2009年12月「第18回東京ミネラルショー」

       2009年12月「第18回東京ミネラルショー」

1. 初めに

    東京では、年に2回、国際的なミネラル・ショーが開催される。それぞれ、開催場所が
   新宿、池袋なので、それを頭につけて、年末に開催されるのを「池袋ショー」とも呼んで
   いる。
    最近のミネラルショーには、欲しいものが少なくなり、今回の池袋ショーはどうしたもの
   かと迷っていたが、クリスタル・ワールド社からいただいた出品リストに国産鉱物が出て
   いたので、初日(11日)に訪れた。

    開場30分前に着いたが、金曜日のせいか思ったより混雑しておらず、入場券(800円)
   を買うとNo33だった。

    10時の開場と同時に国産標本を置いてあるブースを次々に訪れ、興味のあるものを
   いくつか購入した。

    今回も、『 これは欲しい!! 』、というものは少ない。以前、里帰りの「輝安鉱」の
   良品を買ったMs.Hのブースにも立ち寄ったが、国産標本は全くなかった。
    関東鉱物同好会や益富地学のブースには、文献や国産標本があったが、欲しいもの
   がなくパス。
    クリスタル・ワールド社のブースには、国産標本がうず高く積まれ、「市ノ川の輝安鉱」
   「久万町の方解石」、「大文字山の鋭錐石」そして「南相木栗生の白鉛鉱」など7点を購
   入。
    最後に立ち寄ったブースで「大石沢の緑色魚眼石」を購入。こうして、気付いてみれば
   何んだかんだと10点近く買い込んでいた。

      開場を待つ

    前回(2008年)から、「福引」が導入された。この3ケ月、ミネラル・ウオッチングや骨
   董市そして古書店で”良い思い”をさせていただいているので、期待を込めて”ガラガラ”
   を回し”ポン”と出た玉の色は、”水色”だ。”カランカラン”と鐘が鳴らされ、「おめでとう
   ございます。5等です」
の声が会場に響き渡り、嬉しいやら恥ずかしいやら。
    賞品は、2,500円相当の国産鉱物の中から好きなものを選べるので、「尾去沢鉱山の
   紫水晶」をいただいた。
    今回、初孫を生んだ3男の嫁さんと家政婦として2か月近く頑張った妻のために、「アメ
   シストのネックレス」を買うのを忘れない Mineralhunters であった。
   ( 2009年12月 情報 )

2. 場所と規模

    JR池袋駅からサンシャインビルを目指して進み、「東急ハンズ」の脇から一度地下に
   降り、「文化会館」を目指す。2008年から、2Fだけでなく3Fの一部でも販売されるように
   なり、会場のスペースに若干余裕が出たような気がした。

      3F会場入口の「世界最大級日本式双晶」

    公式ガイドブックには、国内201(177)社、海外74(64)社、合計275(241)社が出展し
   ( )内の2008年にくらべ、出展社数は30社以上増え、鉱物、ジェムなどの人気の高さを
   物語っている。

    ” Mineral Show ”、と銘打っているが、「化石」だけ、あるいは「ジェム(磨き石)」だけの
   ブースも沢山あり、次のようなものを展示、即売している。

    (1) 鉱物
    (2) 化石
    (3) ジェム
    (4) 隕石
    (5) 文献・図書・切手・古銭

3. 購入標本

 3.1 「あなたは、おもちですか?」
     今から7年ほど前、2002年12月、例年より早い本格的な冬の訪れ・降雪でフィールド
    でのミネラルウオッチングがままならず、古い「地学研究」誌を読んでいると、岡本要八
    郎先生と桜井欽一先生が書いた ”「あなたはおもちですか?」鉱物コレクターの資格
    審査”
という記事に目が止まり、その内容について、私のHPで紹介させていただいた。

    ・「あなたはおもちですか?」
     鉱物コレクターの資格審査
     ( How Many Specimens do you have ? , Qualification of Mineral Collector )

     それ以来、フィールドやミネラルショーでは、日本産鉱物50種+【番外】、計54種を積
    極的に追いかけるようにしている。

     2005年に、岐阜県木積沢で「苗木石」、京都府白川で「褐簾石」の2点を自力で採集
    し、48種( 48/54=89% )が揃ったところで足踏み状態が続いた。年に1種増えるか
    増えないかの状態だったが、2007年に「荒川鉱山の三角黄銅鉱」を入手でき、これの
    一部と交換に「日三市鉱山の荒川石」も入手できた。
     さらに、2009年、愛知県の石友・Tさん親子に「尾平鉱山の灰鉄輝石」(仮晶)を恵与
    いただき、「手稲石」も入手し残るは1種になっている。

「日本産鉱物50種」の未入手品
  No 産地 鉱物
 19徳島県眉山産 ルチル

     残り1種 『眉山のルチル』を求めて、国産標本を取り扱っているブースをかけ足で
    見て回ったが、見つからなかった。
     かくなる上は、”自力採集”しかなさそうだ。

 3.2 購入国産標本

     今回、あれこれ理由をつけて購入した国産標本は、8点だった。

  産   地 鉱   物   産     状 価 格  備  考
青森県
大石沢
魚眼石
【Apophyllite】


1,500円
 採集見本
群馬県
鈩(たたら)沢
ドーソン石
【DAWSONITE】


 315円
 「玉手箱」用
茨城県
笠間市柊山
珪灰石
【WOLLASTONITE】


 630円
 「前島標本」
ラベルに価値あり(?)


