【河津鉱山大沢・桧沢】
河津鉱山の大沢・桧沢は、傾斜が急で危険でもあり、子どもたちとその家族は私と一緒に
大沢バス停脇のズリ周辺で採集することにした。
中学生以上は、河津鉱山に詳しい、Mさんの案内で大沢・桧沢坑に向かう。
Tさんが、リュックを置く間もなく、取り上げた石の晶洞にテルル石の群晶があった。
筑波大学への推薦入学が決まり鉱物を専攻する初参加のF君が、自然テルルの良品を
採集した。
【河津鉱山大沢バス停脇】
採集を始める前に「日本の鉱物」で河津鉱山の「テルル石」など代表的な標本を
見てもらう。子ども達は、飴色で水晶のような形をしたテルル石の大きな結晶に目が
爛々と輝きだす。(写真倍率が、1.0Xとなっており、罪作りな写真です・・・・・)
子ども達は、アチコチで、石を叩き、「テルル石」の鑑定依頼が後から後から押し寄せるが
自然テルルやテルル石は見つからない。それでも、イネス石はかなり見つかり、Mさんの
娘さんのAさんが「ヨハンセン輝石」を採集する。
【河津鉱山掛橋】
昼食の後、「イネス石」と「ブロシアン銅鉱」を求め、掛橋坑へ向かう。途中、入口が閉ざされた
旧坑が幾つも眼に入る。
ズリを掘り返しての採集となるが、子ども達には、苦手な産地でなかなか緑色やピンク色の
鉱物を見つけられない。
泥だらけのズリ石を掘って、緑色鉱物のついた石を子ども達に渡して割ってもらうが中々
ブロシアン銅鉱はでない。私が割った石にイネス石があり、近くの子ども達やOさんに渡す。
千葉のTさんは、昔、大先生の梃子としてここを訪れ、石割をさせられたそうで、流石に
年季が違い、ブロシアン銅鉱やイネス石の良品をゲットした。
【寝姿山】
先週下見した場所に、直行。流紋岩にラムスデル鉱の入った脈は比較的簡単に見つかるが
晶洞部分は少なく、頭付きは稀だが、Yさんが、針状結晶を発見する。
Oさんの御主人が、大ハンマで流紋岩と格闘。脇で、息子のTくんが応援。
【白浜温泉の夜はふけて】
この時期、下田周辺の宿泊場所は満杯で、結構良い値段をとられるので、宿泊先が悩みの1つ
だったが、東京のTさんが、以前泊まったことがある「部屋荘」を確保してくれた。
天然温泉につかり採集の汚れを落としたあと、「部屋荘」さん心遣いの大きな金目鯛の
煮魚サービスをはじめ、食べきれない料理が並ぶ。
何はさておき、愛知県のKさんの音頭で乾杯!!
愛知県のHさんが差し入れてくれた、田口鉱山のある設楽町田口の地酒「美」や数奇な運命を
辿って宴席に並ぶことになった金箔入りワイン、その名も「武田信玄公の隠し金山」を飲む。
金目鯛、金粉入りワインと明日の菖蒲沢の自然金に期待がかかる。
食事のあとは、お楽しみの「標本玉手箱」と「不明鉱物鑑定会」で盛り上がる。
(1)「標本玉手箱」
採集した重品を持ち寄ってメンバに配布する、恒例になっている行事。標本の数より希望者が
多い時は、ジャンケンで勝った人が貰うことにする。標本の数が多くても、際立った良品がある
ものは、やはりジャンケンで選択の順位を決める。Uターン方式で、2順目は、負けた人から。
@真米の閃亜鉛鉱A洞戸の透輝石B都路の鉄電気石C八幡山の水晶D印西市の方解石(貝化石)
E愛知県の満バン柘榴石F愛知県の苦土電気石G千葉県のアルチニ石H武石村の武石
I五代松の水晶J福岡鉱山の緑柱石K河津の自然テルルLこの日、Mさんが採集したテルル石
などなど、全国各地の標本が並ぶ。
Eには、晶洞の中に、オレンジ色の綺麗な結晶がついたものがあり、私がゲット。
Fには、頭付きで、鉄バン石榴石と共生するものもある。これらの産地は、愛知県のHさんが
地図を作成してくれたので、翌日コンビニでコピーして、皆さんに配布。
メイン・イベントは、HとLで、ジャンケンに勝った人がH、負けた人がLを貰う事にして
熱戦の末、ジャンケンに負け続けていたHさんが、順当に(?)テルル石をゲット。
(2)不明鉱物鑑定会
Oさんがオークションで落札した4行5列の標本箱をひっくり返して、ばらばらになった
ものを元の位置に戻す、リ・コンストラクションに挑戦。Oさんが復元した通りで、決着。
(3)Oさん家族と私の妻は、それぞれ別の部屋をとり、男性8名は、17畳の大部屋で寝る。
採集の疲れもあって、あっという間に、Z z z・・・・・・。
【高根鉱山】
高根鉱山は、住宅街の裏にあり、駐車に苦労する。10年近く前に、ランシー鉱を採集した場所に
行くが、金網で護岸工事されていて望み薄。私は別なズリを探して、ランシー鉱を発見。
「あったぞー」と大声で他のメンバを呼び集める。「どれですか?」と言われて、見てもらうが
サンプルが小さいこともあり、皆さん「???」
母岩の特徴を伝え、それを割ってもらうとアチコチから「これですか?」と発見の声が出始め
ほとんどの人が自力で採集。水晶がメインのKさんは水晶も採集した。
【やんだ】
下田から白浜温泉に一旦戻り、さらに北上し、亀の博物館先の路肩の駐車スペースに車を止め
海岸に向かう。事前にインターネットの潮見表で調べるとこの日は大潮で、干潮は11:48分
干潮1時間前から採集を始める。磯の突端は、時折風が強く、冷たい雨が横殴りに吹き付ける。
汚れた手を洗った海の水の何と温かいことか。
【菖蒲沢海岸】
下見の時と同じように、海岸には含金石英礫が沢山打ち上げられている。ここでも最初は皆さん
銀黒を含む石英礫が見つからず苦戦していたが、1つ見つかると次々と発見。
Tさんの息子のT君も、小さいながらシッカリ銀黒が入り、数粒の自然金が肉眼で見える良品をゲット。
Oさん一家のTくんも、波で研磨された色とりどりのガラス片などを採集して大喜び。
【いざ、帰りなん】
後ろ髪を引かれる思いで、3時前に採集を切り上げ、天城峠を経て、4時半過ぎに、狩野川脇の
公園で解散。それぞれ、採集品と想い出を乗せて、帰途についた。