”パワフル○人組”はKAさんをリーダーに、メンバーに交替があったが年末・年始
(元旦も行った!!)延べ4日間登り、トータル4枚の日本式双晶を出した。その一部を
湯沼鉱泉社長に見せてもらったが、両翼12cmのものが最大だったらしい。メンバーの
1人、千葉・Yさんからいただいた年賀状には、この時採集したと思われる大きな”単晶”
の写真があった。
私も参加する予定だったのだが、身辺が急にあわただしくなり、残念ながら見送らざる
るを得なかった。
私が最後にこの産地を訪れたのが、1ケ月以上前で、産地の様子も変わり、Yさんと
私だけでは心もとないだろうと、湯沼鉱泉社長が案内してくれることになった。標高
1,800m前後から上の日陰部分には、積雪が見られ、草下先生の「鉱物採集フィー
ルドガイド」にある”大ズリ”には、10cm以上の積雪があった。
坑道の入口には”ツララ”が見られたが、中に行くほど暖かく、快適だった。”パワフ
ル○人組”の掘った深さ約3mの『縦坑』の底を掘り初めてすぐ、『日本式双晶』の片割
れと両錐の平板水晶が2枚採れ、Yさんのものになった。
午後、下の坑道を探ってみると、平板、単晶などが続々と採集でき、ほとんどYさんの
お持ち帰り品になった。
今回、これぞ、と言える『日本式双晶』にはお眼にかかれなかったが、清冽な空気
の中、気のおけない仲間たちとミネラル・ウオッチングを楽しめたのは、何ものにも
代え難かった。
身辺が急にあわただしくなったのは、某電子部品メーカーから、技術コンサルタント
として招請をいただき、面談、住まい選びなどがあったからである。その結果、1月末
には千葉県に単身赴任することになり、『 再び、ハンマーに封印 』せざるを得ない。
赴任してから仕事が軌道に乗るまで、採集はむろん、HPの更新もままならないと思
う。読者の皆様のご健勝をお祈りしている。
( 2008年1月採集 )
区 分 | 説 明 | 標 本 例 | 備 考 | 単晶 |
|
この産地の水晶の 2,3面は美しいのだが 残りの面は”ガビガビ”が ほとんどである。 希に、全周”ピカピカ”も ある。 |
平板 (ひらばん) |
”平板”とは 扁平な晶癖をもつ 水晶の俗称 |
| 両錐 |
このほか、曹柱石【MARIALITE:(Na,Ca)4[Al(Al,Si)Si2O8)]3(Cl,CO3,SO4)】と思わ
れる柱石の大きな群晶が採集できた。
『 肝心の成果は、ほとほと双晶に縁がないのか、・・・・・・・・・双晶は有りません
また暖かくなったら再挑戦したいですねー。 』
でした。
何回か訪れれば、きっと”幸運の女神”が微笑むことがあるはずだ。
(2) 『 再び、ハンマーに封印 』
お昼ごはんを外で食べるときに寒くないように、と産地に着くと真っ先に焚き火
を起こすのが私の仕事になっている。
焚き火を囲みながら、昼食を摂っているとなぜか”ホッ”とした気分になる。私に
とって、”至福のひと時”である。
2007年11月末、この産地を湯沼鉱泉社長と2人で訪れたとき、焚き火を囲み、
お昼を食べながら「某電子部品メーカーから招請があるのだがどうしたものか」、
と真っ先に相談した。
社長は、『 チットばかし、金(ぜに)を貰うより、こうやって石採りを楽しんでいた
ほうが良(い)いんでネエカ 』、という。
確かに、9ケ月の単身赴任から戻った、2007年4月から8ケ月の間、月替わりの
ように『 巨晶、美晶そして微晶 』に恵まれている。これから先、何年健康でミネ
ラルウオッチングを楽しめるか分からないが、単身赴任のブランクは、大きい。
一方では、『技術士として、自分の技術を社会で活かせるのはありがたい』、との
想いもある。還暦(60歳)をとっくに過ぎた”老兵”が『 ものづくり 』のお役に
立てるのは、技術士の資格を取得する動機の1つでもあったからだ。
こんな、葛藤を抱えながら下した結論は、『 再び、ハンマーに封印 』である。
赴任してから仕事が軌道に乗るまで、採集はむろん、HPの更新もままならない
と思う。読者の皆様のご健勝をお祈りしている。