長野県
南相木村栗生
白鉛鉱
【CERUSSITE】


 630円
 以前、「緑鉛鉱」を
採集したことをHPで
報告した。
京都府
大文字山
鋭錐石
【ANATASE】


 630円
 以前、銀閣寺の裏で
パンニングにより
”分離結晶”を
採集したことをHPで
報告した。
愛媛県
市ノ川鉱山
輝安鉱
【STIBNITE】


 1,050円
〜1,680円
 「玉手箱用」
2点購入
愛媛県
久万町
方解石
【CALCITE】


 630円
 この産地の方解石で
薄板状で産する物は
採集時の衝撃で
”バラバラ”に
なると聞いた。

 3.2 購入文献

 文   献   名 発 行 年 価 格  備  考
ミネラ No5 2009年 980円  ミネラル・ショー開幕にあわせて、
繰り上げ発売

 3.3 家族へのプレゼント
      今回、初孫を生んだ3男の嫁さんと家政婦として2か月近く頑張った妻のために、
     「アメシストのネックレス」を買うのを忘れない Mineralhunters であった。
      アメシストのペンダントトップとシルバー・チェーンそして箱を会場で別々に買い求め
     ると、驚くほど安かった。これらを組み合わせて、嫁さんと妻に1つずつプレゼントした。

       妻へのプレゼント

      ( ”シメシメ”、これで来春からもミネラル・ウオッチングを思う存分楽しめそうだ )

4. 特別企画

 4.1 水晶ジオードクラッキング
      鉱物が球状に結晶したジオード(団塊)と呼ぶ原石をその場で機械を使って2つ割
     りにするコーナーが3Fの特設会場にあった。
      瑪瑙(玉髄?)のテニスボール大(小)〜ソフトボール大(大)の球顆を2つ割にする
     と、内部の空洞に水晶が成長していることがある。

      球顆の大きさで値段が違う。当たり外れがあり、中からでてくるのも水晶というあり
     ふれた鉱物のせいか、あまり人気があったように見えなかった。

 4.2 大福引大会
     2008年から、「福引」が導入された。福引券がついていて、2,000円以上の買い物を
    すると3Fの会場で1回抽選できる。

     この手のもので当たった例(ためし)がないのだが、2008年は4等が当たり、の3ケ
    月、ミネラル・ウオッチングや骨董市そして古書店で”良い思い”をさせていただいてい
    るので、期待を込めて”ガラガラ”を回し”ポン”と出た玉の色は、”水色”だ。
     ”カランカラン”と鐘が鳴らされ、「おめでとうございます。5等です」の声が会場に
    響き渡り、嬉しいやら恥ずかしいやら。

      3F「福引」会場

     賞品は、2,500円相当の国産鉱物の中から好きなものを選べるので、「中丸鉱山の
    安四面銅鉱」にしようかと迷ったが「尾去沢鉱山の紫水晶」をいただいた。

     
            5等景品 「尾去沢鉱山の紫水晶」

5. おわりに

 (1)  ”欲しいモノがない”と言いながら、気がつけば10点近くの標本を買ってしまって
    いた自分の強欲さには、我ながらあきれている。

 (2) 4月に、その昔 『石(鉱物)なし県』と言われた千葉県の単身赴任先から山梨県に
    戻って、”ミネラル・ウオッチング三昧”のはずだったが、多事多難な1年だった。

      5月 妻の父の死
      6月 長男夫婦の飼い犬「疾風」の里親
      7月 納骨、法事
     10月 3男夫婦の新居購入と執事・家政婦として住み込み
     11月 初孫(娘)誕生
         姪の結婚(子ども、甥、姪 全員片付いた)

     しかし、『終わり良ければ・・・』のことわざ通り、時おり笑顔を見せるようになった可愛
    らしい孫娘を抱きしめると、最高の幸せを感じる。

     
          お宮参り記念に足形をとる

     ( 栃木の石友・Sさん一家から、「思いっきり、”爺馬鹿”してください」、と手紙をいた
       だいていることだし・・・・・・・・・ )

 (3) 2009年も残すところ2週間になった。今年も何かと忙しい(?)傍ら、健康でミネラル・
    ウオッチングを楽しめたのは、案内・同行いただいた多くの石友のお蔭であり、厚く御
    礼申し上げる。

     ミネラル・ウオッチングは、自分の嗅覚と眼で探し・手で採ってこそ醍醐味があると信
    じて、今年の『採集納め』のフィールドをどこにしようか、決めかねている。

6. 参考文献 

 1) 岡本要八郎、桜井欽一:「あなたはおもちですか?」鉱物コレクターの資格審査
                   地学研究Vol.10 No.5,1958年
 2) 益富 寿之助:水晶 やさしい鉱物学,保育社,昭和60年
 3) 山田 滋夫:日本産鉱物五十音配列産地一覧表,クリスタル・ワールド,2004年
 4) 松原 聰、宮津 律郎:日本産鉱物型録,東海大学出版会,2006年
 5) プラニー商会:第18回 東京ミネラルショー公式ガイドブック,同商会,2009年
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