長野県諏訪市霧ケ峰自然保護センタの鉱物









     長野県諏訪市霧ケ峰自然保護センタの鉱物

1. はじめに

    長野県にある「八ヶ岳中信高原国定公園」の中核をなす霧ケ峰高原を走る
   「ビーナスライン」が無料化したとの記事を新聞で読み、妻と訪れた。
    高原は、日差しは強いものの気温も20℃チョットで、湿気が無く清々しい気候で
   マツムシ草やワレモコウなど秋の草花が咲き乱れ、甲府より一足早い秋の訪れを
   満喫できた。

    「長野県諏訪市霧ケ峰自然保護センタ」には、動植物のほか地学・地質関係の展示もあり
   和田峠の柘榴石や黒曜石などが展示してあります。
   ( 開館期間:4/15〜11/15(水曜日休館)、入館無料、AM9:00−PM4:00 )
   (2001年9月訪問)

2. 場所

    国道20号線の諏訪市元町交差点から霧ケ峰を目指して県道40号線の急坂を登る。
  上り切ると旧ビーナスラインになり、和田峠方面に左折して50mも走ると左手に
   霧ケ峰自然保護センタが見える。

      
              霧ケ峰自然保護センタ外観

3. 霧ケ峰自然保護センタのあらまし

 3.1 展示内容
      ここには、霧ケ峰の動植物のほか地学・地質関係を展示してあります。
      (1)草原の植物・樹叢
      (2)高層湿原・池
      (3)動物・鳥・昆虫
      (4)地質・気象
      (5)歴史・生活

 3.2 地質関係の展示
      地学・地質関係の展示物は、全体の面積の20%くらいを占めています。

      
              地学・地質コーナ

      和田峠の柘榴石を含む溶岩は、黒雲母石英溶岩と呼ばれ、約650万年前に噴出した。
      その後に、現在の車山(1925m)や鷲ヶ峰(1798m)といった霧ケ峰の主峰をなす火山が
     約150万年前に噴出し、流動性に富んだ溶岩が何回も流れ、なだらかな丘状の地形を
     作った。

      
                霧ケ峰地質図

 3.3 鉱物展示
  (1) 和田峠の柘榴石
       母岩(黒雲母石英溶岩)付きと分離結晶が展示してある。

          
            母岩付き(裏面に見える)          分離結晶
                          和田峠の柘榴石

  (2) 黒曜石
       古代人が石器の材料にした黒曜石が展示してあります。

4. おわりに

 (1) 東京のOさんから、私のHPを見て行った和田峠の母岩付きザクロ石(3mm)を
    採集できたとの喜びのメールを頂きました。
     採集前にここでどのような母岩にでるのか見ておくと良いでしょう。

 (2) ここは文字通り”高原の爽やかさ”に包まれ、残暑を一時忘れさせてくれます。
    マツムシ草やワレモコウなど秋の草花が咲き乱れ、甲府より一足早い秋の訪れを
    満喫できた。

         
                 マツムシ草                ワレモコウ
                          霧ケ峰の秋の花

    ワレモコウは漢字では”吾亦紅” で ”われもまたあかなり” と言うのだとNHKの
   ラジオで聞きました。

5. 参考文献

 1) 長野県霧ケ峰自然保護センター:霧ケ峰高原パンフレット,同センタ,2000年3月
 2) 本間 不二男著;信濃中部地質誌,信濃教育会小県上田部会,昭和6年
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