2004年12月「第13回東京ミネラルショー」

2004年12月「第13回東京ミネラルショー」

1.初めに

 東京では、年に2回、国際的なミネラル・ショーが開催されます。「第13回東京ミネラルショー」が
12/17〜20にかけて、池袋の「サンシャインシティ文化会館」で開催されたので、12/18(土)に
妻と一緒に訪れた。
 景気の回復(?)を反映してか、会場内はごった返しており、暖冬の影響もあって、汗がでる
ほどであった。
 「日本産鉱物50種」の残り8種を求めてあちこちのブースを覗いて見たが、全く見当たらなかった。
 それでも、山梨県乙女鉱山産の「ライン鉱」や訪れてみたいと考えていた、岩手県岩沢鉱山の
「霰石後の苦灰石」などを購入することができた。
 最近、中部地方や北陸地方の産地を巡っているため、すっかりご無沙汰している千葉県のYさん
一家や東京のTさんなど関東の石友に会うことができた。
 招待券を贈っていただいた、東京の石友・Oさんに感謝しています。
   入場券
(2004年12月情報)

2.場所と規模

 JR池袋駅からサンシャインビルを目指して進み、「東急ハンズ」の脇から一旦地下に降り
「文化会館」を目指す。ここの2Fが会場である。
 公式ガイドブックには、国内120社、海外58社が参加とあり、国内最大級の展示会である。
  昨年まで「鉱物化石ショー」だったが、今年から「ミネラルショー」と銘打ってはいますが
「化石」や「ジェム」がメインのお店も沢山あります。

3.ミネラルフェアの楽しみ

3.1 国産鉱物の原産地標本と里帰り品
 国内の鉱山が閉山して久しく、しかもあちこちの産地が採集禁止になって、良品の採集が難しく
なっている昨今、国産標本の人気が高く(ついでに値段も)、国産標本を扱うブース(クリスタル
ワールド、小室宝飾(関東鉱物同好会)、大江理工社など)は、比較的人だかりしていました。

(1)日本産鉱物50種
   HPに掲載した「日本産鉱物50種」の残り8種を求めて、国産標本を販売しているブースを重点に
  物色したが、全く見当たらなかった。

No 産地 鉱物
5 秋田県太良産 方鉛鉱(八面体と六面体の集形)
9 秋田県荒川産 黄銅鉱(三角式結晶)
19 徳島県眉山産 ルチル
30 秋田県日三市産 荒川石(ベスジェリ石<原文のまま>)
33 岐阜県苗木産 苗木石(変種ジルコン)
38 京都府白川産 褐簾石(花崗岩中の結晶)
45 大分県尾平産 灰鉄輝石(結晶)
【番外】 北海道手稲産 手稲石

(2)里帰り標本
    里帰り品には、良いものが沢山ある。以前、20cmを超える市ノ川鉱山の輝安鉱や
   秩父鉱山の紐状自然金などを、今になって思うと比較的廉く購入した。
    今回、Ms.Hisami は、足尾鉱山の燐灰石などを持参していたが、”ゼロ”が1つ多い金額に
   手が出なかった。

(3)国産標本
    購入したのは、地元山梨県産や最近文献などで紹介された産地の標本で、値段は200円〜
   1,500円どまりであった。

No 鉱物 産地 </TD>
1 ライン鉱(灰重石後の鉄マンガン重石) 山梨県乙女鉱山
2 山入り水晶 山梨県水晶峠
3 霰石後の苦灰石 岩手県岩沢鉱山
4 トルコ石 栃木県文挟
5 灰クロム柘榴石 熊本県猫谷鉱山
6 紅石英 いわき市合戸
7 轟石 静岡県池代鉱山
8 黒水晶 兵庫県家島
9 菱亜鉛鉱 富山県亀谷鉱山
10 緑鉛鉱 秋田県杉沢鉱山
11 フォイト電気石 栃木県百村
12 菱鉄鉱・藍鉄鉱 岐阜県土岐市
13 透閃石 岐阜県丹生川村
14 銅藍 栃木県今市市猪倉

3.2 外国産標本
    水晶やそれに伴うペグマタイト鉱物や珪酸塩鉱物などの産地はやはりブラジルと中国で
   珍しい色、形の水晶と柘榴石を妻の希望で購入した。

No 鉱物 産地
1 中国産水入り水晶 中国
2 鋭錐石 ブラジル
3 燐灰石 ブラジル
4 タンジェリーナ水晶(ピンク+茶色の透明) ブラジル

3.3 特別展示
   今回の鉱物の特別展示は、「日瓢鉱山のパイロックスマンガン石」であった。栃木県上都賀郡
  粟野町にあり、珪石を採掘しているその一部に、珪酸マンガン鉱を含む露頭があり、その中から
  「パイロックスマンガン石」が採掘されたらしい。
   田口鉱山産のように完璧な結晶で小さいながら”品”のあるものと違い、”バラ輝石”の劈開片
  かと思われるパイマンである。
   それらを、「小室宝飾」のブースで販売しているが、500円の小さなものを1つだけ購入した。

        
       展示ブース           パイマン結晶             研磨品
                   特別展示「日瓢鉱山のパイロックスマンガン石」

3.4 文献・切手など鉱物関係資料入手
     地方にいると、なかなか入手できない、鉱物関係の文献や資料を入手する機会でも
    ある。
     今回大阪石友会創立40周年記念「思い出の鉱物・化石写真集」のCD-ROM(1,000円)を
    クリスタルワールドのブースで購入した。
     本としての出版を考えていたが、印刷費が嵩むため、この形で世に出すことになったと
<     説明していただいた。

5.おわりに 

(1)HPに掲載した日本産鉱物50種【番外含めて54種】の未収集品を求めてリスト片手に会場を
   駆け回りましたが、1点も追加できなかった。
    結局、2004年には、1点も採集・購入できなかったことになり、改めて壁の厚さを思い
   知りました。
    それでも、今までに46種(46/54≒85%)が揃ったことになります。
   達成率85%と70%以上になり、桜井博士の言う”一流コレクター”の仲間入り(??)

 ・「あなたはおもちですか?」
 鉱物コレクターの資格審査
 (How Many Specimens do you have ? , Qualification of Mineral Collector)

6.参考文献 

1)プラニー商会:第13回 東京ミネラルショー公式ガイドブック,2004年
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