2014年夏の観光旅行 − 北陸ミネラル・ウオッチング行 -

                2014年夏の観光旅行
            - 北陸ミネラル・ウオッチング行 -

1. はじめに

    2014年の夏休み、横浜と千葉の孫娘が遊びに来た。2家族がかぶる日があり、元気な孫娘らの
   大きな声が響きわたり、久しぶりに活気を取り戻したわが家だった。13日に長男家族が帰ると
   三男の嫁さんと孫娘、そして爺さん、婆さんが取り残された。
    これからが夏休み本番だが、三男は一人でフランスに出かけてしまい、残された嫁さんと孫娘は
   ”欲求不満”だろうと思いどこか適当な場所として思いついたのが「福井県立恐竜博物館」だ。こ
   こなら、恐竜が大好きな孫娘も大満足なはずだし、鉱物産地も多い。
    ただ、問題は宿で、一週間前にインターネットでホテルの予約状況を確認したらどこもかしこも
   満杯だった。以前も直接電話したら部屋が取れたことを思い出し、電話してみると14日の夜なら
   空いているというので2部屋予約した。
    1日目の朝6時に家を出て、「諏訪湖SA」でいつもの朝食バイキングを摂り、「安曇野IC」を出たの
   は8時過ぎだった。糸魚川に向け北上し、「道の駅白馬」で休憩だ。いつものように山野草店に立
   ち寄り店主と四方山話をして、妻の好きな「紅花山芍薬」と「アーモンド」の苗を買い御機嫌を取り
   結ぶのを忘れないMHだった。

    12時過ぎ、越中宮崎駅近くの「ヒスイ海岸」に到着し、まずは昼飯だ。このあたりは「タラ汁」が
   有名で注文したが、やはり季節はずれのせいか味は今ひとつだった。水着に着替えた孫娘を妻
   にまかせ、私は「ヒスイ探し」だがこれぞ”ヒスイ”というのには巡り会えなかった。
    北陸道に乗り、今夜の宿・小松市を目指す。小松ICを出て、2013年に大収穫のあった骨董店を
   訪れると”空き家”になっていてガッカリだ。
    陽が傾くころホテルに着いた。孫娘のため、まずは食事だ。1階のダイニングで仕上げに”きとき
   と”の地元産ネタを使った寿司を食べ、部屋に戻って爆睡だ。

    2日目、朝から雨が降っている。MHとしては近くの鉱山跡でのミネラル・ウオッチングを密かに
   予定していたが、孫娘に「早く、恐竜を見に行きたい」、と言われると「福井県立恐竜博物館」に直
   行だ。9時過ぎに着くとすでに駐車待ちの車の列が長く伸びていて、直行したのが正解だった。
    タップリ2時間以上見学しても未だ全部を見切れていない。お昼近くになり博物館を後にしたが、
   すでにドームへの入場は制限され、駐車待ちの車の列が数キロにも伸びていた。
    「道の駅・九頭竜で地元産の蕎麦、うどんで昼食の後、500円で「化石発掘体験」だ。結局、
   今回の旅行でミネラル・ウオッチングの真似事が出来たのはこの30分間だけだった。
    「油坂IC」から東海北陸道→東海環状→中央道と走る。途中”バケツをひっくり返したような大雨”
   に出会うが渋滞もなく順調に「恵那SA」に着く。三男の嫁さんが、「今夜、諏訪湖の花火がある」、
   と言うので、見せてやろうと思い地図をにらむ。腹ごしらえをした後、このポイントなら見えるはず
   のところに向け出発だ。
    峠を越えたころ、花火開始の19時が過ぎ、木立を抜けると湖面が見え、少し遠いながらも、花火
   がよく見える。1時間近く見ていると雨が降り出し、本降りになりそうなので、引き上げることにした。
   21時前に無事帰宅し、2日間の総走行距離は810kmだった。

    孫娘は大好きな恐竜づけ、三男の嫁は思いもかけず諏訪湖の花火が見られ、妻も好きな山野
   草を手に入れ満足そうだ。MHは、”欲求不満”を8月後半からの本格的なミネラル・ウオッチングで
   解消するつもりだ。
    ( 2014年8月 体験 )

