福岡鉱山は細粒黒雲母花崗岩からなり、茨城県の山の尾に類似している。花崗岩は
各種の鉱物を伴うペグマタイトに所々貫かれている。最初は気成鉱床、最後は
熱水鉱床として生成したと推定される。
緑柱石の産状は、次のようであった。
(1)石英中に針状結晶をなす。これが放射状に集合するもの。
(2)鉄マンガン重石、輝水鉛鉱などと共に産する。
(3)鉱脈の中央に粘土のように分解したもの。
(4)晶洞中に赤粘土と共に美麗な翠緑色透明の結晶でアクアマリンと呼べるもの。
坑道はあちこちに残っていますが、危険なため入坑せず、採集はもっぱらズリが中心です。
何年か前に、陥没した坑道の壁面の石英脈から百本単位で針状の緑柱石が出た時期も
あったそうです。
ズリの砂をフルイで篩って、緑柱石を探します。ここの緑柱石には、粘土がベッタリと
付着していて良く見ないと分かりません。
文献には、ここの主要鉱物であった鉄マンガン重石の他に輝水鉛鉱
自然蒼鉛などを産するとありますが、見かけませんでした。