2013年 東京国際ミネラル・フェア<BR> 26th Tokyo International Mineral Fair







          2013年 東京国際ミネラル・フェア
         26th Tokyo International Mineral Fair

1. 初めに

    東京では、国際的なミネラルショーが6月、12月の年2回開催される。それぞれ、開催地
   にちなんで「新宿ショー」、「池袋ショー」と呼ばれている。

    2013年6月、千葉に住む三男家族にあいに行ったついでに、訪れてみた。
    ( 「どちらがついでだか?」・・・・・・・蔭の声 )

    国産鉱物がありそうなのは、「Ms.Hの店」、「真鍋鉱物研究所」、「益富地学会館」、「大江
   理工社」、「クリスタルワールド」そして「鉱物同志会」など限られたブースだけだった。

    ブースを回ってみても、”これは欲しい!!”、という品はなく、以前から気になっていた
   「ゲーテ鉱」1点とロシアのソチオリンピック記念コイン1枚、計2点を買っただけだった。

    数年前から感じていたことだが、国産鉱物を入手する売り立てとしては、このフェアに合わ
   せて開催される「ミネラル・マーケット」に比べ、蔭が薄くなり、明年も訪れるべきか、悩んで
   いる。
    ( 2013年6月 訪問 )

2. 場所と規模

 名  称  場  所
(最寄り駅)
出店数  入場料  内  容   備  考
第26回東京国際
ミネラルフェア
小田急第一生命ビル
(JR新宿)
国内 75
(前年比+1)
海外 77
(前年比+3)
5日間通し券1,000円
シルバーの私は700円
業者による販売
鉱物、化石、ジェム
ジェムが多い
 金曜日〜火曜日
 (5日間開催)

          
              ミネラルフェア会場                    入場券
                 【2012年】                      【2013年】

3. 購入標本

    何だかんだ、と理由をつけてミネラル・ショーなどで購入するのは、次のような品だ。

     (1) 古い国産標本
          日本で採集された鉱物標本で、海外からの里帰り品が多い。
     (2) 山梨県(甲斐國)産鉱物
          自分が住んでいる山梨県産鉱物
     (3) ミーハー品
          強いて産地まで行って採集しようとは思わないが、話題の産地・鉱物なので1つ
         くらい持っていようか、という品
     (4) 外国産標本
          日本では入手できない、典型的な標本
     (5) 鉱物関連グッズ
          鉱物(金属)に関する、切手、コイン、書籍(本)など

 3.1 古い国産標本
      国産品を置いてあるブースを重点に回ってみても、古い国産標本は少ない。里帰り品が
     あるかと期待したが、これも全くない。
      「クリスタル・ワールド」のブースに立ち寄ると、「池袋のミネラルショーには国産標本を
     持ってきます」、と慰めてくれた。
      古い国産標本は、納まるところに収まってしまい、出てくるチャンスは極めて少なくなっ
     ているようだ。

 3.2 山梨県(甲斐國)産鉱物
      「自分が住んでいる山梨県産鉱物には一入(ひとしお)愛着がある。昔、山梨県で
     採集されたものを少しでも買い戻しておきたいと思っている。
      そんな訳で、過去に購入したことがある鉱物種でも、「乙女鉱山の日本式双晶」など、
     「これは!」、と思う標本は乏しい財布の許す限り購入するようにしている。
      国産標本そのものが少ないのだから、山梨県産標本で欲しいものはあるわけがなかっ
     た。

 3.3 ミーハー品
      強いて採集のため産地まで行こうとは思わないが、話題の産地・鉱物なので1つくらい
     持っていようか、という程度の品。
      欲しいものがなく、今回もパス。

 3.4 外国産標本
      前の日に訪れた「ミネラル・マーケット」に『ゲーテ鉱』がおいてあった。買うか買うまいか
     迷ったが、見送ってしまった。
      海外出品のブースを見ると、『ヘマタイト(赤鉄鉱)』の名で、赤黒色、腎臓状で割れ口に
     針状結晶が見られる同じ産状の標本が置いてあり、購入した。

          
                   全体                        部分
                 【横 8cm】
                        ゲーテ鉱【モロッコ・Taouz鉱山産】

      この標本の外観は、褐鉄鉱/主に針鉄鉱【GEOTHITE:FeO(OH)】だ。針鉄鉱の英名は
     文豪・ゲーテの名に由来する『ゲーテ鉱』(GEOTHITE)だ。和名がなぜ、”針”なのか愚考
     するに、割れ口を見ると放射状に”針状”結晶が見られるからだろう。

      スケールこそ違うが、同じような産状の『ゲーテ鉱』を2013年4月、長野県川上村湯沼の
     『朝飯前』産地で観察した。

     ・長野県川上村湯沼『朝飯前』の鉱物
      ( Minerals from Yunuma " Asameshimae " , Kawakami Village , Nagano Pref. )

      ここで観察できた『褐鉄鉱』の外観は”小粒な腎臓状”で、破断面には”針状”結晶が
     確認できる。

          
                   全体                        部分
                 【横 8cm】
                           ゲーテ鉱【長野県湯沼産】

 3.5 鉱物関連グッズ
      鉱物に関連するグッズの代表は書籍(本)、切手、コインだ。

  (1) 書籍(本)
       鉱物や化石に関する本は毎月のように発行されている。インターネットで注文すれば、
      送料無料で2日後には地方に住む私の手元に届く。ただ、パソコンの画面では中身を
      確認できないため、”○○先生監修”、などの甘言に釣られて買って失望したことが
      何度かあり、立ち読みして内容を確認するのが目的だった。

