あちこちに「入山禁止」の赤(白)い幟が立っていることからも分かるように、この一帯は
「松茸山」になっており、無断で入山できません。
「湯沼鉱山」に立ち寄り、入山料1,000円(子ども500円) を支払い、産地の状況を
社長に聞いてから登ると良いでしょう。(湯沼鉱泉宿泊者は無料)
詳細は、各種の採集記事や鉱物関係の会誌などに掲載されていますので、割愛させて
いただきます。
産 地 | 産 状 | 備 考 | A | 灰鉄柘榴石脈中に斑晶として あるいは灰鉄輝石の 晶洞に自形結晶で産する | 「灰重石坑」と呼ばれている | B1 | 方解石脈に接して巨大斑晶として産する | 「砒鉄鉱」産地 | B2 | 灰鉄輝石の 晶洞に自形結晶で産する |
C | 灰鉄柘榴石の隙間に 自形結晶で産する | 「試掘坑」? |
「灰重石」は、紫外光で青白く蛍光しますので、ミネラライトを持参し、照らしながら探し
ハンマーとタガネを使い掻きとります。母岩は非常に堅いので、ハンマーの衝撃で灰重石
結晶が母岩から飛んでしまったり、結晶が粉々になってしまうことも度々です。
( この場合、両方を大事に持ち帰り、接着剤で”母岩付け”にすると良いでしょう。 )
また、先人が掻き落とした塊の一部や内部に灰重石結晶が隠れていることも多いので
女性や子どもでも良品を採集できる可能性があります。
産 地 | 白色(太陽)光 | ミネラライト(紫外)光 | A | B1 | B2 | C |
「ペグマタイト」誌には。甲武信鉱山産灰重石の結晶形態が記載されており、それに
よると、{101}面を主体とするものと{112}面を主体とするものに大別できそうです。
「灰重石」というと、京都府大谷鉱山産のもののように、三角錐面({101}面)が
発達したものをイメージしますが、甲武信鉱山産のものは、四角錐面({112}面)も
均等に発達したものが多い。
(2)湯沼鉱泉に宿泊していると、地元の色々な方々と話し合う機会があります。
( 甲府の自宅から、湯沼鉱泉まで車でジャスト1時間なので、何で夫婦で泊まって行くんだ
と社長がいつも不思議がります)
川上村は有数のレタス産地ですが、今年の夏は全国のレタス産地の天候が順調で生産
過剰で、収穫期のレタスを”廃棄”しなければならない、と生産農家の方が残念がっていま
した。
また、宿泊していると夜中の1時、2時頃からトラクターが動き始め、発電機でライトを点け
ながらの収穫作業が始まるようです。
”キツイ”作業で、中国からの”研修生”もこれらの作業を支えてくれているようです。
地元の方々に話を聞くと、「人が大勢来てくれて、川上村が賑やかになることが嬉しい」と
われわれの「鉱物採集」には、総じて好意的と感じられます。