2.2 フォッサマグナパーク
148号線を更に糸魚川に向かって走ると、道路の右側に、トイレなどを備えたフォッサ
マグナパークがある。
ここでは、1875年(明治8年)にナウマン博士が発見したしたフォッサマグナ
(大地溝帯)の糸魚川-静岡構造線を直接観察できます。
2.3 フォッサマグナミュージアム
148号線から大糸線の踏切を渡り、糸魚川市の高台「美山公園」の一角に、地元のヒスイを
中心に鉱物・化石・地質を展示する博物館「フォッサマグナミュージアム」がある。
土曜日ということもあり、観光バスが何台も来ており、博物館の中は、元気な高齢者で
騒がしいほどでした。
宮島博士がいらっしゃるとの事なので、早速、青海川河口で拾ったヒスイらしき石を
鑑定していただいたところ、軟玉が1ケで、他はすべて「きつね石」とのこと。
私たちのような相談者が多いせいか、博士は対応が手馴れた感じで、「ヒスイと
間違い易い石」のコーナや「きつね石」の切断標本などを使って説明していただいた。
(3)ヒスイと出会うコツ
宮島博士に教えていただいたひすい探しのポイントは次の通りです。
@今までヒスイが発見されている河川、海岸
当たり前ですが、昨夜の大雨でできた水溜りには魚はいませんので、今までヒスイが
発見されている河川(姫川、小滝川、青海川)や海岸(糸魚川市押上〜青海川河口
〜親不知〜富山県朝日町宮崎(通称ヒスイ海岸))。特に、海岸で発見の確率が高く、
XXXXXXの前が良いようです。
季節的には、「海が荒れる冬が良い」とはレストラン「勝山」の奥さんの弁。
(4)博物館売店
博物館の展示の終わりのところに、鉱物、(半)貴石アクセサリ、書籍などを売る
ミュージアムショップがあります。ここならではの私のお奨めは、
@鉱物関係書籍・・・・・「日本の新鉱物」、「展示解説」、「とっておきのヒスイの話」など
A糸魚川産ヒスイ・・・・3ケ袋入りで700円
2.4 長者ケ原遺跡・長者ケ原考古館
フォッサマグナミュージアムの道路を挟んだ反対側が国の史跡の長者ケ原遺跡で
その入口に長者ケ原考古館があります。
ここは、今から4500〜3500年前の縄文中期に玉や斧の生産、交易で栄えた
集落跡と考えられています。
何年か前に、青森県三内丸山遺跡で見たヒスイの大珠は、糸魚川の長者ケ原で
作られたものだったかも知れません。
遺跡には、竪穴式住居が何棟か復元してあるが、ここは湧水も近く、眼下に日本海を望める
今でも一等地に暮らしていたことが分かります。
館内には、ここで出土したヒスイの玉や蛇紋岩の斧などの完成品と製作途中のものなども
展示してあります。
ここで出土した水晶の群晶が展示してあります。解説には、ヒスイより硬い水晶を
使って玉の研磨や穴あけをしたのではないか、とあります。
2.5 ヒスイ探し
早朝から、昼過ぎまで、何箇所かでヒスイ探しにトライしました。
(1)青海川河口
ここには、今まで何回か訪れたがいつも空振りに終わっています。何年か前に、
テトラポットが置かれ、潮の流れが変わったため、めっきりヒスイが採れなくなったと
地元の方がボヤいていました。
ヒスイが採集できる可能性がもっとも高い場所のようです。
この日、地元の方のほかに、ヒスイ探しをしているご夫婦や家族連れなどにお会いし
ヒスイ人気の高さをうかがわせます。
2.6 金山谷の新鉱物
青海川支流の金山谷では、「ストロンチオ斜方ジョアキン石(奴奈川石)」を初め
各種の新鉱物が発見されており、産地を訪れた。
(1)産地
デンカの発電所がある金山谷の入口に車を停め、発電所に向かうと警告の案内板の
右に山道がある。
ここを登りきると、金山谷に沿った平坦な山道になる。
ただし、谷側は断崖絶壁になっている場所もあり、安全には最大の配慮が必要。
道は、段々と谷の河原と同じレベルに近づき、最後は河原を歩くと、川の真ん中に
曹長石ペグマタイトの巨岩が見える。
(2)産状と採集方法
ストロンチオ斜方ジョアキン石を初めとする新鉱物は、曹長石ペグマタイトに含まれて
いる。
目的とする新鉱物を、曹長石ペグマタイトの転石から掻き採ります。母岩は堅いので
大き目のハンマとガッチリしたタガネが必要です。
(転石には、タガネの先端を食い込んだままの、残骸を何箇所でも見ました。)
(3)採集鉱物
@ストロンチオ斜方ジョアキン石
【Strontio-orthojoaquinite:Na2+xBa4Fe1.5(Sr,Ba,REE,Nb)4-xTi4(O,OH)4(Si4O12)4・2H2O】
曹長石ペグマタイトの中に、黄色、ガラス光沢で産出する。ストロンチウムを
含む複雑な組成の鉱物で、他に産地がない、金山谷のみで産出する珍しいものです。
奴奈川石と呼ぶことはできるが、正式な学名ではないとの事。
2.7 橋立ヒスイ峡
金山谷の手前に、「橋立ヒスイ峡」の案内標識があります。産地保護のため、車は
途中までしか入れません。約10分歩くと、ヒスイが見られるヒスイ峡です。
10年ほど前は、今のように整備されておらず、ヒスイの巨岩に触れてみることが
できたのですが、盗掘を恐れて、移動してしまったと聞いています。