2005年に知り合った石友・栃木県のSさん一家の娘・Yさんの誕生石がサファ
イアということもあって、「サファイア」を求めて、板荷鉱山を5年ぶりに訪れた。
宮城県の石友・Kさんとメールのやり取りをしていて、Kさんが言う「坑口」を見た
記憶がないことから、2002年に訪れたのは、サファイアや自然銅の産出が報告
されているズリや露頭とは違う場所だったことに気づいた。
Kさんから詳細な案内地図と産地の写真を送っていただき、迷うことなく「坑口」を
発見でき、広い範囲を探索してみた。
しかし、目玉のコランダム(サファイア)はダメだったが、紅柱石、輝水鉛鉱そして
鉄重石など、この産地の代表的な標本は採集できた。
いつか、「サファイア」を探し出したいものと、念じている。
( 2007年3月採集 )
尾根近くに露頭が続き、そこに坑口がいくつか観察できるが深さは浅く、試掘程
度で、採掘は主に露頭から直接行われたものらしい。
露頭の周辺には、ズリ石が散乱し、それらを叩いて採集する。
(2)輝水鉛鉱【MOLYBDENITE:MoS2】
花崗岩の晶洞部分や花崗岩の中に銀灰色鱗片状で産出する。
(3)鉄重石【FERBERITE:(Fe,Mn)WO4 】
黒色、板状結晶で花崗岩の中に産する。大きさは最大でも1cm程度
(4)自然銅【NATIVE COPPER:Cu】
花崗岩の石英がやや多い部分に”赤銅色”、”微細な箔状”結晶が多数点在
する。
写真の標本は、宮城県の石友・Kさんからの恵与品で、Kさんも3回の訪山で
2回しか採集できなかったという”希産”だけあって、われわれは採集できな
かった。
各種の文献やインターネットの情報では次のようになるらしい。
No | 産 状 | 出 典 | 1 | 紅柱石の間に薄くはさまって出る | 鉱物採集フィールドガイド | 2 |
石英脈の小さな晶洞に 白雲母に埋もれ、輝水鉛鉱と 仲良く伴って、紙っぺらのように 薄い六角板状、淡青色の結晶で出る |
3 | 石英の中の白雲母に挟まれて産する (サファイアと石英は接して産することはなく 間に白雲母を介する) | インターネット |
これらを参考に、再度チャレンジを考えている。
(2) 採集に先立って、石友・Kさんから詳細な情報と標本を恵送いただいた。おかげで
迷うことなく産地に到達でき、採集を楽しむことができた。Kさんに、厚く御礼を
申し上げます。
冒頭にも書いたように、過去に訪れたときには、今回と全く違った場所で採集
していた。そこもズリらしく、「紅柱石」「輝水鉛鉱」などは採集できた。Kさんから
送っていただいた地図には、別な場所にも坑口が書いてある。
もっと広い範囲で探索すると面白そうである。