このページを読んだ大勢の石友から、メールをいただいた。千葉のMさんからは
『 奈良、平安時代ならば、きっと「仏舎利」の代用品になっていても不思議あり
にわか千葉県民の私としてもMさんの提案には大賛成で、『房総錦石』として、
「フィールドガイド」には、この海岸の1880年以前の写真が掲載されているが、
松原先生の「日本産鉱物型録」を見ると、「玉髄」は載っているが「メノウ」
現在では、「玉髄」は、『微粒石英の集合体』、つまり「石英」が
石友・Mさんから、「メノウ」と「玉髄」の違いについてメールいただいたので
『 鉱物学的に両者の差が何なのか、よく判らない記述になっている。 と
【楽しい鉱物図鑑/堀秀道/草思社/1992.11.10】
石英の顕微鏡的な結晶(ただしb軸方向に伸びている)が集合して、
【日本の鉱物 (フィールドベスト図鑑 15) /松原 聰
微細な石英がち密な塊を作ることも多い。これは玉髄(カルセト゛ニー)
玉髄のうち、明らかな縞状組織をもつものをめのう(アゲート)という。
個人的には『碧玉』の『碧』とは緑を表す文字ですから、赤玉を碧玉の
HPに『千葉県鴨川市太海(ふとみ)の鉱物』として、『玉髄』を紹介したところ
そのメールを読ませていただくと
・ 還暦を過ぎ、慣れない単身赴任で、ご苦労様なことだ。
という気持ちが、言外に読み取れた。
兵庫県・Nさん夫妻
千葉・Fさん
愛知・Tさん
(2) 『 錦石 』
翌日、青森を発ち、今別駅で降り、母衣月海岸まで行ったが、海岸には
山崎海岸では、「仏舎利石」と「津軽錦石」をしっかり、採集できた。
それから、数年経った平成8年(1996年)から平成9年(1997年)にかけて
これらのことが、昨日のように思い出され、千葉での仕事が片付いたら、また
(3) 「美しいメノウ」の秘密
「メノウ」など、水に濡れているときは『湯上り美人』よろしく、綺麗に見えるのだが
とある本を読むと、「椿油」を塗ると”テカテカとした美しさ”をキープできる、と
実は、長野県の石友・小Yさんに「椿油」を教えたがなかったので、「オリーブ油」
( Minerals from Futomi , Kamogawa City , Chiba Pref. )
ませんね。
雲根志にもある 母衣月(ほろつき)海岸産 「舎利石」とはやや成因が違う
のでしょうが、よく似ていますね。いずれも、火山岩由来ではあるようですが。
津軽錦石の小さい版の様にも見えますね。 『房総錦石』とでも名付けまし
ょうか。
それにしても綺麗な小石ですね。 』
改めて紹介してみたい。
( 2008年2月採集 同月拾遺 )
2. 産地
「鉱物採集フィールドガイド」に掲載されている地図を引用させていただく。この
本の地図に、『めのう礫の採れる砂浜』、とある場所である。
産地地図【フィードガイドから引用】
その後採石が進み、さらに「青年の家」が建つなどして山際の様子は大きく変わ
っている。
1980年以前 2008年
【フィードガイドから引用】
産地の変貌
3. 産状と採集方法
海岸には砂浜が広がり、その北の端のほうので「めのう」「玉髄」を拾うことが
できる。小さな礫が砂の下に潜り込んでいるので、砂を少し掘ると良いだろう。
4. 産出鉱物
(1) メノウ【Agate:SiO2】
玉髄【Chalcedony:SiO2】
は見当たらない。
鉱物名になり、「メノウ」や「玉髄」などはその”亜種”あるいは”俗名”となる
ようだ。
太海海岸で採集できるものは、色は白色〜灰色〜緑色〜黄色〜赤茶色
透明度も透明〜不透明で、その組み合わせが各種あり、それらが部分的に
入り混じったものもある。
メノウ・玉髄礫 赤玉石
採集品
ご紹介したい。
ありましたので単身赴任したMHに代わり、手元の本を調べてみました。
塊状なっているものを玉髄(Chalcedony)という。さらにその玉髄の中で
