「西沢」が頭にあって、ネットオークションを見ていると「東沢鉱山のバラ輝
石」が出品されていたので入札・落札した。落札品は、昔の情報にあるような
”1cmを超える自形結晶”には及ばないものの、まとまった数が丸いガラス
ケースに並ぶとなかなか見ごたえがある。
出品者は、「西澤金山を訪れたが”ルビーシルバー”は採れなかった」という
ので「ルビーシルバー」と「黄粉銀鉱」の見本を送ったところ、「バラ輝石」は
物々交換という形にしてくれ、産地の情報も教えてくれた。
北関東の骨董市を見た後、妻と2人で東沢鉱山を訪れた。産地は崩落した坑口の
前に広がるズリで、マンガン鉱物も少なく、持参したピンセットでようやく摘め
る2、3mmのバラ輝石と2mmほどのマンバン柘榴石が母岩に付いたものが採
集できただけであった。
先行者が1人いたようだったが、産地の状況を見て、早々に引き上げたらしい。
「東沢鉱山のバラ輝石」は”絶産”に近い状況であり、オークションで手に入
れようとした私の選択は間違っていなかった。現地を訪れ、小さなものだがこの
産地特有の”真紅のルビー”を思わせるバラ輝石の頭つき自形結晶を採集
できたのは、何よりだった。
産地情報を提供してくれた、石友・Kさんに厚く御礼申し上げます。
( 2006年11月採集 )
採集方法は、ズリの表面採集が一番良かった。この日は晴れていたので、バラ
輝石の結晶面が”キラキラ”と光かり、それを目当てに持参したピンセットで摘
み上げて採集した。
近くに水場があるので、フルイ掛けもトライしたが、小さい目のフルイを持参
したにもかかわらず”目が大き過ぎ”て、ひと欠片(カケラ)も採集できなかっ
た。
(2)満ばん柘榴石【Rhodnite:CaMnSiO2】
真っ黒い二酸化マンガン鉱(軟マンガン鉱?)の表面に、5角12面体の無色
〜黄褐色透明の結晶が見られることがある。
(2) インターネットの情報では、「東沢鉱山」と「発光路鉱山」は同じ、として
いるもの、別物としているものがある。
単身赴任先には、最低限の鉱物関連書籍しか持参していないので、両者が
がどのような関係にあるのか、調べきれていない。
いつか、ジックリ調べてみたいと考えている。