       野呂氏の「鉱物結晶図鑑」はジックリ読んでみたい本の1冊で、早速インターネットで
      新古本を注文した。

  (2) 切手
       前の日の「ミネラル・マーケット」では切手を見かけたのだが、この会場ではほとんど眼に
      することはなかった。

       【後日談】
         郵便趣味のカタログ(7月号)が送付されてきた。「ふるさとフレーム切手」の中に
        『奥三河の大地に眠る石の華』がある。2013年3月1日発行、とあるので第1版のよう
        だ。
         気になる価格は、1,820円で、荷造送料180円、〆て2,000円だ。こういった切手の
        販売会社がまとめ買いしたのも品薄感に拍車をかけたようだ。

        
           『奥三河の大地に眠る石の華』 フレーム切手

  (3) コイン
       この会場では、ローマ時代の銀貨や銅貨などのアンティーク(骨董品)や近代の記念
      コインなどが販売されていた。
       以前はロシア産鉱物を主に売っていたブースに「2014年 ソチ五輪記念25ルーブル
      コイン」が置いてあった。
       「材質は鉄だ」、というが、磁石を近づけても吸いつかない。「特殊な加工をしている」、
      と言うので珍しいと思い300円で1枚購入した。この日の為替レートは、1ルーブルは3円
      なので、75円の硬貨を4倍の金額で買ったことになるが、記念貨幣なのでこんなもの
      だろう。

          
                    表                            裏
                       「2014年 ソチ五輪記念 25ルーブル貨」

4. おわりに

 (1) 新宿ミネラル・フェア
      ここ数年、新宿ミネラル・フェアを訪れるたびに思うのだが、『国産標本』が極めて少なく
     なっている。
      同じ時期に開かれ、国産鉱物が主体の「ミネラル・マーケット」に比べ、”国産鉱物派”と
     しては魅力が薄れてしまっている。

      この種の、ミネラル・ショーは、世界の鉱物・ジェム・化石などを楽しむ場、と割り切るしか
     なさそうだ。

 (2) 
      ミネラル・ウオッチングの合間に、農園の手入れも欠かすわけにいかない。甲府地方の
     5月の降水量は15mmしかなく、明治28年に観測を始めて以来のカラカラ天気が続き、近く
     の用水路からバケツで汲んできた水を灌水するのが夕方の日課になっていた。
      6月中旬恒例の「月遅れGWミネラル・ウオッチング」のころから雨降りの日が多くなり、
     植えた苗がシッカリと根付き、水やりから開放され、早いものは収穫を迎えている。

      収穫の一番手は、「ニンニク」だ。前の年の秋、妻が一片ずつ植えたのが厳しい冬を越し
     て、球根を太らせた6月初めに晴れの日が続いたら収穫だ。ニンニクは肉料理には欠か
     せないスパイスなので、キッチンの一角に乾燥を兼ねてつるして置き、いつでも使える
     ようになっている。

          
              収穫                         保存
                        「ニンニク」

      野菜と言えば、「ナス」、「トマト」だ。雨が降るころになって苗がシッカリと大地に根を
     張ったようで、花がつきだした。
      俗謡に、『 親の意見とナスビの花は、千に一つの無駄もない 』、と謡われるくらい、
     花が咲けば実がなるのがナスの習性だ。トマトは品種改良が進み、新しい品種が次々と
     生まれている。今年はじめて、ミニトマト系の『愛子』を三男の嫁さんと孫娘に手伝って
     もらい植えてみたが、”鈴なり”の表現がピッタリだ。

          
                「ナス」                  「トマト」

      夏のミネラル・ウオッチングに欠かせないのが「スイカ」だ。今年は、苗を8本植えてみた。
     ラグビーボール大になり、7月中旬には収穫できるだろう。今年初めて「メロン」栽培に
     挑戦してみた。なかなか受粉しない、と言われるのだが、「ハチ」が盛んに飛び回って受粉
     してくれたようで、1株に2、3個なっている。『網目』がシッカリしたら食べごろだろう。

          
                   「スイカ」                     「メロン」

      家の庭に植えてある実のなる木も豊作だ。「豊後梅」は、年明け早々枝を切ってあげた
     せいか、今まで採れても18kgくらいだったが、ゆうに30kgを超え、隣近所に配ったほどだ。
      俗謡その2 『 桜切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿 』
      この冬の大雪で「ビワ」の木の枝が折れ、緊急に帰宅したのは既報の通りだが、これも
     たわわに実を付けた。朝早くからカラス、ヒヨドリなどが訪れ、実をついばんで木のテッペン
     の方は丸坊主だ。今朝も、番(つがい)の「メジロ」が仲良く朝食を摂っていた。

          
                  「ウメ」                      「ビワ」
                                庭の果実

      7月の3連休には、苗を植えた三男家族が遊びに来るので、孫娘と一緒に「ジャガイモ」
     を掘ったり、収穫するのを楽しみにしている。

5. 参考文献 

 1) 松原 聰、宮脇 律郎:日本産鉱物型録,東海大学出版会,2006年
 2) 東京ミネラル協会編:第26回 東京国際ミネラルフェア,同協会,2013年
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