でも、紅色になったり、縞模様があったりして美しいものをめのう(Agate)
といっている。 68P
碧玉(Jasper )は不純な石英で、酸化鉄などが混じるために赤色、
緑色、褐色、黄色などに色がついている。日本産の緑色の碧玉では、
島根県玉造の花仙山のものが古代から勾玉などに使用され、古風土記
にも記述がある。赤色系の碧玉では佐渡の赤玉が有名である。血石
(Bloodstone)はインド産の暗緑色の生地に赤色の斑点が入るもので、
碧玉の一種である。不純物のために着色した石英に対してつけられた
特別な名称は山ほどあった、それを列記して解説したら一冊の本が
できてしまう。 69P
/学習研究社/260P/2003.9.18】
とよばれている。226P
227P
一種にするのは日本版"red-beryl"の様でしっくりしません。
色名が含まれる名称は混乱のもとになりえるので、あまり望ましい名称
とは言いがたい。
緑柱石(Beryl)の亜種名として、鮮やかな緑色(Emerald) 、水色(Aqua
-marine )、黄色(Heliodor) 、 無色(Goshenit)e 、ピンク色(Morganite)
濃赤(Red-beryl ) 』
5. おわりに
(1) 『ハンマーに封印』
上記のMさん以外にも大勢の石友からメールをいただいた。
・ 『ハンマーに封印』、とか何とか言いながら、今まで、いや、それ以上にミネ
ラル・ウオッチングをエンジョイして素晴らしい標本を採集している。
『 美しいいメノウです。 HPがんばっておられますね。 ・・・・・ 』
『 MHのHPに掲載されているの採集品の写真に茶色で透明感のある
ものが二つありますが、これはもしかしてガラスではないでしょうか 』
Ans 「そうかも知れません」
『 千葉でもお仕事に鉱物採集に大活躍のご様子、うれしく思います。
やはり「ハンマー封印」なんてもったいないですよね 』
『 錦石 』のご本家は、青森県の津軽地方の『津軽錦石』だろう。たしか、
平成4年(1992年)2月、青森県の五所川原市に出張で行った。乗り換えの
ため、弘前駅に降りると、ホームの隅に大きな「津軽錦石」が展示してあった。
金曜日の出張だったので、その日は青森市内で一泊した。土曜日に母衣月
(ほろつき)海岸で「仏舎利石」を採集し、日曜日に札幌雪祭りをみて帰ろう、
という魂胆だった。( もう、時効でしょう )
宿のロビーに飾ってあった「青函トンネルの石」を撫で回しているのを見た
女将さんが、「良かったら差し上げますよ」と言ってくれ、遠慮なくいただいて
きた。
防波堤があり、「仏舎利石」は拾えなかった。
しかたなく、来る途中に見た、今別町の「山崎海岸」まで戻ることにした。
待てど暮せどバスは来ず、歩き始めて間もなく、今別駅前の魚屋さんの
車が止まってくれ、山崎海岸まで乗せてくれた。
プロジェクトの関係で、1、2ケ月に一回、青森の工場を訪れた。私の趣味が
ミネラル・ウオッチングであることを知っている工場の方が、休日に山崎海岸を
案内してくれ、この時も「仏舎利石」と「津軽錦石」をしっかり、採集できた。
訪れてみたいと思っている。
何人かの石友から、「綺麗なメノウですね」とメールをいただいた。実は、この
裏には、チョットした細工があるのだ。
表面の水分が飛ぶと、どうしても”ガサガサ””不透明”になり勝ちだ。
あった。単身赴任先で「椿油」が手に入る訳もなく、周りを見渡すと「オリーブ油」
があるではないか。これも同じ”木の実の油”だから、効果あるのではないかと
塗って撮影したのが、上の標本写真である。
を塗ったら綺麗になった、と聞いたのを試しただけである。
6. 参考文献
1) 益富 寿之助:鉱物 −やさしい鉱物学−,保育社,昭和60年
2) 草下 英明:鉱物採集フィールドガイド,草思社,1988年
3) 松原 聰、宮津 律郎:日本産鉱物型録,東海大学出版会,2006年