左:ズリを掘る参加者 右:”たっくん”とOさん一家
2歳の”たっくん”が水晶を見て「透明!」、「六角!」などと叫び、既にして”博士2号”の
片鱗を見せ、末頼もしい限りです。
そのうち、散らばって採集するようになり、やがて愛知県のKさんが良品を採集したとの情報が
流れてきた。見せてもらうと、6cmを超える透明の草入り水晶である。帰って今回不参加の
息子のS君に自慢できると満足そう。(いつも息子のS君の方が良品をゲットする。)
出てきたのは、出そうもない山土混じりの場所だったそうですから、産地は分からない。
秋の陽は釣瓶落しといわれるように、暮れかかってきたので、後ろ髪を引かれる思いで下山した。
5.おわりに
(1)東京都のTさんから、平沢の氷長石(薄茶色に汚れたような色が付いている)を10%の
塩酸に漬けたら、粘土状になってグズグズになってしまった。
しかし、怪我の功名で、その中から1mm位の板チタン石が何個か出てきたとのこと。
また、行きしなに、私がこの中に「鋭錐石」があると言ったグライゼン化した塊を家に帰って
割ったら、ルーペサイズながら鋭錐石がビッシリ付いていたとの嬉しいメールを頂いた。
(2)同じ塊の片割れを持って帰った愛知県のKさんや、水晶を蓚酸で処理したOさんからも
鋭錐石があったとのメールを頂いた。
鋭錐石は、耐酸性の強いチタンの酸化物ですので、蓚酸にやられることはありません。
私も、しっかり片割れを確保してきました。
(どうも、鋭錐石を知らない人が割って、そのまま置いて行ったようです。)
グライゼン化した母岩と鋭錐石
(3)今回初めて参加された人にも、充分楽しんでいただけたようです。
10月の採集会はもっと楽しんでいただけるよう心がけています。
一人でも多くの皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
6.参考文献
1)加藤昭、松原聡共著:鉱物採集の旅-東京周辺をたずねて-,築地書館,1982年