2001年6月ミネラルフェア

2001年6月ミネラルフェア

1.初めに

東京では、年に2回、国際的なミネラルショーが開催されます。
ミネラルショーへ行くと次のような楽しみがあり、毎年訪れています。
(1)国内では、産出しない種類、大きさ、美しさの鉱物を見たり、購入できる。
(2)国産鉱物の里帰り品を見たり、購入できる。
(3)外国のディーラと片言の英語で情報交換ができる。
(4)講演会で新しい知識を仕入れることができる。
(5)石友と出会って情報や標本の交換ができる。
(6)文献・切手など鉱物関係資料が入手できる。
その1つの「第14回東京国際ミネラルフェア」が今年も、6/1〜6/5にかけて、新宿の
ホテル「センチュリーハイアット」で開催され、訪れた。

2001年東京国際ミネラルフェアの会場
(2001年6月情報)

2.場所と規模

JR新宿駅から東京都庁を目指しし進み、その西側にホテル「センチュリー
ハイアット」があり、毎年この1FとB1Fで開催される。
案内パンフレットには、内外120社が参加とあり、約半数は外国のディーラです。
年々お客が増え、2日(土曜日)の午後に訪れたのですが、入場できないのでは
と思わせる混雑ぶりでした。
最近、コハク、オパールやジェムを求める女性、特に若い女性が増えている
ように感じます。
展示、即売しているものは、次のようなものがあります。
(1)鉱物
(2)化石
(3)ジェム
(4)隕石
(5)文献・図書・切手

3.ミネラルフェアの楽しみ

3.1 国際フェアならではの展示・即売品
(1)今回、ロシア産の「板チタン石」【Brookite:TiO2】を購入した。国内では、
山梨県塩山市竹森の水晶山で、鋭錐石にともなうルーペサイズの標本を
採集したが、今回購入したのは、2cmを超える六角形の分離結晶である。

板チタン石
これは、URALS GEOLOGICAL MUSEUM の副館長をしている Dr.Boulrakov が
自分で採集したものを展示・即売している。産地の状況や採集の様子を
パネルで展示していた。

板チタン石を採集しているDr.Boulrakov
私が買うか買うまいか迷って、何度も脚を運んでは立ち去るので、顔見知り
になり、「どれが欲しいのだ、これなら値引きする」と言ってくれたので、
買ってきました。
(2)ブラジル産水晶
変わり種の水晶があり、一面(X面?)が異常に大きく成長し、窓があいたようになった
偏平な形の歪んだ水晶をみかけたので、購入した。価格は190円と格安でした。

歪形水晶
(3)紅水晶
先日の宮城県採集行のとき、O氏から、今では絶産の「福島県白沢村の紅石英」を
いただいた。それが意識のどこかにあり、小さいながら両錐の紅水晶を購入した。

紅水晶【ブラジル産】
3.2 国産鉱物の里帰り品
(1)乙女鉱山産日本式双晶
Ms.Hisami が持ってくる里帰り品には、良いものが沢山ある。以前、20cmを
超える市ノ川鉱山の輝安鉱や秩父鉱山の紐状自然金などを購入した。
水晶の日本式双晶は、日本人に人気が高いということで、今回も乙女鉱山産や
外国産を幾つか持参していた。
乙女鉱山産日本式双晶は、価格が40万円とのことで、買わずに、写真だけ
撮らせていただいた。

乙女鉱山産日本式双晶【ラベル付】
(2)他に、蛭川村のトパーズ、田上山の長石などの古色を帯びたラベルの
ついた里帰り品が何点かありました。
3.3 外国のディーラとの情報交換
珍しい色、形の外国産鉱物を見かけると、片言の英語で鉱物名、産地や産状を
聞いています。
最近は、インターネットが普及し、あとあとのコンタクトも取り易くなって
います。
先日、宮崎鉱山を案内していただいた石巻のO氏が友人から買ったという
外国産の鉱物の名前が「石膏」だと思うのだが自信がありませんでした。
しかし、オーストラリアからきたディーラの方がもっていた「石膏」と結晶形
色が全く同じなので、「石膏」で落ち着きました。

左:オーストラリア産石膏 右:ラベル
3.4 講演会
著書でしか存じ上げない先生方の講演が行われることがあり、鉱物関係の場合、
許可を得て、ビデオを持ち込んで撮影させていただくこともあります。
今回は、化石関係でしたので、受講しませんでした。
3.5 石友と情報や標本交換
4月の採集会に参加していただいた千葉県のYさん親子とお会いすることができた。
早速、宮城県産をはじめ、最近入手した標本をお渡しし、お互いの最近の活動状況を
話し合い、また、ご一緒に採集に行くことにした。
4月の採集会で、梓(甲武信)鉱山で採集した大きな方解石の塊を割ったところ、
透明で複屈折を示す標本が得られ、同じ物を、会場では、何千円で売っていたと、
喜んでおられた。
3.6 文献・切手など鉱物関係資料入手
地方にいるとなかなか入手できない、鉱物関係の資料を入手する機会でもある。
(1)私のもう1つの趣味は切手収集であり、旧ソ連の鉱物切手を7セット購入。
(2)文献は、木下亀城著「岩石鉱物」を購入。

5.おわりに 

(1)年々賑やかになっていくのは嬉しい限りです。
(2)世の中はデフレなのですが、鉱物の値段はインフレの傾向があり、なかなか
思ったものを購入できません。
しかし、良く探すと面白い標本があり、外国での買い物では当たり前の「値切り」で
自分でリーゾナブルと思う価格で購入できます。
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