春 → 新緑 → 緑 → 翡翠(ヒスイ) 、 そうだ北陸・日本海方面に行こうと、妻と
相談がまとまった。翡翠採集に詳しい、兵庫県のNさん夫妻に連絡したところ、2つ返事
で案内していただけることになった。
今回訪れた産地は次の通りである。
@ 新潟県糸魚川市周辺のヒスイ採集、金山谷のヒスイ探し
A 富山県宮崎海岸でのヒスイ採集
B 石川県尾小屋鉱山(金平金山)の紫水晶・緑鉛鉱の採集
C 福井県美山町赤谷鉱山の自然砒(われわれ夫婦のみ)
土曜日の朝、山梨を発ち、中央道→長野道→上信道→北陸道「糸魚川IC」まで一筆で
高速料金1,000円はありがたかった。
ただ、この週末は終日雨が降り続き、時折台風並みの強い風雨となり、”晴れ男”の
看板を下ろさざるを得なかった。
それでも、Nさんの奥さんは、「宮崎海岸のヒスイ」「金平坑の紫水晶」の素晴らしい
標本をシッカリと採集するなど、流石(さすが)だった。
私も、おこぼれに預かり、何とか標本に加えられそうな「金平坑の紫水晶と緑鉛鉱」を
採集できた。
Nさんの奥さんが予約してくれた小松IC近くのホテルで、熱めの天然温泉につかった
後、途中「徳光ハイウェイオアシス」で買った干物をつまみにビールを飲むと一日の疲れ
が吹き飛んだ。新鮮なトロ、ウニ、イクラ、甘エビなどが一杯載った海鮮丼(950円)も絶
品だった。
持ち寄ったお酒を飲みながら、最近入手した標本を奥さんプレゼントし、談笑している
と消灯時間だった。
2日目は、1日目よりも天気が悪く、台風並みの風雨だったので、午前中で切り上げ
北陸道「尼御前SA」で昼食のあと、6月のミネラル・ウオッチングでお会いするのを約束
しNさん夫妻とお別れした。
私たち夫婦は、福井→高山→松本経由で、その日のうちに山梨に戻るつもりで途中
近況を調べに『金平糖状自然砒』で有名な赤谷鉱山に立ち寄ったところ”ヤッター”
状態になり、翌日も続ける羽目になった。これについては続報したい。
これも、Nさん夫妻のお蔭と、厚く御礼を申し上げる。
( 2009年4月採集・観察 )
N夫妻との集合場所、青海川河口近くの駐車場に着くと、Nさんの新車は停まって
いるが夫妻の姿が見当たらない。直感で、”集合前の採集”だなと感じて、海岸を
見るとヒスイ探しをしているN夫妻がいた。
こちらの姿に気付いて、すぐに戻ってきた。挨拶もソコソコに、今日のスケジュール
を打ち合わせる。
2年前、Nさんが素晴らしいヒスイを採集した「橋立ヒスイ峡」の上流に行くことにし
た。
(2) 橋立ヒスイ産地
ここは、「橋立ヒスイ峡」の上流にあり、採集禁止にはなっていない場所だった。
しかし、前夜からの雨で青海川は増水し、簡単に向こう岸に渡れそうもない。
この近くで、妻が一度も訪れたことがない「金山谷」の新鉱物観察に出かけるこ
とにした。( 今まで妻は訪れるチャンスは数回あったがいつも車で待機 )
(3) 金山谷でのヒスイ探し
私にとってここは、2年ぶりだったが道はさほど荒れていなかった。それでも、所々
危険な断崖の上をロープや木の根にすがって金山谷の奥を目指す。
山野草の好きな妻にとって、ルート沿いの崖にへばりつくように咲いている「イカリ
ソウ」など、十分眼を楽しませてくれ、恐怖心をいくらか和らげてくれたようだ。
やがて、草下先生の「鉱物採集フィールドガイド」の写真でお馴染みの、曹長石
(アルビタイト)の巨岩が見えてきた。
金山谷は、「奴奈川石(ストロンチア斜方ジョアキン石)」、「青海石」等をはじめ
新鉱物が多数発見された、有名な場所である。
この上流には、「橋立金山」があり、川では砂金も採集できる。以前、橋立金山を
訪れたときすれ違った人から、さらに上流でヒスイが採れる、と聞いたので、川原で
拾えるかと頑張ってみたがダメだった。
(4) 「親不知ピアパーク」の巨大ヒスイ
雨脚も強まり、早めに金山谷から引き上げ、「親不知ピアパーク」で、この地名物
の熱い「タラ汁」(650円)を食べながら昼食にした。
暖かい食事を摂って人心地ついたので、ここの「ひすい館」にある巨大ヒスイを
見ることにした。
このヒスイは、もともと「橋立ヒスイ峡」にあったものだが、盗掘が激しく、保護する
ため、ここに移設し展示することになったらしい。
重さが数十トンもある巨大なもので、上のほうに橋立のヒスイ特有の「ラベンダー
ヒスイ」部分が見られる。
(5) 宮崎海岸のヒスイ探し
国道8号線を南下、新潟県から富山県に入ると右手はヒスイ海岸とも呼ばれる
宮崎海岸だ。海岸に行くと、数人の人々が手に袋を持って、下を見ながら海岸を
行ったり来たりしている。われわれもその仲間に加わった。
何年経ってもヒスイ拾い素人の私は、冒頭にも書いた通り『 ヒスイ = 緑 』
の意識が抜けなくて、ついつい緑系を追いかけてしまう。その結果、拾ったものを
ベテラン・Nさんの奥さんに鑑定してもらうと、「キツネ石」と「ネフライト(軟玉)」だけ
だった。
Nさんの奥さんからのメールでは、奥さんはシッカリとヒスイを2つ採集していた
とのこと。流石!!
