平成15年鉱物同志会新年会

平成15年鉱物同志会新年会

1.初めに

私は、鉱物関係のいくつかの団体に所属していますが、その1つに東京に
本拠を置く、「鉱物同志会」があります。
この会は、毎年1月に新年会の企画として、鉱物のバザーとオークションが
行われ、希産、絶産、遠方、外国産鉱物の1級品から駄物まで、幅広く出品
されるので、できるだけ出席しています。
普段ご無沙汰している遠方の石友とお会いできる、祝詞交換会ともなって
いる。
いつも開催通知の来る時期になっても、今年は連絡がなく、どうしたのだろうかと
思っていると、東京のT女史から電話があり、開催日が分かった。
(平成13年の新年会の時に「日本の鉱物」に掲載されている岩手県道又の「頑火輝石」を
プレゼントして呉れた方でした。)
今年は、1月19日に開催され、懐かしい顔ぶれとお会いし、千葉県の石友Tさんから
「日本の鉱物」に掲載されている「仙台市郷六の高温石英」を頂いた。
また、無料標本配布もあり、私は、「京都府木屋の紅柱石」「八幡山の水晶」などを
提供し、「串木野産紫水晶」と「保基谷岳産ダキアルディ沸石」を入手した。
オークションでは、石友のTさんが、20点中の3点を的中し、”こいつあ、春から
縁起が良いわい”状態でした。
(2003年1月)

2.内容

「何でも鑑定団」でおなじみの、堀会長のあいさつに始まり、皆さんお待ちかねの
バザーに移った。
2.1 バザー
会員が持ち寄った標本に役員が値付けし、テーブルの上に並べておき、十分
下見したあと、20名くらいずつ1グループになり、クジ引きで決めた順番に
従って、1点〜3点選んで精算する。
2003年同志会バザー
(1)提供品
私が、提供したのは、下記の標本です。
@重晶石         山梨県北巨摩郡増富鉱山   1点
A銅藍と自然硫黄     山梨県北巨摩郡増富鉱山  15点
Bヂュモルチ石      山梨県牧丘町京の沢     3点
C水晶          山梨県甲府市向山鉱山   11点
D水晶          山梨県北巨摩郡八幡山鉱山  5点
E黄鉄鉱(一部武石)   長野県川上村小川山     6点
F輝安鉱         群馬県下仁田町中丸鉱山   2点
G貝化石の中の方解石   千葉県印西市        5点
H含亜鉛満バン石榴石   岐阜県矢坪鉱山       2点
I紅柱石         京都府和束町木屋      2点
(2)購入品
クジ運が悪いのか、最後のグループになってしまい、目指す標本は既に誰かの手に
渡った後。仕方がなく、次善の品を選ぶ。
@方鉛鉱         白板鉱山    900円
Aバリシャー石      河津鉱山    200円
B銀星石         河津鉱山    200円
Cランシー鉱       高根鉱山    100円
D霰石          銚子市長崎鼻  100円
E大隈石         東京都神津島  100円

  @方鉛鉱【白板鉱山】   Cランシー鉱【高根鉱山】


  D霰石 【長崎鼻】      E大隈石【神津島】

@は、昨年暮れのミネラルショーで3,000円前後で出ていたものより立派。
A〜Cは、2月に伊豆で開催する採集会の眼を慣らすため。
Dは、銚子長崎鼻には、10年以上前に愛知県のKさんと「琥珀」を採集に行ったが
小さなものしか採れず、今回、”長崎鼻の敵を江戸で討つ”。
Eは「遠方で行く時間もないし、行くより安いし、行っても採れるか分からないし」などと
勝手な理屈を並べて購入。
2.2 オークション
会員が持ち寄った標本の中から、価値の高そうな標本(今回20点)を選んで、
入札して、2番目に高い値段を付けた人が落札する。
私が、入札した値段は高すぎたり、安すぎたりで落札ゼロの惨敗です。
高額で落札した人気の高い標本は、下記の通りです。

(1)和歌山県の手稲石          16,000円余
(2)自然金標本セット          14,000円余

標本店では、入手できないものがほとんどですから、落札できた人は、ラッキーです。

3.おわりに 

(1)私が狙った標本は、「金満寿鉱山の灰重石」(2000円)でした。これは
堀先生の「楽しい鉱物図鑑」に掲載されている産地のもので、しかも、地元山梨県産でも
あり是が非でも入手したかった。
(2)購入できないとなると後は自力で採集するしかない。「金満寿鉱山」の情報を
調べてみると、「日本鉱産誌」に掲載されていることが分かった。
さらに、山梨県に乙女(倉沢)鉱山以外にタングステン鉱山があったのか、県立図書館で
調べたところ北巨摩郡の甲斐駒ケ岳で灰重石を採掘していた「鞍掛鉱山」があった事が
判明した。
金満寿鉱山も北巨摩郡にあった。九州大学の総合研究博物館に所蔵されている10cmに
達する灰重石の結晶は駒ヶ岳産とされており、晶癖は金満寿のものとそっくりです。
「鞍掛鉱山」は「金満寿鉱山」とは別なのか、興味津々です。
(3)雪が解け次第、これらの産地を回る予定です。
(でも、1月23日に甲府市内でも19cmの降雪があり、だいぶ先になりそうです。)

4.参考文献 

1)工業技術院地質調査所:日本鉱産誌(BI-C),東京地学協会,昭和29年
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