2003年6月東京国際ミネラル・フェア

2003年6月東京国際ミネラル・フェア

1.初めに

 東京では、年に2回、国際的なミネラル・ショーが開催されます。
その1つの「第16回東京国際ミネラル・フェア」が、6/6〜6/9にかけて
新宿のホテル「センチュリーハイアット」で開催されたので妻と
2人で訪れた。
2003年東京国際ミネラルフェアパンフレット

 今回も、「あなたは、おもちですか?」の鉱物50種+番外を求めて
リストを片手に会場内を何回か巡回した。「手稲鉱山の自然テルル」、
「松代鉱山の霰石集合体」そして「乙女鉱山の日本式双晶」の現物はある
ものの、同行した妻に言わせると”ゼロが2つ多い”と言う事で、見送ら
ざるを得ず、購入できたのは予算と折合いのついた希元素鉱物「河辺石」
(京都白石産ではない)だけでした。
(2003年6月情報)

2.場所と規模

 JR新宿駅から東京都庁を目指して進むと、その西側にホテル「センチュリー
ハイアット」があり、毎年この1FとB1Fで開催される。
 案内パンフレットには、内外130社余が参加とあり、約半数は外国のディーラです。
年々お客が増え、6日(土曜日)の昼前に訪れたのですが、会場は歩くのも
容易でないくらいの混雑ぶりで、蒸し暑さには閉口しました。
展示、即売しているものは、次のようなものがあります。
(1)鉱物
(2)化石
(3)ジェム
(4)隕石
(5)文献・図書・切手

3. 購入標本

3.1「あなたは、おもちですか?」
 「あなたは、おもちですか?」の鉱物50種+番外4種、合わせて54種のうち
持っていないものは、16種であった。
 今となっては、幻の鉱物と呼ばれ、マーケットで見かけることを期待できない
ものもあるが、気長に捜している。
 今回、見かけたのは、下記の4種であった。

No 産地 鉱物
2 北海道手稲産 自然テルル
14 山梨県乙女産 水晶(日本式双晶)
22 島根県松代産 霞石(結晶の集合体)
【番外】 京都府白石産 河辺石

 しかし、No2の自然テルルとNo14の乙女鉱山産の日本式双晶は、”ン十万”で
No22の霰石でも”ン万円”で、とてもおいそれと買える代物ではないので
お店の人に断って、写真だけとらせていただいた。
手稲産自然テルル
松代産霰石

 今回購入できたのは、原産地標本でない、河辺石1点だけであった。
(1)河辺石【Kobeite:Y(Zr,Nb)(Ti,Fe)2O7】
   河辺石は、京都府河辺村(現在大宮町)白石山のペグマタイトで
   1950年に発見されたイットリア、ジルコン、ニオブを含む希元素鉱物で
   黄褐色長石やハロを受けた石英の中に、黒色針状の結晶が扇状に
   広がって埋もれている。
    今回購入できたのは、広島県畑賀産のものである。
   河辺石【広島県畑賀産】
3.2 国産標本
   今回目についた国産標本では、茨城県高取鉱山の鉄マンガン重石があった。
   頭付き結晶が、水晶と共成するもので、これだけの見事な標本は
   見たことがなかった。値段も”XXX万”と三桁で、”博物館級”です。
   これも、写真だけ、撮らせていただいた。
   鉄マンガン重石【高取鉱山産】

  今回購入した国産標本は、岐阜県蛭川村産の長石の上に結晶した錫石と
  三ツ岩岳産の双晶であった。
    
    錫石【長石の上の双晶】      双晶【三ツ岩岳産】

4. 購入文献
  地方では入手が難しい最新の鉱物関連文献を購入できるのもミネラルショーの
  楽しみの1つです。
  今回、高橋・南部両名誉教授による「新岩手県鉱物誌」を購入した。
   「新岩手県鉱物誌」

5.おわりに 

(1)世の中はデフレで物価は下がる傾向にあるのですが、鉱物標本の値段は
   未だにインフレの傾向があります。
   1年前には、良く探すと、安くて、面白い標本があったのですが
   今回は、メッキリ少なくなっています。
(2)昨年(2002年)は、サッカーのワールドカップの影響で5月に開催されたのが
   好評だったようで、2004年以降は、5月開催になるようです。

6.参考文献 

1)東京国際ミネラル協会:東京国際ミネラルフェア公式ガイドブック,2003年
2)高橋 維一郎・南部 松夫:新岩手県鉱物誌,東北大学出版会,2003年
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