占領軍による韓国の民間郵便検閲
( Postal Censorship in South Korea after World War2 )
占領軍による韓国の民間郵便検閲
( Postal Censorship in South Korea after World War2 )
1. はじめに
第2次世界大戦の敗戦によって、日本の主権が及ぶ範囲は本州、北海道、九州及び四国ならびに諸小
島に局限された。
朝鮮半島の北半分には大戦末期にソ連軍が侵攻し、南半分(以下、便宜上韓国)は日本を占領した
連合軍が敗戦と同時に軍政を敷いた。にもかかわらず、1951年(昭26年)9月のサンフランシスコ対日講和
条約に「日本は朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」と明記されるまで、朝鮮半島の
帰属は玉虫色だった。
その背景には、1910年(明43年)の武力によらない「併合」から35年にわたって統治していたので、国際世論
も“朝鮮は日本の一部”と認めていたからだろう。
米軍は軍政を敷くとほぼ同時に、民間郵便の検閲を開始した。検閲便には、日本で使われたと同じ『金
魚鉢』と呼ぶ『検閲パス(Censor Passed):CP』印が押してある。
検閲官番号は、C.C.D.J コードと呼び、日本では日本人検閲官が使用したものと同じである点興味深い。
(Jは、Japaneseの略)
日本の民間郵便検閲を語る上で不可欠な、韓国における占領軍の民間郵便検閲の概要をまとめてみた。
( 2018年1月 作成 )