2. 第一日目【日本海でヒスイ探し】

    1日目の朝6時に家を出て、自宅近くのSA から中央道に乗る。夏休みだけあって混んではいる
   が渋滞はしていない。「諏訪湖SA」でいつもの朝食バイキングを摂ろうと思ったら、レストラン入口
   に入場待ちの人が並んでいる。こんなのは初めてだ。(景気が回復したのか?)
    「蕎麦」、「川魚の佃煮」、「温泉卵」など地元の名産をいただく。孫娘は、「バターロール」が気に
   いったようだ。コーヒーをいただき、再び出発だ。

    
        「諏訪湖SA」の朝食バイキング

    「安曇野(旧豊科)IC」で下りる。車は多いものの朝早いせいかスムースに流れている。9時過ぎ
   「道の駅白馬」に着いた。ここを通るたびに併設してある「野草園」に立ち寄るのを楽しみにしてい
   る。ここの”飄々とした”ご主人との会話が楽しいのだ。

    
          「野草園」のご主人

    妻が欲しがっている「紅花山芍薬」と「アーモンド」の苗を買った。「白花山芍薬」は石友・Aさんの
   案内で奈良県の奥地を訪れたときに持ち帰った数株が50株近くに増えているが、「紅花」がない
   ので購入した次第だ。「白花」とは花の時期が1ヶ月くらい違うので、”混血”することはないらしい。
    「アーモンド」は、ご主人が「桃が育つ場所ならどこで育つ」、というので『桃の生産量日本一』の
   山梨県にピッタリだと思い、試しに買ってみた。こうして、妻の御機嫌を取り結ぶのも忘れないMH
   だった。

    【後日談】
    8月の「郵趣会」に出席すると、古切手の販売があり、その中の1枚に「ベニバナヤマシャクヤク」
   を描くものがあったので購入した。日本の希少野生動植物を図案にした自然との共生シリーズの
   第2集として2012年8月に発行されたものだ。
    「ベニバナヤマシャクヤク」は、北海道から本州、四国及び九州にかけて生育するボタン科の植
   物で、名前どおり花は淡紅色、茎の高さは30〜40pで「白花」と同じだ。園芸用の採集、森林伐採
   及び植生の遷移が減少要因と言われている。環境省のレッドリストでは、「絶滅危惧II類」に分類
   されている。
    「白花」ですら山梨県では珍しいが、「アカバナ」は全国的にみても希少なようで、来春の開花が
   楽しみだ。

    
     「アカバナヤマシャクヤク」を描く切手

    白馬から日本海に向かって下って行く。糸魚川近くの「北陸新幹線」は完成し、2015年春の開業
   を待つばかりのようだ。青海を経由して12時過ぎに富山県越中宮崎駅近くの「ヒスイ海岸」に到着
   し、まずは昼飯だ。このあたりは「タラ汁」が有名なので注文したが、やはり季節はずれのせいか
   味は今ひとつだった。

    
             「タラ汁定食」

    水着に着替えた孫娘を海辺に連れて行くが、低気圧の影響かうねりが大きく、恐がって水に入
   ろうとせず、”砂遊び”と”貝殻探し”だ。

    
          ”砂遊び”の孫娘

    孫娘を妻にまかせ、嫁さんと私は「ヒスイ探し」だ。今年も同じようにヒスイを探している大勢の人
   に出会った。その内の何人かから「これはヒスイですか?」と鑑定を依頼されたが、すべてただの
   石だった。
    どうやら、ベテランの人たちは採集用具が違うようで、長い棒の先に穴のあいたお玉やカゴを結
   えつけた自作の採集用具を持っている。足ごしらえは、男性は「ウェーダー(胴長:胸までの長靴)」、
   女性は洒落た「レインブーツ」が良いと教えてくれた。

