平成16年鉱物同志会新年会

平成16年鉱物同志会新年会

1.初めに

 私は、鉱物関係のいくつかの団体に所属していますが、その1つに東京に
本拠を置く、「鉱物同志会」があります。
 この会は、毎年1月に新年会の企画として、鉱物のバザーとオークションが
行われ、希産、絶産、遠方、外国産鉱物の1級品から駄物まで、幅広く出品
されるので、できるだけ出席しています。
 普段ご無沙汰している遠方の石友とお会いできる、祝詞交換会ともなって
いる。
 元旦に、同じ会員で東京に住むT女史から電話があり、開催日を教えていただいた。
 今年は、1月17日に開催され、懐かしい顔ぶれとお会いし、横浜の石友Wさんから
「愛媛県弘法師鉱山の輝安鉱」と「宮城県細倉鉱山の蛍石」を年賀代わりに、と頂いた。
 また、無料標本配布やバザーがあり、私は、「黒平の長石」や「乙女鉱山の水晶」など
約20点を提供し、「白板鉱山の閃亜鉛鉱」などを入手した。
 オークションでは、珍しく「中竜鉱山の鉱物」30種セットを落札でき、
”こいつあ、春から縁起が良いわい”状態でした。
(2004年1月)

2.内容

2.1 会長挨拶
 「何でも鑑定団」でおなじみの、堀会長のあいさつで、会は始まった。
 @会誌「水晶」の発行遅れ
   今回は、「足尾鉱山特集号」で、発行の遅れは昨年程でなく、この後、1週間くらいで
  郵送されてきた。
 A新鉱物発見
   福島県川俣町にある、希元素鉱物の産出で有名な「水晶山」で、地元学校の先生が
  採集し、会長に鑑定依頼した標本の中にあった。大きさ1〜2cmで、フェルグソン石に
  近い構造をもち、フォーマン石に類似しているが、Ta>Nbであるところから、新鉱物と
  認定された。
   現物は、科学博物館に1点あるのみなので、皆さんに探して欲しいとのこと。

「水晶山」産新鉱物

2.2 バザー
 その後、皆さんお待ちかねのバザーに移った。
 会員が持ち寄った標本に役員が値付けし、テーブルの上に並べておき、十分下見したあと
 20名くらいずつ1グループになり、”ジャンケン”で決めた順番に従って、1点〜3点選んで
 精算する。

(1)提供品
   私が、提供したのは、下記の標本です。
   @水晶          山梨県牧丘町乙女鉱山
   A長石ほか        山梨県黒平
   B水晶          愛知県白鳥山
   C鉄礬ザクロ石      愛媛県五良津
   など、20点余り。
(2)購入品
   私が代表で”ジャンケン”し、最初のグループになり、目指す標本を目出度く選ぶことが
   できた。
   @閃亜鉛鉱【ヤニ鉱】   白板鉱山      300円
   A水晶          宮崎県板谷     300円
   Bスピネル        秩父鉱山      100円
   Cオリビンサンド     鹿児島県川尻海岸  100円
   D紫水晶         万珠鉱山      100円
   E重晶石         岩手県鷲ノ巣鉱山  100円
   F硫カドミウム鉱     石部町灰山     100円
   G黄鉄鉱         新潟県飯豊鉱山   100円
   など
    

   @は、昨年暮れのミネラルショーで高い値段で出ていたものより立派。
   A、C「遠方で行く時間もないし、行くより安いし、行っても採れるか分からないし」
    などと、勝手な理屈を並べて購入。
   B、Fは、2003年採集に行ったが、自力採集できず。

2.3 オークション
   会員が持ち寄った標本の中から、価値の高そうな標本(今回20点)を選んで、
  入札して、2番目に高い値段を付けた人が落札する。
   私は、いくつかに入札し、「中竜鉱山の鉱物」30種セットを落札できた。
  この中にあった「中竜鉱山仙翁抗産のモリブデン鉛鉱」は、昨年訪れ私が採集したものより
  良いものであった。

     
  「中竜鉱山の鉱物」30種セット    仙翁坑モリブデン鉛鉱

 

3.おわりに 

(1)この会に出席すると、今どの産地がフィーバーしているのかよく分かります。
   皆さん、新しい産地、新しい鉱物を追いかけるせいか、2002年に持て囃されていた
   「白板鉱山の方鉛鉱」など、見向きもされない有様です。
(2)今年のオークションでは、「中竜鉱山の鉱物」30種セットを落札できた。
   同じころ、私のもう1つの趣味である「郵趣」のテーマである、鉱物・鉱山関係の
   マテリアルの「中龍鉱山局」の消印が、1次昭和切手「金剛山」(現在、北朝鮮にある)
   押されたものを入手でき、何かと中竜鉱山に縁がありました。

  福井県中龍鉱山局消印

4.参考文献 

1)松原 聰:日本産鉱物種,鉱物情報,1992年
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