(5) 小松の夜は更けて
雨は一向に止む気配もなく、風も強まってきたので、石川県小松市の今夜の宿
に向う。「朝日IC」から北陸道にのり、「徳光ハイウェイオアシス」で今夜のつまみと
夕食そして金沢土産を購入。加賀藩ゆかりの菓子、金箔工芸品そして九谷焼など
ほとんどが揃っている。
夕食に「海鮮丼」(950円)を購入、これが正解だった。
小松IC出口から200mにあるNさんの奥さんが探してくれたホテルに到着し、先ず
は熱い風呂を浴び、芯まで冷えた身体を温める。天然温泉というだけあって、大浴
場のお湯が少し”塩味”なのは海に近いせいだろう。
Nさんの部屋にお邪魔し、宴会+夕食会+標本玉手箱が始まった。「徳光ハイ
ウェイオアシス」で買った糸より鯛の干物をつまみに冷えたビールを飲むと一日の
疲れが吹き飛んだ。
新鮮なトロ、ウニ、イクラ、甘エビなどが一杯載った海鮮丼(950円)も絶品だった。
持ち寄ったお酒を飲みながら、最近採った「輝水鉛鉱入り水晶」などの標本を
奥さんプレゼントし、談笑していると消灯時間だった。
予定通り、金平坑を目ざす。金平を訪れるのは、丸2年ぶりで、砂防ダムの建設が
終り、かつての一部の産地は消滅していた。古い産地の紫水晶や緑鉛鉱が採集で
きた場所も、ほとんどが掘り返されている。
尾根附近で紫水晶の採集を始める。なかなか出てこない。何箇所かポイントを変
えながらズリを掘るとようやく金平らしい紫水晶が出てきた。
一足先に緑鉛鉱ズリの土砂を土嚢袋に入れ沢まで運び、パンニングすると群晶と
10mm近いのを筆頭に、かなりの量の分離品を採集できた。
(2) また会う日まで
お昼近くになり、これで引き上げることにした。北陸道にのり、「尼御前SA」で昼食
を摂ったあと、6月のミネラル・ウオッチングでお会いするのを約束し、N夫妻とお別れ
した。12:30だった。
われわれは、福井県美山町赤谷鉱山を訪れるべく、「福井IC」を目ざし、強風の中
車を走らせた。
金平での採集の後、昼食を食べながら、Nさんが「 この海の荒れ具合だと今夜
は宮崎鉱泉に泊まって、名物のタラ汁を食べて、明日の朝早く海岸に行くとヒスイ
の良いのが採れそうですね 」、と言った。
われわれ夫婦はそれでも構わないのだが、あと2ケ月あまり宮仕えがあるNさん
は今日中に自宅に帰らなければならない。
早く、『毎日がMW(ミネラル・ウオッチング)デー』になるのをお待ちしている。
(2) 金平の新産地
何年か前、遊泉寺銅山で採集していたとき、いつものように妻は車で待っていた。
地元の人が近づいてきて「何してるの?」と聞かれたので、「紫水晶を探している」
と答えた。すると、その人が、「ここでも紫水晶が採れる」、と妻の手帳に地図を書
いてくれた。
今回、そこを探索する予定だったが、あまりの悪天候なので次回に延期すること
にした。
(3) 福井県赤谷鉱山の近況
私たち夫婦は、福井→高山→松本経由で、その日のうちに山梨に戻るつもりで
途中、近況を調べに『金平糖状自然砒』で有名な赤谷鉱山に立ち寄った。すると
”ヤッター”状態になり、『 毎日がMWデー 』の気楽さで、さらに一泊し、翌日も
続ける羽目になった。これについては続報したい。
これも、Nさん夫妻のお蔭と、厚く御礼を申し上げる。