2012年 東京国際ミネラル・フェア<BR> 25th Tokyo International Mineral Fair







          2012年 東京国際ミネラル・フェア
         25th Tokyo International Mineral Fair

1. 初めに

    東京では、国際的なミネラルショーが6月、12月の年2回開催される。それぞれ、開催地
   にちなんで「新宿ショー」、「池袋ショー」と呼ばれている。

    2012年6月、山梨県から単身赴任先に戻る途中、新宿で下車し「ミネラルフェア」をのぞ
   いてみた。

    国産鉱物がありそうなのは、「Ms.Hの店」、「真鍋鉱物研究所」、「益富地学会館」、「大
   江理工社」、「クリスタルワールド」そして「鉱物同志会」など限られたブースだけだった。

    ブースを回ってみても、”これは欲しい!!”、という品はなく、会社のミネラル・ファン
   へのお土産の2点を買っただけだった。

    ・「中国産蛍石」
    ・「アンモナイトキャンディ」

    昨年開催予定だったが、大震災や原発事故の影響で、延期された特別展示「水晶の
   文化と科学」展が開催され、「乙女鉱山産の日本式双晶」などが展示してあった。水晶関
   連の講演「水晶工芸の世界」を聴講して、単身赴任先に戻った。
    ( 2012年6月 訪問・聴講 )

2. 場所と規模

 名  称  場  所
(最寄り駅)
出店数  入場料  内  容   備  考
第25回東京国際
ミネラルフェア
ハイアット
リージェンシー
東京
(JR新宿)
国内 74
(前年比+7)
海外 74
(前年比+10)
5日間通し券1,000円
シルバーの私は700円
業者による販売
鉱物、化石、ジェム
ジェムが多い
 金曜日〜火曜日
 (5日間開催)

          
              ミネラルフェア会場               入場券

3. 購入標本

    何だかんだ、と理由をつけてミネラル・ショーなどで購入するのは、次のような訳だ。

     (1) 古い国産標本
          日本で採集された鉱物標本で、海外からの里帰り品が多い。
     (2) 山梨県(甲斐國)産鉱物
          自分が住んでいる山梨県産鉱物
     (3) ミーハー品
          強いて産地まで行って採集しようとは思わないが、話題の産地・鉱物なので1つ
         くらい持っていようか、という品
     (4) ゲテモノ品
          一般的な「鉱物」の定義からは外れる(そうな)モノ

 3.1 古い国産標本
      国産品を置いてあるブースを重点に回ってみると、大江理工社には、「西沢金山の
     マチルダ鉱」が3ケ置いてあった。高いもので25,000円、安いものでも10,000円を超え
     ていた。

      黒い脈の中に”金色の鉱物”があるが、自然金にしては、角ばっているし、「黄鉄鉱」
     のようだ。散々、迷ったが、今回は購入を見送った。

 3.2 山梨県(甲斐國)産鉱物
      「自分が住んでいる山梨県産鉱物には一入(ひとしお)愛着がある。昔、山梨県で
     採集されたものを少しでも買い戻しておきたいと思っている。
      そんな訳で、過去に購入したことがある鉱物種でも、「乙女鉱山の日本式双晶」など、
     「これは!」、と思う標本は乏しい財布の許す限り購入するようにしている。
      今回、2階の特別展の会場には巨大な「乙女鉱山の日本式双晶」が展示してあった。

       
             乙女鉱山産 日本式双晶

      横35cm、高さ24cm、厚みが4.5cm、重さが5.6kgの巨大なものだ。アメリカ・フィラデ
     ルフィア自然史博物館に1920年〜1960年まで、40年間展示されていたものが里帰り
     した品とのこと。
      会場の係員に尋ねると、価格は200万円で、3名ほど申し込みがあったが、相次いで
     キャンセルされたらしい。
      これだけのものを購入する財力のない悲しさ、写真だけ撮らせていただいた次第だ。

 3.3 ミーハー品
      強いて採集のため産地まで行こうとは思わないが、話題の産地・鉱物なので1つくらい
     持っていようか、という程度の品。
      欲しいものがなく、今回はパス。

4. 「水晶工芸の世界」

    3日(日曜日)の午後、山梨大学・角田講師による「水晶工芸の世界」という講演があっ
   たので聴講した。定員40名とあったが、聴講者は80名を超え、盛況だった。

     
             角田先生の講演

    角田先生は、山梨産の水晶工芸品を収集されており、今回は、古代4大文明発祥の地
   と、その流れをくむ周辺地域の水晶工芸品についてのお話があった。
    最近では、タイまで水晶工芸品の買出しに行かれたそうで、入手した品の紹介もあった。

5. おわりに

 (1) 「ミネラル・ファン・クラブ」発足!?
     単身赴任先の社員の方が私のHPの存在を知り、その話が伝わり、ミネラルに興味を
    持ち始めた人が何人かいる。
     その1人にタイからの研修生・Tさんがいる。彼女は、日本語、英語も堪能で、コミュニ
    ケーションには全く問題がない。

     「ミネラルショー」に誘ったのだが、先約があるということだった。お土産をと思い、「中国
    産の蛍石」と「アンモナイトキャンディ」を購入した。

     
            「アンモナイトキャンディ」

     石友・T嬢のブログを拝見すると、中国産と思われる「蛍石」と「アンモナイトキャンディ」
    の写真があり、目の付けどころが私と似ているのを感じて、微笑んでしまった。

     会社の中で、Tさんのようにミネラルに興味を持ちはじめた若い男女と話す機会も増え、
    そのうち、「ミネラル・ファン・クラブ(鉱物同好会)」、発足!?となるかもしれない。

 (2) 孫娘
      仕事を終えた妻が3ケ月ぶりに夜遅く単身赴任先に来た。千葉の孫の所に電話する
     と、お嫁さんの具合が良くなく、実家のお母さんが来てくれているとのこと。申し訳ない
     ので翌日妻が手伝いに行くことになった。
      翌日、妻から電話があり、お嫁さんはスッカリ良くなり一安心した。孫娘が、「じーじに
     会いたいな」、と言っているというので、土曜日、仕事が終わってから、孫やお嫁さんの
     好きなものを買って会いに行った。

      2歳半になった孫娘は、こちらの言うことは理解できるようだが、片言の言いたいこと
     は、ときどきお嫁さんの通訳が入らないと理解できないこともある。

      好きな本を読んだり、パズルや手作りのゲームをし、夕食の後、2人でお風呂に入っ
     た。頭や体を洗ってあげたが嫌がることもなく、お返しに私の背中を洗ってくれた。

      翌日が「父の日」で、息子一家からお礼のカードをもらった。その中には、孫娘が書
     いた私の似顔絵があった。私の『宝物』だ。

     
          私の似顔絵 by Kanon

6. 参考文献 

 1) 松原 聰、宮脇 律郎:日本産鉱物型録,東海大学出版会,2006年
 2) 東京ミネラル協会編:第25回 東京国際ミネラルフェア,同協会,2012年
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