分離結晶では、今回、長径10mmの「ズシリ」と手応えのある(比重:5.78)
”金米糖”と呼べるものを筆頭に、約10ケ採集できました。
「福井縣鑛物誌」によれば、『斜方6面体Rの主軸の仝心放射状集合は
金米糖状の球を造る。径10乃至15ミリあり。』とあります。
今回、新鮮で表面が金属光沢を示すものを採集した。
自然砒の回りを、輝安鉱が取り囲んだ、面白い産状のものもあります。
今まで、”金米糖”にだけ、目を奪われていましたが、「福井縣鑛物誌」によれば
『斜方6面体の結晶軸が、互いに平行に重なり合うときは、”サイ形”に近き
平行連晶を形づくる。径5乃至10ミリあり』として、結晶図も添えてあります。
今回、”おや”と思って採集した中に、”サイ形”(=さいころ形)をしたものが
何個かあった。
(3)鶏冠石【Realgar;As4S4】
3年前に”赤い鉱物”を採集し、「紅安鉱?」ではないか、はたまた”辰砂”かと
考えましたが、一部黄色(石黄【Orpiment:As2S3】)になりつつある部分もあり
鶏冠石に落ち着きました。
(4)黄鉄鉱【Pyrite:FeS2】
表面が金色にピカピカ輝く黄鉄鉱の集合体を採集した。
(3)今回の採集、標本の分析にあたり、「福井縣鑛物誌」に助けられるところが
大きかった。本書の入手に、ご尽力いただいた、石友のTさんに御礼申しあげます。
(4)こどものころ、父が演習の携行食糧「乾パン」を持ち帰り、その中に”金米糖”が
あったことを、13回忌が過ぎた今頃になって、思い出しています。
金米糖をほとんど見かけない昨今、「金米糖状」は、死語になってしまうので
しょうか。