       
                  男性                            女性
                           ベテランの「ヒスイ」採集姿

    われわれは、目と手足だけをたよりに、波打ち際を往復し、それらしい石を探す。今回は、フラン
   スに行っている三男こと”Mineralhunters Jr(ジュニア)”が参加していないため、これぞヒスイと呼
   べるものは採集できなかった。

    15時過ぎに北陸道に乗り小松を目指す。金沢を過ぎ、「徳光ハイウェイオアシス」で休憩だ。ここ
   では、加賀の名産品や北陸の山の幸、海産物を廉く売っている。ただ、道中を考えると家族が大
   好きな「蟹」などが買えないのが残念だ。結局、加賀の銘菓を購入しただけだ。
    「小松IC」を出て、2013年に大収穫のあった骨董店を訪れると”空き家”になっていた。期待して
   いただけにガッカリだ。露天やフリマならならいざ知らず、店を構えての骨董商売は難しいようだ。
    17時過ぎ、予定より少し早くホテルに着いた。20時過ぎには寝る孫娘のため、まずは食事だ。
   2013年は、とっぷり陽が暮れてから食事に行ったところ、オーダーが込み合って中々料理が出て
   こなくて不快な思いをしたので、まだ外は明るいが、食事を済ませることにしたのだ。
    1階のダイニングで、三男の嫁さんや孫娘に好きなものを食べさせ、私は久しぶりのビールを飲
   み、仕上げに”きときと”の地元産ネタを使った寿司を食べ満腹だ。部屋に戻ると、孫娘は『恐竜図
   鑑』を開いて翌日訪れる「福井県立博物館」に備えて予習だ。MHは、しばらく孫娘に付き合ってい
   たが、久ぶりのアルコールの酔いと350km運転の疲れで、Zzzzz・・・・・・・だ。

3. 第二日目【恐竜との出会い!!】

    2日目、朝から雨が降っている。ホテルで朝食だ。ここの「クルミ入りパン」は美味しくて、何個か
   お代わりしたほどだ。
    MHは、午前中近くの鉱山跡でのミネラル・ウオッチングを密かに予定していたが、孫娘に「早く、
   恐竜を見に行きたい」、と言われると「福井県立恐竜博物館」に直行だ。「安宅PA」からETCで入り、
   「丸岡IC」で下り、下道を走る。
    恐竜博物館の入場券を買うのに夏休みは30分くらいかかることがある、と調べておいたので、
   コンビニで入場券を購入する。特別展「スペイン奇跡の恐竜たち」も見られるように特別展観覧券
   (1,200円)を購入しておいたが、常設展(720円)だけでも見切れなかった。孫娘のように幼児と
   70歳以上は入場無料なのはありがたい。山梨県内の博物館のように、65歳以上にしてくれると
   なおありがたいのだが。

    
                 入場券

    勝山市内に入り、博物館の案内標識をたよりに走ると、杉木立の中に巨大なドームの銀色屋根
   が見えてくる。早すぎるのでは、と思っていたが、9時過ぎに博物館につながる一本道に入ると
   すでに駐車待ちの車の列が長く伸びていた。第1、第2駐車場は満杯で、第3駐車場に誘導された。

       
             「恐竜博物館」ドーム                  駐車待ちの車列
              【退場時に撮影】

    少し並んで館内に入ったが、どの順番でみればよいのか全くわからない。その理由の一つが
   3階から地下1階まで、立体的な展示になっているので、あそこが面白そう、と思っても大きく迂回
   しないとたどり着けないのだ。おまけに孫娘は先ほど見た気に入った場所に戻りたがるため同じと
   ころをグルグル回っていてさっぱり先に進まないのだ。

    まずは、特別に追加で料金を払ってある「特別展・スペインの恐竜たち」を見た。3階の入口に、
   「赤い品物を身に着けている人にプレゼント」の表示があったので列に並んでみた。なぜ赤なのか
   考えてみるに、情熱の国スペインのイメージカラーなのだろう。
    私は車のキーホルダーの一部が赤いのでいただいた。プレゼントの中身はビニールの小袋に
   入った恐竜化石を産出する白亜紀前期の北谷層の「植物化石」だった。

