鉱山名 | 所在地 | 主な産出鉱物 | 備 考 | 赤谷(あかだに)鉱山 | 福井県足羽郡美山町 | 自然砒、輝安鉱 | 自然砒は、”金米糖” と 呼ばれる独特な形態 |
赤谷(あかたに)鉱山 | 新潟県新発田市東赤谷 | 鏡(赤)鉄鉱、霰石 | 青色の霰石は 松原著 「日本の鉱物」に記載 |
HPにあるように、福井県の赤谷鉱山には、何回か訪れているが、新潟県のほうは
今まで、一度も訪れたことがなかった。今回、「栃木・福島・新潟鉱物採集の旅」の
一環で、三川鉱山を訪れた”ついでに”、立ち寄ってみた。
東京の石友・Mさんい教えていただいた場所や「新潟県地学ハイキング」にある
ズリで、「青色の霰石」こそなかったが鏡鉄鉱をはじめとする代表的な鉱物を短時間で
採集する(拾い集める)ことができた。
情報をいただいた、Mさんに厚く、御礼申し上げます。
( 2005年10月採集)
年代 | 約2〜3億年前 | 約1億3000年〜6000万年前 | 約2000万年前 | 説明図 | 説 明 | サンゴ・ウミユリ・フズリナ の住む海の底 泥岩・砂岩・石灰岩が堆積 | 石灰岩に花崗岩が貫入 最初のスカルン鉱床誕生 | 流紋岩溶岩の噴出 質の良い赤谷鉱床形成 |
赤谷鉱山から運び出された鉱石に伴って出た不要な廃石(ズリ)があちこちに
埋もれていますので、これらの表面から拾い上げて採集しました。
花崗岩の貫入に伴う石英脈には、水晶が生成している個所があるので、そこでは
ハンマーとタガネで掻きとります。
(2)閃亜鉛鉱【Sphalerite:ZnS】
赤谷鉱山のものは、鉄分が少ないためか俗に”ヤニ鉱”と呼ばれる飴色をした半透明の
結晶で産する。鉛灰色サイコロ状の方鉛鉱も一緒にでることが多い。
(3)黄銅鉱【Chalcopyrite:CuFeS2】
鏡鉄鉱の微細な結晶が集合した中に、真鍮色、金属光沢をした脈状で産する。
一部は、”虹色”を示す斑銅鉱に変化している。
(4)黄鉄鉱【Pyrite:FeS2】
鏡鉄鉱の微細な結晶が集合した中に、苦灰石などを伴って、やや白っぽい黄色
金属光沢をした直方体、あるいは5角12面体で産する。
苦灰石を伴う標本の鏡鉄鉱の上には、菱鉄鉱(?)と思われるガラス光沢、黄褐色の
粒状結晶が見られる。
(5)苦灰石【Dolomite:CaMg(CO3)2】
晶洞の内側に白色、不透明、菱形の自形結晶の集合体で産する。菱形が変形し
葉片状結晶が立っているように見える。松原先生の「日本の鉱物」にも、赤谷鉱山の
苦灰石が掲載されている。
(6)灰鉄輝石【Hedenbergite:CaFeSi2O6】
灰緑〜暗緑色の針状〜細柱状結晶の集合体として産する。針状のものは放射状に
なる場合もあるが、柱や針状結晶には全体として方向性があるように見える。
下の白い部分は、結晶質石灰岩(大理石)で、かつては、赤谷鉱山産のものを原料にして
「炭酸カルシュウム」を製造していたが、産出が途絶え、現在では他所の産地のものを
使って製造を続けている。
(7)緑簾石【Epidote:Ca2Fe'''Al2(SiO4)(Si2O7)O(OH)】
黄緑色の粒状結晶の集合体として産する。
(8)灰礬ざくろ石【Grossular:Ca3Al2(SiO4)3】
方解石や苦灰石の中に埋もれるようにして、レモン茶色〜赤褐色、ガラス光沢の
24面体結晶として産する。結晶の角は丸まり、粒の大きさは、1mm以下である。
(9)このほか水晶、珪灰石などが採集できます。
(2)「新潟県地学ハイキング」には、鉱山が稼行中の様子が生き生きと描かれています。
この本にはその当時の坑口や選鉱場の位置が書き込まれており、いつかそこを
訪れてみたい、と考えています。
そこには、「日本の鉱物」に記載された、「青色のあられ石」があるのではないかと
想いつつ・・・・・・・・・・。