平成19年鉱物同志会新年会

       平成19年鉱物同志会新年会

1. 初めに

   私は、鉱物関係のいくつかの団体に所属しているが、その1つに東京に本拠を
  置く、「鉱物同志会」がある。
   この会は、毎年1月に新年会の企画として、鉱物のバザーとオークションが
  行われる。希産、絶産、遠方、外国産鉱物の1級品から駄物まで、幅広く出品
  されるので、できるだけ毎年出席するようにしている。
   普段ご無沙汰している遠方の石友とお会いできる、賀詞交換会ともなって
  いる。
   2007年は、1月14日に開催され、山梨県の自宅から単身赴任先に戻る途中に
  立ち寄った。
   狭い会場は100名近い出席者でギュウギュウ詰で、石友の姿を見かけても
  近づいて話もできない状態であった。
   それでも、懐かしい顔ぶれや私のHPを見た方でメールでしかやりとりのなかっ
  た方々ともお会いできた。

   バザーでは、私の住む山梨県産の未入手標本など10点余りを平均単価200円で
  購入した。オークションでは、栃木県の石友・Sさんが出品した「栃木県鷹ノ巣
  鉱山のマンガンパイロクスマライト」に入札したが、12000円を越す落札値は
  ”想定外”で、一点も落札できなかった。
   千葉の石友・Tさんとは、久しぶりにお会いし、閉会後に「2人だけの新年会」
  を開き旧交を温めた。ほろ酔い機嫌で特急に乗り込み、気がついたら勝田駅で
  あった。
  ( 2007年1月参加 )

2. 内容

 2.1 会長挨拶
     「何でも鑑定団」でおなじみの、堀会長のあいさつで、新年会は始まった。
     参加者の興味の中心が、この後の「オークション」と「バザー」にあること
     を十分承知の会長の話は、極めて短かった。

      堀会長挨拶
 

 2.2 バザー
    その後、皆さんお待ちかねのバザーに移った。会員が持ち寄った標本に提供者
   や役員が値付けし、テーブルの上に並べておき、十分下見したあと受付順に30名
   くらいずつグループになり、”ジャンケン”で決めたグループの順番に従って、
   ひとり1点選んで精算する。(最低値100円)
    2順目以降は、点数制限なしとなった。

      下見風景
 

   (1)提供品
       今回も、某骨董市で、鉱山、鉱物関係の品を漁っていて、開会間際に会
      場に到着した。従って、今回も提供品なし。

   (2)購入品

No  鉱  物  名産  地 価 格 標  本  写  真 備 考
@自然金山梨県
本沢鉱山
200円かつて
金山があった

鏡面、葉片状のホセ鉱の
左下の黄金色塊状

Aホセ鉱A山梨県
本沢鉱山
300円山梨県の鉱物
 "J"

周囲を黄土色
土状の「蒼鉛土」が
覆っている

B輝沸石と束沸石山梨県
初狩
100円高川山
Cぶどう石山梨県
下部町
杉山
300円ほぼ絶産(?)
D燐灰ウラン石山口県
柳井市
石井
300円
    太陽(白色)光


    ミネラライト(紫外線)

約10年前に
訪れたが
採集できず
E自然銅東京都
白丸ダム
200円自然銅(?)
   

     @は、山梨県産のもの
     Aは、”山梨の鉱物 J"で、乙女鉱山以外のホセ鉱産地
     Bは、山梨県初狩の採石場近くらしい
     Cは、山梨県杉山(別名 岩欠(いわかけ))産
        HPにも書いたとおり、ほぼ絶産
     Dは、採集できなかった残念標本
        10年以上昔、仕事の関係で山口県柳井市に頻繁に出張した。石井の燐灰
       ウラン石を採集したくて、産地を探したがわからなかった。近くの切通し
       で「鉄ばん柘榴石」は採集できた。
        ミネラライト(紫外線)で黄緑色に光るので、産地さえわかれば、採集
       は簡単そう。
     Eは、東京の鉱物で、白丸ダムの自然銅は草下先生の「鉱物採集フィールドガ
       イド」にも載っていない初めて聞く産出情報
        ラベルに惹かれて購入したが、実体顕微鏡下でいくら眺めても”自然銅”
       は見つからない。ガラス質、赤銅色、透明のネオトス石(旧名ペンウイス
       石)らしきものが、べったリと付いている。

        出品者も購入者も”甘茶”ならではの”悲喜劇”であろう。

 2.3 オークション
     会員が持ち寄った標本の中から、価値の高そうな標本を堀会長が選んで別テー
    ブルに並べてあった。提供者から採集(入手)の経緯などの説明があった後入札
    して、2番目に高い値段を付けた人が落札する。

     私は、栃木県の石友・Sさんが出品した「鷹ノ巣鉱山のマンガノパイロクスマ
    ライト」狙いで入札したが、12,000円を超えるとは、”想定外”で、当然落札
    できなかった。

      鷹ノ巣鉱山産マンガノパイロクスマライト
 

3. おわりに 

 (1) この会に出席すると、今どの産地がフィーバーしているのかよく分かる。
    しかし、昨今の各地での「採集禁止」が響いてか、オークションにはごくごく
    ありふれた鉱物の1つ”水晶”が多かった。

 (2) 参加者の顔ぶれを見ると、私を含めオジサンがほとんどでチラホラとオバサン
    がいて、若い人は、数えるほどであった。今回出席した人が会員の年齢構成をそ
    のまま反映していないかもしれないが、それにしても”高齢化”が進んでいるの
    をまざまざと感じた。
     ( 昨年より、平均年齢が確実に1歳近く高くなっている )

     私がご一緒するミネラルウオッチングの参加者は、女性や子供が半数近くを占め
    平均年齢も若いので、永く続くことを願っている。今年も、皆さんとお会いでき
    るのを楽しみにしている。

4. 参考文献 

 1)光野 千春 et al:岡山の地学,山陽新聞社,平成4年
 2)松原 聰:日本産鉱物種,鉱物情報,2002年
 3)加藤 昭:マンガン読本,関東鉱物同好会,1998年
 4)関内 幸介:いわき市鉱物誌,,平成16年
 5)宮島 宏:日本の新鉱物 1934-2000,フォッサマグナミュージアム,2001年
 6)草下 英明:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988年
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