山梨県黒平五郎沢の鉱物

山梨県黒平五郎沢の鉱物

1.初めに

山梨県黒平は、天河石(アマゾナイト)をはじめ、各種のペグマタイト鉱物が
採集でき、各種の文献や鉱物採集情報に取り上げられ、一度は鉱物採集に訪れたい
と言う人が多い。
私のHPを見た、東京都に住むTさん親子が「黒平五郎沢」に行ったが場所がわからな
かったとのメールをいただきました。
そこで、最近の状況をお知らせしたいと考えます。
(2001年10月採集)

2.産地

黒平は昇仙峡の奥にあり、黒平の集落を過ぎ、「木賊峠」に向かって走ると、
坂を登って平らな場所に出ます。最初に渡る橋が「大株沢」で、ここから次の橋まで
の間、左手の山や沢がペグマタイト鉱物の産地です。
「五郎沢」は、キャンプ場手前の橋の手前50m位に駐車スペースがあり、山側に、
砂防ダムが見える沢です。砂防ダムの銘板には、「五郎沢」とあり、初めてここが
「五郎沢」だと知る次第です。
五郎沢の周辺地図

3.産状と採集方法

ここは、典型的なペグマタイト産地で”ハゲ”と呼ぶガレ場の石英脈を
追いかけて晶洞を発見して各種の鉱物を採集します。
従って、”ガマ(晶洞)”を当てれば背負いきれないくらいの鉱物が採集できますが、
外れると”スカ”状態です。
五郎沢の採集風景

4.産出鉱物

今回はまったくダメでしたが、過去にここで採集できた鉱物は、次の通りです。
(1)水晶【Rock Crystal;SiO2】
ここの水晶は、透明度が高く、稀に煙水晶も採集できます。
(2)長石【Qrthoclase;KAlSi3O8】
晶洞のなかに、ややピンク色がかった光沢の有る結晶が見られます。
(3)鉄電気石【Schorl;NeFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4】
柱状、針状、塊状で真っ黒でガラス光沢のある結晶を採集できることがある。
(4)黄玉(トパーズ)【Topaz;Al2SiO4(F,OH)2】
塊状ですが、トパーズを採集したことがあります。

5.おわりに

(1)採集ノートによれば、私が最初に黒平の五郎沢を訪れたのは、
平成3年の5月連休でした。
当時小学生の次男と三男を連れ、「山梨県地学のガイド」を片手に、「大株沢」や
「五郎沢 」を回って、上記の鉱物を採集しました。
そのとき、滋賀県大津市のNさんとお会いし、名刺をいただきました。
それから10年が経ち、今では何も採集できない状態になっており、さびしい限りです。
(2)私の石友のKさんは、仲間と黒平を専門に攻めており、2年前に同行させて
いただきました。
その詳細はHPに掲載してあるとおりです。
彼も最近は黒平で攻めるべき場所がなくなり、遠ざかっているとのメールをいただきました。
しかし、黒平は範囲が広く、また復活する産地だと考えています。
inserted by FC2 system