2010年は、1月10日(日曜日)に開催され、山梨県から参加した。午前中、都内にある
切手店を訪れたところ、戦前の絵はがきや手紙が一杯詰まった段ボールを出してくれ
めぼしい品を選んでいるとあっと言う間に時間が過ぎ、気がつけば午後2時を回っていた。
3時近くに会場に駆けつけるとすでにオークションの入札は終わり、バザーが始まった
所だった。持参した「米子鉱山の硫黄」などの無料配布品を並べた後、バザーに参加し
「玉手箱」用の標本を10点近く確保した。
昨年3月末、私が千葉を引き上げる際にお会いしたときに体調が良くなかった石友は
新年会に参加できるまでに回復し、差し上げた「花園山の電気石のお蔭だ」と喜んでお
られた。また、千葉の石友・Sさんには「平久里のトベルモリー石」の良品を恵与いただ
いた。産地は、土砂に埋もれ、採集は難しいと聞いた。
新しい産地の情報をいくつか入手できたのも大きな収穫で、春からのミネラル・ウオッ
チングがますます楽しみになった。
( 2010年1月参加 )
2.2 バザー
参加者が持ち寄った標本に提供者や役員が値付けし、テーブルの上に並べておき
十分下見したあと受付順に30名くらいずつグループになり、”ジャンケン”で決めたグ
ループの順番に従って、ひとり1点選んで精算する。(最低値100円)
3順目以降は、点数制限なしとなった。
(1) 提供品
今回は、2009年に訪れた産地の標本を40点ほど無料提供した。
No | 鉱 物 名 | 産 地 | 点数 | 備 考 | 1 | 自然硫黄 | 長野県須坂市米子鉱山 | 約10 |
「重晶石」を伴うことを ごく最近確認した |
2 | 花崗岩ペグマタイト | 山梨県甲府市黒平 | 約15 |
「水晶」「微斜長石」 「苗木石」などの希元素鉱物を 伴うことがある |
3 | 輝水鉛鉱入り水晶 | 長野県川上村 | 約15 |
「輝水鉛鉱」を含む ただし、六角柱状結晶は 希にしかない |
(2) 購入品
遅れて行ったため、下見の時間が全くないまま、4グループ中の最終組に入れ
てもらい、1順目で「金鶏鉱山のテルル蒼鉛鉱」と「長野鉱山の輝銀鉱」を各100
円で購入。
その後は、点数制限なしとなり、自分の見本標本用に「三体堂の魚卵状珪華」
「日ノ本鉱山のベルチェ鉱」を、『玉手箱』用に「秩父鉱山のブーランジェ鉱」、「菖
蒲沢の自然金」など10点近い標本を購入した。いずれも100円〜200円。
No | 鉱 物 名 | 産 地 | 価 格 (円) | 標 本 写 真 | 備 考 | @ | テルル蒼鉛鉱 | 長野県 金鶏鉱山 | 100円 | 微細なもの | A | 魚卵状珪華 | 鹿児島県 三体堂 (さんたいどう) 坂下 | 200円 | 母岩付き | B | 輝銀鉱 | 静岡県 長野鉱山 | 100円 |
| 「輝銀鉱」らしい 自形結晶 |
C | ブーランジェ鉱 | 埼玉県 秩父鉱山 | 100円 |
| 毛状結晶 |
2.3 オークション
会員が持ち寄った標本の中から、価値の高そうな標本を役員が選んで別テーブ
ルに並べてあった。入札して、2番目に高い値段を付けた人が落札する。
オークションには11点の標本が選定されていた。私が到着する前に入札は締切
られていた。
オークション品と落札価格の一覧を見ると、どの鉱物が人気が高いか一目瞭然だ。
No | 標 本 名 | 産 地 | 落札価格 (円) | 標 本 写 真 | 備 考 | 1 | 灰礬ざくろ石 | ― | 4,800円 | 2 | 大倉鉱山セット | ― | 3,300円 | 3 | 緑水晶 | 荒川鉱山 | 4,800円 | 4 | 水晶 | (外国) | 3,000円 | 5 | トムソン沸石 | ― | 2,800円 | 6 | 自然金 | ― | 3,400円 | 7 | ― | ブラジル | 3,700円 | 8 | フローレンス石‐(Ce) | 金鶏鉱山 | 6,700円 | 9 | 錫高野セット | 錫高野 | 3,200円 | 「洋紅石」 (右下)を含む |
10 | 沸石セット | 北海道〜九州 | 5,300円 | 11 | ペグマタイトセット | 福島・茨城 | 3,300円 |
2号同時発行で原稿校正が手薄になった訳でもないだろうが話題の「フローレンス
石‐(Ce)」の化学式が【LaAl3(PO4)2(OH)6】と【CeAl3(PO4)2(OH)6】の2つが同じ
記事の中にあるのには面食らった。
記事を読むと、Ce(セリウム)のほうがLa(ランタン)よりも多く、タイトルも「セリウ
ムフローレンス石」になっているのだから、正しくは、CeAl3(PO4)2(OH)6 だろう。
極め付きは、この会のロゴ・マークである。” SINCCE 1986 ” とあるのだ。
眼を疑うとともに、念のため「三省堂の英和辞典」さらに” THE CONCISE OXFORD
DICTIONARY ”も調べてみたが、” SINCCE ” なる単語は見当たらない。
どうやら、” SINCE ” のつもりで使っているらしい。
しからば、いつからこのロゴ・マークが登場したのか、バックナンバーを調べてみ
た。相変わらず整理整頓が悪く、全部は見つからなかった。19号では最新号と同じ
だが、17号には” SINCCE 1986 ” がないのだ。
どうやら20周年記念の18号(2006年)か19号(2007年)から変わったようだ。
私のページでも往々にタイプミスや校正漏れを石友から指摘されたり、アップして
しばらく時間が経って読み直してミスに気づき、密かに差し替えることもたびたびあ
る。
まさに、『他山の石』、である。
(2) 海外遠征
20号、21号を読むと、採集・発見レポート全17件中、6件(36%)、つまり3件に1件
が海外のミネラル・ショーや産地巡検で占められている。
それだけ多くの人々が海外に遠征しているようだ。
ただ、記事を読むと採れたのは「米水晶」や「紫石英」だったり、海外のミネラル・
ショーで買った標本のレベルと価格は国内で購入するのとあまり変わらないようだ。
やはり、海外遠征でのミネラル・ウオッチは”従”にしたほうが良さそうだ。
3.2 『トルマリン・パワー』!?
2009年3月末、千葉県の単身赴任先を引き上げる帰途、石友にお会いした。その
前にあったメールで 「重篤な状態と医者から宣告された」とあった。夫婦でお会いす
るとすっかり病魔に侵されたのか、歩くのも大儀そうで、ひょっとしてこれが見納めに
ならなければ良いが、と思ったほどだった。
2009年3月、栃木の石友・Sさん一家と訪れた「花園山」のページを読んでいて、是
非「花園山の鉄電気石」を記念に欲しい、というのでHPに載せた品を差し上げた。
あれから、半年が過ぎ、元気溢れる石友からメールをいただいた。病魔はスッカリ
退散した、とあった。新年会でお会いすると、以前と変わらぬ元気さで、差し上げた
「花園山のトルマリン(電気石)のお蔭だ」と喜んでおられた。
『トルマリン・パワー』 だろうか。
3.3 『トベルモリー石』
千葉の石友・Sさんから、「平久里のトベルモリー石」を恵与いただいた。産地は、
土砂に埋もれ、今では採集は難しいと聞いた。貴重な品を恵与いただいたSさんに
厚く御礼申し上げる。