    
                プレゼント
             【北谷層の植物化石】

    「特別展」は、世界どころか日本の恐竜についてすら十分な知識がないのに、スペインで産出し
   た恐竜化石を見てもありがたみが理解できず、一人500円近く払ったのは無駄だったと後悔した。

    常設展はミネラル・ウオッチングと同じで、遠いところからと決め、地下1階から上に見て回ること
   にした。地下1階には、恐竜化石発掘のジオラマや産状などがあるが、地味なためか客もまばら
   で、すぐ1階に上った。ところが、孫娘は誰に似たのか(決まっているでしょう!・・・西の方からオ
   バハンの声)このようなシーンが好きらしく、せがまれてもう一度戻って見ることになる。

    『1階奥:恐竜の世界ゾーン』
     ここでいう”手前”、”奥”とはドームのエントランス(入口)側の半円部を”手前”、反対側を”奥”
    とする。

    
              恐竜博物館内

     ここには、「恐竜のからだとくらし」や恐竜の進化の様子を示す「恐竜の繁栄」、そして「中国四
    川省の恐竜たち」のジオラマがある。

    
                    『1階奥:恐竜の世界ゾーン』
                  【「恐竜博物館」パンフレットを編集】

     地下1Fから階段を上ると正面の「恐竜のからだとくらし」のコーナーでは、首と尾を上下左右に
    振りながら咆哮する恐竜が出迎えてくれる。口を大きく開くと鋭い牙が見え、見るからに恐ろしげ
    だ。孫娘は、首や尾が動くのだから歩きだしたらどうしょうとしきりに心配し、最初は尻込みしてい
    たが、歩かないと知って、やや安心して細部まで観察していた。結局、この場所が一番のお気に
    入りになったようで、3回観察することになった。また、恐竜のくらしでは、「ウンチの化石」にも興
    味津々だった。

       
            お気に入りの恐竜                   「ウンチの化石」
                           恐竜大好きの孫娘

    恐竜の進化・繁栄を示す巨大な骨格展示を見て、最外周に出ると、そこにはドームの天井まで
   吹き抜けになっていて、高さを生かして20mはあろうかと思われる木のてっぺんの葉を食べる恐
   竜のジオラマがある。動かないように見えるが、良く観察すると、呼吸していることを示すかのよう
   に、胸の辺りが膨らんだりへこんだりする芸の細かさだ。
    ドームの球形の壁面をスクリーンにして、水辺に生きる恐竜の群れが暮らし、頭上には翼竜が
   飛び、恐竜時代にタイム・スリップした錯覚にとらわれる。

    
            「中国四川省の恐竜たち」

    『1階手前:地球の科学ゾーン』
     恐竜などの生命を生み出し、われわれに恩恵を与えてくれる地球を科学の眼で見るコーナー
    だ。水や火をテーマにした地球のドラマが展開される。「地球からの贈り物 ―鉱物― 」のコー
    ナーはミネラル・ファン必見だ。
     また、われわれの身近にあるものや現象から、地球を考える展示をしている。外周には、「福
    井県の恐竜」、「手取層の恐竜」など、地元で発掘された恐竜をはじめ、日本各地やアジアの恐
    竜も展示してある。

    
                    『1階手前:地球の科学ゾーン』
                  【「恐竜博物館」パンフレットを編集】

     
 日本の恐竜化石産地として、「岩手県岩泉町」や
「福島県いわき市」などは古くから知られていたが、
「勝山市にある手取層群」で発見されたのは昭和60年
9月のことだ。
 手取層群での化石発見は、明治7年(1874年)、
乙女鉱山産「ライン鉱」で知られるドイツの地理学者・
ライン博士が白山に登頂し、その下山の途中白峰村
桑島の化石壁付近で植物化石を採集したのが最初と
される。
  ライン博士肖像

