福井市自然史博物館の鉱物

           福井市自然史博物館の鉱物

1. 初めに

   福井県美山町赤谷で”金米糖”(自然砒)の採集を楽しんだ後、翌日から
 始まる「能登・加賀の鉱物を訪ねて 第2弾」の集合まで、時間があるので
 ”暇つぶし”をどうしようか、と考えていた。
   福井県の県庁所在地である福井市には鉱物を展示する博物館があるはず
 と勝手に解釈し、とりあえず市街地に向かった。
   事前調査が何もないので、車を停めて、道行く人に「博物館は何処ですか?」と
 何回か尋ね、教えてもらったのは、「県立博物館」であった。
  そこを訪れると、歴史民俗資料が主体で鉱物はカケラもなく、『地学関係は
 勝山市の「恐竜博物館」か足羽(あすわ)山にある「市立(まま)博物館」だ』という。
  勝山市だと戻ることになり、とりあえず「市立博物館」を教えて頂き訪れた。
  足羽山の頂上近くにある、正式には「福井市自然史博物館」で、常設展示室に
 「福井の地質と有用鉱物」のコーナーがあり、パネルとともに、いくつかの鉱物が
 展示されていた。
  世界的に名高い「赤谷の金米糖(自然砒)」を産し、「中龍(竜)」「面谷」などの有名な
 鉱山があった福井県なのだからさぞや立派な展示が、と期待したがガッカリであった。
  地方の自然関係の博物館では、全ての来館者の興味に合わせるため
 「動物」「植物」「鉱物」などをまんべんなく展示するため、特徴のないものになって
 しまうのは、残念です。
  (2005年7月訪問)

2. 場所

   福井市街地の西、足羽山の頂上付近にある。自動車道路は狭く、一方通行に
  なっているので、登り口を事前に確認しておくと良いでしょう。
   以前「自然科学博物館」と称していた時期もあるようですから、地元の人に
  尋ねるときは、注意が必要です。

       
          外観            入口脇の珪化木展示
              福井市自然史博物館

3. 展示内容

 3.1 常設展示室
  (1)足羽山コーナー
     足羽山の岩石、動植物の生態、ハイキングコースなどを紹介

  (2)郷土のおいたちコーナー
     地球誕生から46億年。その間の歴史を残された化石や地層がダイナミックな
    物語を語る。鉱物関係は、ここに展示されています。

  (3)郷土の自然コーナー
     郷土の自然を町、村、山、川、海の自然をジオラマで再現

 3.2 「福井の地質と有用鉱物」
     鉱物関係は、「福井の地質」「福井の有用鉱物」の2枚のパネルと鉱物標本が
    10点弱展示してあります。
     主な展示鉱物は、次の通りです。

 鉱物    産地   備考
黄鉄鉱金津町剣岳鉱山      
黄銅鉱和泉村面谷鉱山      
菱マンガン鉱和泉村中竜鉱山      
閃亜鉛鉱和泉村中竜鉱山      
石灰岩敦賀市敦賀セメント      
珪石今庄町藤井鉱業      
水晶(単晶)敦賀市追分群晶は別な場所に展示 

       
        展示全体             敦賀市追分産水晶
          「福井の地質と有用鉱物」コーナー

4.おわりに

 (1)鉱物関係の展示の充実を希望しますが、地方の博物館では財政がそれを許さない
    ような気がします。

 (2)開館時間:午前9時〜午後5時
   休館日 :月曜日、国民の祝日の翌日、12/28〜1/4
   入館料 :大人 100円、こども 無料

 (3)国道8号線を金沢方面に向かって北上すると、丸岡市街地に『一筆啓上、
    おせん泣かすな馬肥やせ』で有名な「国宝・丸岡城」があり訪れた。
    小さいながら、”凛”とした姿、形は、国宝の名に恥じず、一見の価値があります。

    丸岡城

5.参考文献

1)福井市自然博物館編:案内パンフレット,同博物館,2005年
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