2005年6月東京国際ミネラル・フェア











         2005年6月東京国際ミネラル・フェア

1. はじめに

    東京では、年に2回、国際的なミネラル・ショーが開催されます。その1つである新宿のホテル
   「センチュリーハイアット」で開催された「第18回東京国際ミネラル・フェア【6/3〜6/6】」を
   訪れた。

       
     「センチュリーハイアット」          会場
          2005年第18回東京国際ミネラルフェア

    ミネラル・ショーでは、次のような楽しみがあり、毎回訪れるようにしています。

    (1) 国内では、産出しない種類、大きさ、美しさの鉱物を見たり、購入できる。
    (2) 国産鉱物の原産地標本や里帰り品を見たり、購入できる。
    (3) 外国のディーラと片言の英語で情報交換ができる。
    (4) 講演会で新しい知識を仕入れることができる。
    (5) 石友と出会って情報や標本の交換ができる。
    (6) 文献・切手など鉱物関係資料が入手できる。
 

    今回も、「あなたは、おもちですか?」の鉱物50種+番外を求めてリストを片手に会場内を
   何回か巡回したが現物そのものが見当たらず、国産と外国産の鉱物を何点か購入したに
   止まった。
    それでも、私の住む山梨県の「保金山産自然金」を入手できたのは幸運であった。
    ( 2005年6月 情報 )

2. 場所と規模

    JR新宿駅から東京都庁を目指して進むと、その西側にホテル「センチュリーハイアット」があり
   毎年この2F,1FとB1Fで開催される。
    案内パンフレットには、内外150社が参加とあり、約半数は外国のディーラです。
    年々お客が増え、今年は初日の平日3日(金曜日)に訪れたのですが、会場内の人気ブースは
   歩くのも容易でないくらいの混雑ぶりで、照明ライトの熱さには閉口した。
    展示、即売しているものは、次のようなものがあります。

   (1) 鉱物
   (2) 化石
   (3) ジェム
   (4) 隕石
   (5) 文献・図書・切手

3. 購入標本

 3.1 「あなたは、おもちですか?」
      「あなたは、おもちですか?」の鉱物50種+番外4種、合わせて54種のうち、持っていないものは
     7種であった。
      今となっては、幻の鉱物と呼ばれ、マーケットで見かけることを期待できないものもあるが
     気長に捜している。
      今回、国産標本を展示しているブースが少ないこともあり、会場では見つけられなかった。

 3.2 国産標本
      最近、国産標本、とりわけ山梨県産の鉱物で珍しいもの探している。次の2点を購入した。

   産地   鉱物   外観 価格    備考
山梨県早川町
保金山
自然金12,000円肉眼で金粒が
多数見える
滋賀県マキノ町紫水晶1,500円幻(?)の産地
松茸水晶

 3.3 外国産標本
      今回は、水晶と希元素鉱物に的を絞って珍しいものを購入することにした。

   産地   鉱物   外観 価格    備考
中国
福建省[シ章]州
水晶
柘榴石と共生
2,000円黄褐色透明で
満バン柘榴石(?)
韓国
白厳山
紫水晶500円松茸水晶
故益富博士の「鉱物」に
掲載された産地
ブラジル
Coronel Murta
ジャカレー水晶282円jacare:ポルトガル語で”鰐”
ワニの肌のように
凹凸がある
松茸水晶
カナダ
オンタリオ州
Bancroft
ジルコン200円格安品
ペグマタイト起因のもので
10秒に1〜2カウントと
自然放射能の約10倍
店主曰く『"ugly(醜い)"から廉い』

4. 特別展示

    「この1年 特に話題性のあった鉱物標本」として、 奈良県天川村行者還岳産の
   「レインボー・ガーネット」が特別コーナーに展示されていた。
    レインボー・ガーネットをめぐっては、インターネット上で高額で取引され、地元では
   警察官も取締りに乗り出すなど、”話題”には事欠かないことは確かです。

    レインボー・ガーネット展示コーナー

 

5. 文献・資料

       今回購入した鉱物関連の文献は、次の1点であった。

   (1) 松原 聰・横山 一己:翡翠展 −東洋の至宝−,2,300円
       2004年東京上野で開催された「翡翠展」の展示図録
       @ 中国の翡翠文化
       A 翡翠の科学
       B 古代の翡翠文化
       C 翡翠の魅力

       と、単に「鉱物」としてだけでなく、「文化面」「装飾品としての翡翠」にもスポットライトを
      当てています。

6. おわりに 

 (1) パンフレットの末尾に2004年ミネラル・フェアのアンケートの集計が掲載されている。
    これを眺めてみると興味深い事実が浮かび上がってきます。

   

       男女比率           年代別          興味別
      女性が6割!!       小中高生が少ない  やっぱり鉱物
                     (年齢幅が不均等?)  女性はジェムか?

               2004年アンケート集計結果【パンフレットより引用】

 (2) 今回も、「あなたは、おもちですか?」の鉱物50種+番外を求めてリストを片手に会場内を
    何回か巡回したが、見当たらなかった。
     この1年で、インターネット・オークションを通じて「岐阜県苗木産の苗木石」を入手しただけで
    手に入れるペースは”ガクン”と落ちているが、残り7点を気長に探していこうと思う。

 (3) 鉱物を買うことに抵抗を感じる方もおられるようですが、私は次のような品は躊躇せずに
    購入するようにしている。(我が家の経済状態と相談の上)

     @ 絶産
     A 入手困難(採集に行くより安いし、行っても採れるかわからない)
     B 自力採集時の参考品(現物を見て産状を知っておかないと、現地で探せないものがある)

7. 参考文献 

 1) 東京国際ミネラル協会:第18回東京国際ミネラルフェア公式ガイドブック
                  東京国際ミネラル協会,2005年
 2) 益富 寿之助:鉱物 -やさしい鉱物学-,保育舎,昭和60年
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