    時は流れて、昭和60年9月、県立博物館にひとつの化石が届けられた。赤い弁当箱に入れられ
   た化石は、県立博物館の依頼を受けた長谷川善和氏(横浜国立大学教授、当時)によって、肉食
   恐竜の歯と鑑定された。
    発見したのは、丹南高校三年生であった松田亜規さんだ。彼女は、昭和53年に見学に訪れた
   桑島の化石壁で、落石の中から発見した化石を大切に保管していたのだ。この標本が、
   手取層群産の恐竜化石の第1号となった。
    それまで、日本国内では次の3県でのみ恐竜化石が産出が知られていた。
    @ 岩手県(モシリュウ:竜脚類の上腕骨)
    A 熊本県(ミフネリュウ:獣脚類の歯)
    B 群馬県(サンチュウリュウ:獣脚類の尾椎骨ほか)

    その後、勝山市北谷では大規模な化石発掘調査が行われ、平成7年3月末に、ついに日本で
   発見された恐竜化石で初めてとなる全身骨格が復元された。これがイグアノドン科の「フクイサウ
   ルス」だ。そして平成12年に「福井県立恐竜博物館」がオープンした。

    
                       「フクイサウルス」
                  【「恐竜博物館」パンフレットより引用】

    孫娘が大好きな恐竜が「フクイサウルス」だったのだ。

    さて、このゾーンには、ミネラル・ファンとしては見逃せない「地球からの贈り物 ―鉱物― 」の
   コーナーがある。外国産の鉱物標本が多いのだが、国産標本もいくつかある。

    ・ 「福井県赤谷鉱山産・自然砒(コンペイ糖石)」
    ・ 「愛媛県市ノ川鉱山産・輝安鉱」
    ・ 「山梨県乙女鉱山産・水晶の日本式双晶」
など

    地元の赤谷鉱山産「金平糖」とライン博士にちなむ乙女鉱山産「日本式双晶」を紹介する。

       
         「自然砒(金平糖)」             「水晶・日本式双晶」
        【福井県赤谷鉱山産】            【山梨県乙女鉱山産】
              「地球からの贈り物 ―鉱物― 」展示品の一部

    『2階手前:生命の歴史ゾーン』
    生命の誕生から人類の出現までを多様な標本、復元模型、そして図と解説で展示している。恐
   竜の直系の子孫とされる鳥にどのように進化したかはみどころの一つだ。

    
                    『2階手前:生命の歴史ゾーン』
                  【「恐竜博物館」パンフレットを編集】

    タップリ2時間以上見学しても未だ全部を見切れていない。この日は、7月19日にオープンしたば
   かりの「野外恐竜博物館」を訪れたいとMHは思っていた。ここは、別料金・完全予約制で、化石
   発掘体験ができるだ。
    しかし、お昼近くになったが館内のレストランは混雑し食事は無理と判断、ミュージアムショップで
   孫娘の好きな恐竜のフィギュアとマグネットを購入し博物館を後にした。このとき、すでにドームへ
   の入場は制限され、駐車待ちの車の列が延々数キロにも伸びていた。

    小松市の鉱山跡に立ち寄っていたら、この日は入場できなかったかと思うと、孫娘の「ジージ、
   早く恐竜を見たい」、と急かされたのが結果的に正解だった、とどこまでも”爺馬鹿”なMHだ。

    【後日談】
    古切手帳をめくっていると、福井県で発掘された恐竜「ドロマエオサウルス」を描くものがあった
   ので紹介する。ふるさと切手福井県版として1999年2月に発行されたものだ。左側に「イグアノドン」
   を描く切手があり横に2枚繋がって1つの図案になる『連刷』の片割れだ。

    
    恐竜「ドロマエオサウルス」を描く切手

4. 第二日目【(恐竜)化石発掘体験】

    勝山市から越前大野市、そして和泉村までの道路は『恐竜街道』とうたい、道路脇には恐竜が
   何体か置いてある。越前大野市は蕎麦が有名だと思い蕎麦屋を探すがどこも満員だ。仕方なく
   ここを通るたびに立ち寄る道の駅「九頭竜」を目指す。
    九頭竜川に沿って国道158号線を進む。日本百名山の1つ「荒島岳」の麓を通ることを最近にな
   って知ったが頂は霧で見えない。
    1時過ぎに「道の駅・九頭竜」に着くと、2体の恐竜が”ガオーツ”とお出迎えだ。孫娘は、早速
   恐竜と2(3?)ショットだ。

