@絶産(採集禁止)品・・・・・・・埼玉県秩父鉱山「紐状自然金」
岐阜県福岡鉱山産「緑柱石」
A鉱物関係書籍・・・・・・・・・・・明治17年出版 「金石学教授法」など5冊
( 2006年6月採集 )
ここで、売られているのは、次のようなものであった。
(1) アマチュアが自力で採集した国産鉱物や化石
(2) 外国(中国など)産の鉱物・宝石・化石
(3) 文献・図書・標本ケースなど
当然、国産標本のブースが黒山の人だかり、となり、外国産のコーナーは気の毒なくらい
人気がない。
3.2 絶産(採集禁止)国産標本
今回購入したのは、絶産(採集禁止)国産標本2点のみであった。
産 地 | 鉱 物 | 産 状 | 価 格 | 備 考 | 岐阜県福岡鉱山 | 緑柱石 5個ケース入り | 1,500円 | 水晶の上に成長した ものもあり 採集禁止 |
埼玉県秩父鉱山 大黒坑内 | 紐状自然金 5個ケース入り | 1,000円 | 閃亜鉛鉱の上に成長 抗道は水没 絶産 |
3.3 文献・標本ケース
入口脇で、古い文献を売っていた。明治時代に出版された和綴じ鉱物学(当時は金石学とも
言った)教科書類を5冊、まとめて、まっ先に購入した。
書 籍 名 | 著 者 | 発行年 | 価 格 | 備 考 | 金石学教授法 | 大槻 修二 | 明治17年 | 1,000円 | 古書店では15,000円 | 博物小学 金石編 | 田中 竹次郎編 中川 重麗閲 | 明治17年 | 500円 | 初学礦物編 | 松本 駒次郎編 | 明治17年 | 500円 | 初学須知 三 金石学目録 | 田中 耕造訳 | 明治9年 | 500円 | 須(すべからく)知るべし 必ず知っておくべき |
鉱物教科書 | 脇水 鉄五郎 | 大正14年 | 1,000円 |
大槻修二の「金石学教授法」には、明治17年当時として珍しい、カラー写真に似せた標本の
絵が載っている。彩色した上にニス(にかわ?)のようなものを重ね塗りして、質感を出そうと
苦心した跡が読み取れる。
(2) それでも、「マーケット」には、最近話題の産地などの逸品も並んでいた。アマチュアとは
言え、その採集ぶりは玄人はだしの方々が多いようである。
(3) NHK教育テレビの「地球データマップ」を見ていると、”コモンズ(Common's)の悲劇”という話
が紹介されていた。
『 あるところに、綺麗な湖があり、魚がたくさん獲れた。ある日、二人の漁師(A,B)が、今まで
A 「 少し、獲る量を減らさないと、ダメじゃないか?」
こうして、その湖では、全く魚が獲れなくなってしまった。
この例の”魚”のように、皆の共有(コモン)財産では、常に起る”悲劇”とされている 』
誰も行ったことがない、岩場で、たくさんの魚を獲った。
この話は、あっという間に漁師の間に、広まり、大勢の漁師が押しかけ、獲れる量は
みるみる少なくなってしまった。
B 「 俺たちが獲らなくたって、誰かが獲るのだから、同じことだ。生活もあるし 」
A 「 それも、そうだ 」
”魚”のように、繁殖によって増えるものでは、獲るのを制限すれば、獲れる量が回復す
ることもあるかもしれない。しかし、「日本地方鉱床誌 四国地方」にあるように、”すべての
鉱物資源は、悠久な自然地質営力の下に生成された自然物であり、一度採掘して消費し
てしまえば、再新できないものである”とあるように、この悲劇から逃れる術はあるのだろ
うか。