿泊者は無料)
看板のある登り口から、尾根を目指してほぼ真っ直ぐに、大ズリ→緑水晶坑→ベスブ石ズリ
に至り、そこから左上に約150m行くと一面開拓畑状態の場所があり、ここが松茸水晶の
産地です。
【 産地は、大きな木が倒れ、一面掘り返されていますが、これは約10年前の”松茸ブーム”の
なせる結果で、その後は大きく変わっていません。】
当然、これらが複合したものもあり、2005年GWの採集会で、滋賀の石友・Oさんが採集
したものは、@+A の”佳品”でした。
今回私が採集できたものは@、A、Bのタイプのもので、特に@のタイプのものは、
”両錐で松茸部分が枝分かれ”しており、今まで採集した標本の”逸品”で、気に入って
います。
(2)その他の鉱物
緑泥石と思われるインクルージョン(内包物)を含む緑色の水晶以外に
灰鉄ザクロ石や褐鉄鉱化した磁硫鉄鉱などが採集できます。
(2)松原先生の「日本の鉱物」には、日本国内で採集できる代表的な鉱物が約200種載って
います。「甲武信鉱山」「湯沼」で採集できる6種類の鉱物がこの本に記載されており1つの
産地としては群を抜いています。
それだけ、この地域は鉱物種(スカルン〜ペグマタイト鉱物)と良品(大きい、綺麗)に
恵まれており、大切にしたい産地です。
(3)今回採集した最高地点は2,000m近くあり、暑さを忘れる涼しさで、抜けるような青空
木々の葉には紅葉しはじめたものもあり、アチコチに秋の訪れを感じることができた。