    
           「道の駅・九頭竜」の恐竜たち

    ここの恐竜たちは、15分置きに大きな口を開けてほえる。ただ、11月下旬から翌春4月中旬まで
   は冬眠している。

    ここで地元産の蕎麦、うどんで昼食だ。特産の舞茸入りのだし汁は薄味で私好みで、上に載せ
   た”花かつお(削ったかつお節)が一段と味を引き出してくれる。さて、腹ごしらえができ、周りを見
   回す余裕がでてくると、『←化石発掘体験』の看板が眼に入った。
    7/20〜8/31まで夏休みの期間中、9時から6時まで毎日、通常1,000円のところ大人も子供も
   500円で、30分間化石発掘を体験できるというイベントだ。「アンモナイト」と「貝・植物化石」の2つ
   のコースをどちらか選ぶ。「アンモナイト」は見つけても持ち帰れない、と言うし、30分間で簡単に
   見つけられないと思うので、「貝・植物化石」コースを選んだ。『契約書』にサインして、貸してくれる
   ゴーグル、手袋を着け、ハンマーと30分にセットしたタイマーを渡され発掘開始だ。

    
           「じーじ、化石あった?」
              【化石発掘体験】

    化石を含む岩は泥が堆積した粘板岩なので、ミネラル・ウオッチングで割る花崗岩やホルンフェ
   ルスなどに比べると堅くはないのだがハンマーが軽すぎて力が伝わらない。それでも、層理面か
   らうまく割ると貝や植物の化石が見つかった。30分の間に6、7個割り出したのだが持ち帰れるの
   は1ケだけとの『契約』なので、鉱物質(炭化物?)になっている写真のものを貰ってきた。

    
               発掘(?)した化石

    結局、今回の旅行でミネラル・ウオッチングの真似事が出来たのはこの30分間だけだった。

    【後日談】
    帰宅して考えてみた。この「化石発掘体験」は、任意団体・九頭竜化石研究会が主催している
   のだが、団体の性格がよくわからない。スタッフと称する人らの風体を見ると”化石採集人”のよう
   だ。私がどうかなと思うのは、次のような『特徴』だ。団体のブログから引用する。

    『 九頭竜化石発掘体験場の特徴B
     〜 かならずお土産を持って帰れます 〜
     当体験場では、まだ研究中の地層の岩石を使用しているエリアがあります。
     その場合は、せっかく化石が出ても原則寄贈していただくことになります。
     また、持ち帰り可能エリアでも貴重な化石だとスタッフが判断した場合でも寄贈して
    いただきます。
     しかし、せっかく来ていただいたのに手ぶらで帰ってもらうのは心苦しい…ということで、
    化石が出なかった場合にもお土産(外国産の化石 等)を持って帰っていただけます・・・・

     現在(H26.4.1)持ち帰り禁止エリア・原則寄贈化石は以下になります。
     ・ 長野エリアの化石(アンモナイト、イノセラムスを含む貝類)
     ・ 伊月エリアの化石(大型の貝類)
     ・ 全エリア(スタッフが貴重だと判断したもの                           』

     鉱物の世界にたとえてみると、「お金を取って茂倉沢鉱山の石を割らせて、「鈴木石」や「長島
    石」などが出てきたら没収、持ち帰れるのは「バラ輝石」だけ」だ。あまりにも主催者側に有利な
    やり方ではないだろうか。

     【閑話休題】
     この地域には、中龍鉱山や面谷鉱山などの一時期日本を代表する鉱山があった。道の駅そ
    ばの「和泉郷土資料館」を2003年に訪れると、それらの鉱山から産出した鉱物標本が展示と
    呼べない状態で置いてあり、その後の様子を見たいと思ったが、今回はパスだ。

    ・福井県和泉村面谷鉱山の蛍石
     (Fluorite of Omodani Mine , Izumi Village , Fukui Pref. )

