最近の富井鉱山の鉱物

最近の富井鉱山の鉱物

1.初めに

栃木県宇都宮市で開かれる骨董市に初めて顔を出してみた。規模も小さく、
欲しいものもなく、戻るには早すぎるので、以前訪れた富井鉱山に行った。
以前採集できたような紫水晶は全くなく、わずかに黄銅鉱や黄鉄鉱が採集できた
だけでした。
(2002年2月採集)

2.産地

富井鉱山は、日光街道119号線から「しのいカウンティ東武」ゴルフ場を目指して
行くと東海寺の先左側にNTTの無線中継所(?)らしき施設があり、「学校林」の標識が
あるので、それに従い、そこを右に入る。
約500m行くと2又になっており、右側を進み、約150mで駐車スペースがある。
その右下には、沢があり、この沢の中が産地です。

3.産状と採集方法

沢の中には、鉱山で使ったと思われる、トロッコのレールなどと共に、ズリ石が落ちて
います。
最近、伐採したらしく、杉の枝が沢に落ち、探しにくくなっています。
富井鉱山産地

4.産出鉱物

(1)黄銅鉱【Chalcopyrite:CuFeS2】
富井鉱山は銅鉱山として書物には紹介されている通り、石英には黄銅鉱塊がいわゆる
”獅子の眼”状に入っていたりする標本が採集できます。
黄銅鉱の回りには、孔雀石などの2次鉱物がみられるものもある。
黄銅鉱
(2)石英【Quartz:SiO2】
「日本の鉱物」に掲載されている、”抜け殻状石英”を採集できます。最初に晶出した
重晶石を覆うような形で、石英が入り込み、内部の重晶石が溶けて、空洞(抜け殻)に
なったものが見られます。
紫水晶は、この空洞部に見られることがあり、最後の晶出でできたと考えられます。
ヌケガラ石英
(3)黄鉄鉱【Pyrite:FeS2】
石英の晶洞部分に、小さな水晶(白)と共に結晶が集合している。ほかに、方鉛鉱や
閃亜鉛鉱なども少しみられる。
淡紅色をした鉱物が”銀鉱”ではないかと考えています。
黄鉄鉱

5.おわりに 

(1)最近、だれか訪れたようで、そこかしこに、割られた石英塊が落ちています。
(2)沢には、土砂が堆積し、ズリ石が見つけにくくなっています。梅雨〜台風の季節に
かけての大雨に期待しています。

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