分離結晶の中には、@エステレル式双晶 A日本式双晶 Bチンワルド式双晶
など、各種の双晶が含まれていることが「ペグマタイト誌」に報告されています。
「ペグマタイト誌」に掲載された結晶図を引用させていただきましたが
結晶図を見ただけで、どの双晶なのか鑑定できるほど生易しいものではありません。
同誌の記述を参考に、それぞれの双晶鑑定のポイントを”青字”で纏めてみた。
@エステレル式双晶
エステレル式双晶は、六角錐の1つの錐面を双晶面とし、そのなす角度は
76°26′である。
大きな錐面に小さな結晶が付き、”補角”の関係にあるものは、”r面”が
並行になっていて、同時に光る。
貫入形では、”r面”と”r′面”を共有する形になっている。
理想形 貫入形
エステレル式双晶
A日本式双晶
日本式双晶は、フェルシュパタク式【Verespatak Law】双晶とも呼ばれ、
双晶面とし、そのなす角度は、低温石英(水晶)と同じ84°34′である。
柱面”m面”が並行になっており、同時に光る、のが鑑別のポイント。
日本式双晶理想形
Bチンワルド式双晶
チンワルド式双晶は、エステレル式双晶の半分の角度で”c軸”が交わっている
ものである。
貫入形では、柱面”m′面”と錐面”r面”が並行で、同時に光るの
特徴である。
理想形 貫入形
チンワルド式双晶
分離結晶1個の大きさを4mmと仮定すると、重さは約0.1gで、15kgでは
10万個以上の数になり、その中に含まれる双晶は1000個足らずですから、含有率は
1%前後です。
私が採集した分離結晶の数は、たかだか100個ですので、双晶が見つかる可能性は
極めて低いと予想されます。
それでも、夜長の暇つぶしに、双晶探しに挑戦してみる積りです。