    【後日談】
    古い切手アルバムの間に、中龍鉱山の年賀印が押されたはがきがあったので紹介する。昭和
   30年の元旦の一日だけ押された「折鶴」を描く消印だ。当時は、鉱山で働く人も多く、活況を呈し
   ていたのだろう。

    
        「中龍鉱山局」の年賀印

    少し長居してしまったが、家路を目指して出発だ。ここで頭を悩ませたのは、帰りのコースだ。い
   つもだと、渋滞を避けるため白鳥ICから北上し高山市を経由し、安房トンネルを抜け松本に出るの
   だが、雨が降り続いていると落石等が恐い。ここは可愛い孫娘も乗っていることだし、安全を優先
   し、東海北陸道→東海環状→中央道と走ることにした。

    「郡上八幡」辺りから”バケツをひっくり返したような大雨”で、50m先が見えない。速度を80キロ
   に落し、車線変更せず前の車との間隔を保って走る。『夕立は馬の背を分ける』、と言われるが、
   やがて、雨も小降りになり、心配した渋滞もなく順調に「恵那SA」に着く。ここで、私が15分ほど
   仮眠する間、バーバが孫娘の相手だ。
    スッキリしてみんなのところに行くと、三男の嫁さんが、「今夜、諏訪湖の花火がある」、と言うの
   で、見せてやろうと思い地図をにらむ。花火の鑑賞ポイントを決め、ルートと出発時間を教え、まず
   は腹ごしらえだ。妻と嫁さんは「飛騨牛弁当」、私は「○○ポークのカツどん」だ。食べ終わると妻が
   「孫娘が恐竜の卵を欲しがっている」、というので買ってあげると、近くにあった”きょうりゅうが 
   いっぱい シールブック”も買わされたが、どこまでも孫娘には甘いジージだ。ガソリンも入れ、出発
   だ。

    「伊北IC」で下り、下道で諏訪湖を目指す。峠を越えたころ、花火開始の19時が過ぎ、木立を抜
   けると湖面が見え、少し遠いながらも花火がよく見える。

    
               諏訪湖の花火

    1時間近く見ていると雨が降り出し、本降りになりそうなので、引き上げることにした。21時前に
   無事帰宅した。2日間の総走行距離は810kmだった。

    孫娘は大好きな恐竜づけ、三男の嫁は思いもかけず諏訪湖の花火が見られ、妻も好きな山野
   草を手に入れ満足そうだ。MHは、”欲求不満”を8月後半からの本格的なミネラル・ウオッチングで
   解消するつもりだ。

5. おわりに

 5.1 夏休み
  (1) 二人の孫娘
      2013年にも言った記憶があるが、2014年の夏は”異常”としか言いようがないほど目まぐ
     るしくしく天候が変化した。
      冷夏と言われたが8月20日が過ぎても連日35℃の猛暑日を記録し、夜8時近くでも30℃近い
     日もある。
      広島県では土砂災害で大勢の方が亡くなったり行方不明になっており、地質が同じように
     花崗岩が風化した「まさ土(まさど)」の山梨県北部に住む私にとっては他人事ではない。

      さて、夏休みが終わろうとしているが、この夏休みには2人の孫娘家族が同時に帰省し、一
     段と賑やかだった。二人をフルーツ公園の「アクアアスレチック」に連れて行ったが、こちらは
     振り回されてクタクタだ。夜のお風呂はバーバの出番だ。
      私たちと遊んでくれるのも今の内だろうから、その時々を大事にしたいと思っている。

