標本整理用標本箱

標本整理用標本箱

1.初めに

鉱物をある程度集めるとその整理、保管が問題になります。せっかく採集した、
標本が家の軒先で雨水に打たれているのなら、むしろ採集しないほうが鉱物に対して
親切かも知れません。
採集した鉱物は、ラベルを添えてしかるべき標本箱に入れて展示(保管)して、
居場所を与えて初めて、鉱物標本としての価値が出てくると思います。
標本箱は昔からx寸(mm)×y寸(mm)の標準サイズがあり、いろいろな標本店から
販売されていて私も、今まで標本店で購入していました。
手持ちの標本箱が無くなり、標本店に注文したところ、箱屋さんが廃業して入手が
不可能とのことでした。
そこで、標本箱が自作できないだろうかと考え、必要な道具を揃えて、挑戦しました。
その結果、マズマズの出来栄えで、コスト(人件費除き)も市販の半分以下で
できますので、ご紹介いたします。
(2001年10月情報)

2.必要な道具・部品

標本箱作成に必要な道具・部品で特別なものと言えば「製本テープ」くらいで、
他のものはコンビニや100円ショップなどでも入手できると思います。
(1)ボール紙
   文道具店などでも売っていますが、注文した本が送られてくる封筒や菓子箱などを
  リサイクルしていますので、費用は只です。
(2)製本テープ
   DIY店の製本コーナで購入しました。幅30mm長さ10mのもので540円
  (消費税除く)です。
  色は何色かありますが、最初は「黒」が良いでしょう。
製本テープ
(3)ものさし
   プラスチック製で、長さ30cmで幅広のもの。100円ショップにあります。
  目盛りと直角方向に、5mm間隔の線が入ったものが、重宝です。
(4)カッタ
   刃先を折って、新しい切刃がでてくるタイプで、これも100円ショップにあります。
(5)接着剤
   チューブに入った水溶性木工用ボンドで酢酸が入っているので、「すっぱい」
   匂いがします。これも100円ショップにあります。
接着剤
(6)鉛筆またはシャープペン
     ボール紙に切り取り線や山折れ線などを入れるのに使います。
(7)鋏
     製本テープの切り込み、切断に使います。
(8)輪ゴム
     接着後のバインドに使うす。

3.作り方

順を追って作り方を説明いたします。
(1)ボール紙を所定のサイズに切る
   箱の大きさの4周にそれぞれ20mm加えた大きさに切る。
  箱の大きさが61mm×72mmの場合、101mm×112mmに切ります。
  型紙を作っておいて、この周囲を鉛筆でなぞっておいて切り出すと能率的です。
(2)箱の外側になる面に、周囲から20mmの位置に線を引く
線引きが済んだところ
  (3)4隅を切り、山折れ線に浅い切れ目を入れる。
隅を落としたところ
  (4)山折れ線に従って折る。
   このときの折れ曲がりやすさで、山折れ線の切れ目の深さを調節する。
  簡単に折れ曲がらないほうが、箱はじょうぶになる。
紙折
  (5)接着剤を塗り組み立てる
   20mmの長さの部分に、タップリと(はみ出しても気にしない)接着剤を付け、
  組み立てます。
   完全に接着剤が乾くまで、輪ゴムでバインドしておきます。
接着完了し輪ゴムでバインド
  (6)製本テープを巻く
   製本テープの裏紙をはがし、平らな面におき、箱を転がすようにして、4周に巻き、
合わせ目がオーバラップするようにしてテープを鋏で切る。
外周テープ巻きつけ
(7)縁のテープ巻きつけ
   箱の隅に向かって製本テープに鋏を入れます。箱の内側にテープを巻きつけます。
   隅は、爪でゴシゴシと擦ってぴったり貼り付けます。
縁のテープ巻きつけ
(8)裏底のテープ巻きつけ
   箱の裏のテープは、隅に向かってV字形に鋏を入れ、テープを底に貼り付ける。
裏底のテープ巻きつけ
これで、標本箱が完成です。

完成品  左:表       右:裏

4.おわりに

(1)初めて自作してみましたが、出来栄えのよさに、我ながら”ニンマリ”です。
(2)自作標本箱のメリットは、次の通りです。
a)市販品より安い(人件費をいれたらメチャ高くなります。)
 簡単に計算して、1ケ30円くらいですので、市販品の半分以下です。
b)標本の大きさに合わせて、自分の好みの大きさができる。
 (サイズの標準化とは逆行しますが・・・・・)
c)ボール紙は廃品をリサイクルするので環境にやさしい。
d)製本テープの色を変えることで、鉱物の産地(都道府県)区分や分類区分などができ、
 標本の整理、検索がしやすくなる。
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