山梨県地場産業センタの鉱物

山梨県地場産業センタの鉱物

1.初めに

もう30年以上前の私が会社に入って4年目に、山梨県にある分工場に
出張した事があった。その当時、甲府駅の真ん前には噴水があり、武田信玄公
(地元では信玄と呼び捨てにするのはご法度。必ず信玄公と呼ぶ。)の銅像と
大きな水晶があったと記憶している。
その頃は、鉱物にはほとんど興味が無く、大きな水晶を見ても”流石に水晶で有名な街だ”と
思った程度だった。
平成元年に山梨の分工場に転勤になり、改めて駅前を見回してみると、噴水は無く
信玄公の像は駅前の片隅に移され、水晶は見当たらず、駅前の様相が
一変していた。
どうやら、昭和61年(1986年)山梨県で開催された「かいじ国体」に合せて
駅前を再開発した際に移設・撤去されたと思われた。
水晶の行方が気になっていたが、山梨県地場産業センタの入口に飾られている
ものがそうだろうと考えている。
地場産業センタ前の水晶
(2002年9月訪問)

2.場所

甲府市市街の北側を東西に走る「北バイパス」を甲府駅方面からくると
「愛宕トンネル」があり、これを抜けると前方に「善光寺」の伽藍が見え
やがて右手に地場産業センタがある。
地場産業センタ

3.地場産業センタのあらまし

財団法人「山梨県甲府・国中地域地場産業振興センタ−」は、県内の地場産業界や
地場産業製品を広く一般の方に知っていただくとともに、観光の拠点施設として
山梨県と甲府市を中心に57の団体により出捐を受け、昭和60年9月13日に
設立された。
  現在では、広く一般にも知られ年間約28万人の方が訪れている。
1Fは展示場と販売コーナ、2Fは大会議室とレウトラン、3Fには大ホールがある。
3.1 展示場
(1)宝石・貴金属・研磨製品コーナー
宝石・貴金属・研磨製品コーナー
日本一のジュエリー産地・山梨を代表する100社近くの宝飾品が展示されている。
リング(指輪)、ネックレス、ブローチ、イヤリング、カメオなど約2000点が
展示してあります。
中には、思わす”ゼロ”の数を数えてしまうような超高級品もあります。
ここで見逃せないのは、中央にある「水晶のトッコ(群晶)」です。産地は明らかでは
ありませんが、結晶の形態からして、山梨県で採集されたものと思われます。
水晶のトッコ(群晶)
(2)宝石貴石原石コーナー
宝飾品で日本一の生産高と研磨技術を誇る山梨県ですが、それらの原石は広く
海外各地からここに集まります。
とりわけ、ブラジルからの輸入量が多く、「ブラジルの宝石鉱物標本」が展示してあり
天河石(アマゾナイト)など一部の標本は、ごく間近に観察できます。
ブラジルの宝石鉱物標本コーナー
岐阜県蛭川村とブラジル・ミラスゼライスのペグマタイト写真が対比してあり
規模の違いに圧倒されます。
宝石鉱物標本
ここには、県立宝石美術専門学校の生徒や山梨ジュエリ・マスタの作品も展示してあります。
(3)印伝コーナー
鹿皮に漆で柄付けした「印伝」は、印度から伝来したのでそう呼ばれるようになったと
聞いたことがありますが、戦国時代にヨロイなどの武具の装飾革として始まったようです。
そのせいか、”勝虫”と言われる”トンボ”の図柄などが今でも好んで使われています。
(4)ワインコーナー
山梨県には、自家用も含めて80余りのワイン醸造所があると言われ、ワイン王国山梨を
代表するワイナリーの個性豊かな味と香りのワインが陳列してあります。
(4)市町村コーナー
山梨県の各市町村のローカルカラー溢れる特産品やその土地ならではの魅力ある品々を
展示しています。
3.2 製品販売コーナー
山梨県の代表的なお土産をここ1ケ所で選ぶことができます。
水晶原石、ジュエリー、印伝、銘酒、ほうとう・・・・・・・・・・などなど。
ワインは、試飲して気に入ったものを選ぶことができます。

4.おわりに

(1)入口にある水晶は1つ、1つがそれぞれ1トン前後もある巨大なものです。
産地は不明ですが、多分ブラジル産でしょう。
一見の価値がありますので、山梨方面の採集の帰りにでも立ち寄られると良いでしょう。
開館時間:AM9:00〜PM5:00
休館日:第4火曜日
入館料:無料

5.参考文献

1)山梨県地場産業センター;案内パンフレット,2002

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