         
              Kちゃん                 Rちゃん
                     わが家のプリンセス

         
                 ジージは水遊                   バーバはお風呂
                           2人と孫娘との夏休み

  (2) 人間ドック
       毎年春になると人間ドックに申し込むのだが、モタモタしていると予約が取れるのがお盆休
      み明けになってしまい、今年も例年と同じになってしまった。
       2013年の検査結果で、指標Aが悪化していた。お酒、特にビールが良くないというので、
      2014年正月に思い切ってお酒をやめてみた。22歳から50年近く、ほぼ毎日飲み続けていた
      ので止めるのは簡単ではないだろうと思っていたが飲みたいという気は起きなかった。好き
      で飲んでいたわけではなかったのだ。
       とはいえ、お付き合いや何かで10日に一回くらいは飲むことがある。
       その結果、指標Aは、ほぼ正常値になった。しかし今まで医師が感心するくらい良かった
      指標Bが悪化したのだ。この結果を受けてどう考えるかが問題だ。

       a) お酒を止めると身体に良くない。
       b) 今度は、指標Bを改善する努力をすべきだ。

       a) は、「酒飲み」の理論。 b) は、「健康志向の人」の理論だろうか。

       MHが選択したのは、b) だ。断っておくが急に命が惜しくなった訳ではない。
       私は、技術士で科学者の端くれだ。思うに、お酒を止めたことによって、胃袋の満腹感が
      減り、その分ご飯やおかずをそれまでよりも多く食べるようになったのだ。その証拠に一番
      簡単な指標の体重が3キロあまり増えている。
       一方、運動はと言えば、2013年までは単身赴任先で毎日1万歩前後歩いていたのに、最
      近では平均4,000歩くらいしか歩いていない。要は、”食べ過ぎ”の上に”運動不足”なのだ。
       原因がわかれば対策は早い。

       A1) ご飯茶碗を小さくする。
            今まで、石友・Yさんが「五郎八(ごろはち)茶碗」と呼ぶ、直径が14.8センチの茶碗
           を使っていたが、今日から12.3センチの小ぶりなものに変えてみた。
            ( 直径13.5センチ以上を「五郎八茶碗」と呼ぶらしいので、それ以上だ )
            直径では17%減だが、すりきり一杯の容積は500ccから230ccと46%、つまり半分
           以下だ。

           
                   Before        After
                      ご飯茶碗の変更

       A2) 副食の量と質
            わが家の采(おかず)は、肉、魚が多く、さらに何品かが付く。出されたものは残さ
           ず食べるよく言えば”ムダをださない”性格なので食べ過ぎてしまう。妻の協力で、
           野菜中心で作る量も考えてもらうことにした。

       A3) 間食を減らす
            以前、間食はほとんどしなかったのだが、お酒を止めてから、食後にケーキを食べ
           たりするようになっていた。それまでほとんど食べなかった油脂分と糖分がタップリの
           アイスクリームは大好物になっていた。さらに、当地名産の桃、葡萄など”加糖”タッ
           プリの果物は以前と同じように食べている。
            これで体重が増えなかったら、それこそ病気だろう。

       B1) 運動不足解消
            暑い中での畑仕事は要領よく済まそうと思うので無駄な動きが少なく、涼しい内の
           4時間くらい働いても歩く歩数は3,000歩くらいのものだ。
            やはり通勤や仕事あるいはミネラル・ウオッチングで、ひたすら何時間も歩くようで
           なければ駄目のようだ。
            今週末から、T大生一行をミネラル・ウオッチングに案内するのを皮切りに、運動不
           足解消作戦がスタートだ。

 5.2 町内会
      町内会の役員になって5ケ月が過ぎようとしている。やることは、自治会費の徴収、福祉協議
     会や赤十字の会員募集と会費徴収と金集めが多い。私が伺うと、用件を切り出す前に、「幾ら
     ですか」、と聞いてくる人もいるほどだ。

      例年、お盆の15日には町内の「盆踊り大会」があるのだが、今年は直前になって急に中止に
     なった。脅迫めいた出来事があり、警察にも相談した結果、安全を優先し中止にしたようだ。
      孫娘に初めての浴衣を着せて参加しようと思っていただけに残念だ。そんな訳で少し無理し
     てでも諏訪湖の花火を見せてあげたかったのだ。

6. 参考文献

 1) 山梨市フルーツパーク株式会社:笛吹川フルーツ公園 案内パンフレット,同社,2013年
 2) 福井県立恐竜博物館編:利用のご案内,同館,2014年


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